モノトーンのお寺の風景に、鮮やかな彩りを添える木々の紅葉。しっとり落ち着いたお寺の境内で、赤や黄、オレンジに色付く紅葉を楽しみませんか。絵画のような写真が撮れるフォトジェニックなスポットから、知る人ぞ知る隠れた名所まで、紅葉がきれいなお寺を紹介します。
1.通宝山 弥勒寺(つうほうざん みろくじ)<姫路市>
心が和む懐かしい風景に出合えるかも?
書寫山から北へ約4キロ。圓教寺の奥の院とも呼ばれ、紅葉の時期になると境内にあるイチョウやモミジが色を付けます。周囲を山に囲まれた田舎ならではののんびりした空気が訪れる人の心を和ませます。
本堂の北には巨大な布袋(ほてい)さんの石像があります。お参りしてたくさんの福を授かって。
2023年11月3日(祝・金)~15日(水)には、秋の特別拝観が行われます。国指定重要文化財の本堂を特別ご開帳。普段見ることができない本尊・弥勒菩薩三尊を間近で拝観することができます。合わせて、江戸時代中期の池泉観賞式庭園も公開され、期間中、書院では作品展示会も。
また、11月3日(祝・金)には手作り雑貨やキッチンカーなどが出店する「ほていまつりinほていマルシェ」を開催。12日(日)には和太鼓演奏奉納も行われます。紅葉を前に、普段非公開の本堂や庭もじっくり眺めてみては。➡︎イベントの詳細はこちら
【見ごろ】11月中旬~12月中旬
■DATA
2.書寫山圓教寺(しょしゃざん えんきょうじ)<姫路市>
貴重な文化財を彩る木々の紅葉
「西の比叡山」とも呼ばれる「書寫山圓教寺」。樹齢数百年の木々に囲まれた荘厳なお堂は息をのむ美しさです。2023年は、11月17日(金)~19日(日)に「もみじまつり」を開催。木々が色付く様子をのんびり歩きながら散策してみて♪
期間中、十妙堂や開山堂、金剛堂の天井絵などが特別公開されるほか、特別講演の和太鼓演奏も。ゆったり紅葉を楽しみたい人は、夜のライトアップがおすすめ。
【見ごろ】11月中旬~11月下旬
【祭り】「もみじまつり」2023年11月17日(金)~19日(日)10:00~20:00
【ライトアップ】「もみじまつり」期間中の17:00~20:00
➡︎イベントの詳細はこちら(PDF)
【特別公演】11月18日(土)14:00~ 常行堂にて和太鼓演奏(観覧無料)
■DATA
書寫山 圓教寺(しょしゃざん えんぎょうじ)
- 所在地
- 兵庫県姫路市書写2968
- 電話番号
- 079-266-3327
- 営業時間
- 【入山時間】8:30~17:00(ロープウェイ運行時間にあわせて変動あり)
3.沙羅の寺 應聖寺(さらのてら おうしょうじ)<福崎町>
抹茶をいただきながら眺める襖絵のように美しいモミジ
本堂横の書院からは、山の斜面を利用した江戸時代前期の名勝・應聖寺庭園(県指定文化財)が眺められます。色鮮やかな裏山の約50本のモミジはまるで襖絵のよう。抹茶とお菓子をいただきながら、優雅な時間を過ごすことができます。
書院に置かれている座卓には、紅葉した裏山の景色が反転して映り込み、撮影すると幻想的な写真に。SNS映えする一枚を狙ってみては。
さまざまな色が入り混じった落ち葉のじゅうたんを踏みしめながら裏山を散策するのもまた一興。
花の寺として親しまれている「應聖寺」。桜の時期が終わると、アヤメやサツキ、シャクナゲなどが一斉に咲き始め、色鮮やかな花で彩られます。6月中旬~7月上旬には、純白の花を咲かせる沙羅の花を一目見ようと多くの参拝客が訪れます。
【見ごろ】11月下旬~12月上旬
■DATA
4.七種山 金剛城寺(なぐささん こんごうじょうじ)<福崎町>
隠れた紅葉の名所でこだわりの写真を
整然と配置された伽藍(がらん)や木々。境内のあちらこちらの木が色付き、色の少ないお寺の風景に、鮮やかな彩りを添えます。
撮影のベストスポットは本堂から阿弥陀堂へと続く回廊の紅葉。色鮮やかな写真が撮れそう。
苔の上に落ちたモミジの葉もインスタ映えしそうな一枚に。
【見ごろ】11月中旬~下旬
■DATA
5.金楽山 法楽寺(きんらくさん ほうらくじ)<神河町>
しっとり色付く紅葉から漂う哀愁
鐘楼(しょうろう)堂越しに見る紅葉した木々。緑から黄、オレンジ、赤へと色を変え、やがて落葉する木々は、人間の一生を表しているかのよう。
燃えるように赤く紅葉したモミジ。しっとり落ち着いた境内には、福山の里(現在の神河町)に住む枚夫(まいふ)長者の命を救った2匹をまつる犬の石像があります。
【見ごろ】11月上旬〜中旬
■DATA
6.法華山 一乗寺(ほっけさん いちじょうじ)<加西市>
鮮やかな紅葉と定例宝物館拝観を要チェック!
本堂へと向かう石段の両側のモミジが真っ赤に。本堂の回廊からは、山並みと紅葉した木々、三重塔の織りなす壮大な眺めが広がっています。この期間しか見ることができない寺宝と紅葉も楽しんで。
【見ごろ】11月中旬~下旬
【祭り】「定例宝物館拝観」2023年11月5日(日)10:00~15:00 ※宝物館入館料500円が別途要
■DATA
法華山 一乗寺(ほっけさん いちじょうじ)
- 所在地
- 兵庫県加西市坂本町821-17
- 電話番号
- 一乗寺:0790-48-2006
本堂:0790-48-4000 - 営業時間
- 拝観時間:8:00~17:00
7.御嶽山 播州清水寺(みたけさん ばんしゅうきよみずでら)<加東市>
大講堂前と“引退ポスト”周辺で映える写真を!
西国第25番札所で神仏霊場78番札所(兵庫13番)の「御嶽山 播州清水寺」。標高500メートルを超える御嶽山の山頂に位置するため、麓よりも早く紅葉します。
大講堂前のイチョウの落葉はまるで、黄色いじゅうたんを広げたかのよう。
映える写真を撮影したいなら、大講堂から2、3分、登山道を下った場所にある“引退ポスト”周辺がおすすめ。赤や黄、オレンジに色付いた紅葉と戦前の古いポストが「エモい!」「ジブリの映画に出てきそう」とSNSでも話題に。
本坊では2023年11月5日(日)~23日(祝・木)の10:00~16:00、「東条秋津窯 作陶展」の特別展示を開催。※入場無料
【見ごろ】11月中旬~下旬
【ライトアップ】なし
■DATA
8.大谷山 伽耶院(おおたにさん がやいん)<三木市>
赤や黄に染まる紅葉と多くの文化財が見どころ
山門前を赤く彩るモミジが参拝者を出迎えてくれます。修験道の寺院として毎年10月に行われる採燈大護摩(さいとうだいごま)が有名。国の重要文化財に指定されている金堂や多宝塔、毘沙門天(びしゃもんてん)立像など、紅葉と合わせて見学したい文化財も数多くあります。
※採燈大護摩(さいとうだいごま)…野外に木や藁(わら)などを積み上げて点火し、家内安全や五穀豊穣などを祈願する修験道独自の儀礼。
【見ごろ】11月中旬~12月上旬
■DATA
9.但馬安國禅寺(たじまあんこくぜんじ)<豊岡市>
幻想的な写真が撮影できる話題の紅葉スポット
裏庭のドウダンツツジが色鮮やかに紅葉することで有名。本堂越しの景色が、額に入った1枚の絵画のように見えます。近年、テレビや新聞などで紹介され、ドライブがてら訪れたい人気の紅葉スポット。
ライトアップされたタドウダンツツジをバックに写真撮影をすると、人物がシルエットのように浮かび上がり、幻想的な一枚に。SNSにアップすると話題を呼びそう。※2023年はライトアップなし
平日の昼間にゆっくり紅葉を愛ででみては。
【見ごろ】11月中旬
【公開期間】2023年11月6日(月)~22日(水)8:00~17:00(受け付けは16:30まで)
※平日のみ一般公開(土・日曜、祝は非公開)
【ライトアップ】なし
【拝観料】500円(中学生以下は無料)
■DATA
●見ごろ、アクセスまとめ
見ごろ | アクセス |
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11月上旬〜中旬 | 金楽山 法楽寺(きんらくさん ほうらくじ) 兵庫県神崎郡神河町中村1048 |
11月中旬 | 但馬安國禅寺(たじまあんこくぜんじ) 兵庫県豊岡市但東町相田327 |
11月中旬~下旬 | 七種山 金剛城寺(なぐささん こんごうじょうじ) 兵庫県神崎郡福崎町田口236 |
11月中旬~下旬 | 法華山 一乗寺(ほっけさん いちじょうじ) 兵庫県加西市坂本町821-17 |
11月中旬~下旬 | 御嶽山 播州清水寺(みたけさん ばんしゅうきよみずでら) 兵庫県加東市平木1194 |
11月中旬~12月上旬 | 書寫山圓教寺(しょしゃざんえんきょうじ) 兵庫県姫路市書写2968 |
11月中旬~12月上旬 | 大谷山 伽耶院(おおたにさん がやいん) 兵庫県三木市志染町大谷410 |
11月中旬~12月下旬 | 通宝山 弥勒寺(つうほうざん みろくじ) 兵庫県姫路市夢前町寺1051 |
11月下旬~12月上旬 | 沙羅の寺 應聖寺(さらのてら おうしょうじ) 兵庫県神崎郡福崎町高岡1912 |
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2023年10月17日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。