"竹田城跡の雲海"といえば、写真好きの間で人気スポットのひとつ。ですが、魅力は雲海だけではありません!知る人ぞ知る撮影スポットとともに、一眼レフカメラの楽しみ方を紹介します。雲海がなくても撮影できる絶景写真をチェックして♪
天空の城と呼ばれる「竹田城跡」
【写真提供:吉田利栄】
今や「日本のマチュピチュ」「天空の城」とネットの検索欄に打ち込めば、上位にランクイン。国史跡に指定された竹田城跡は、兵庫県朝来市にあります。
幻想的な「雲海」が竹田城跡に立ち込めるワケは、街を貫く一級河川「円山川(まるやまがわ)」から川霧(かわきり)が発生するから。
年間を通して雲海がでる可能性はありますが、行けば必ず雲海に取り囲まれた竹田城跡が見られるわけではありません。
川霧の発生条件である“前夜が冷え込み、翌日は晴れて温かく、寒暖差が10℃以上で、風が少ない”という条件を満たす日にでやすくなります。
雲海シーズンと呼ばれる9〜11月は、多い時で2、3日に一度見られることもあるそう。
ですが、雲海だけが魅力ではありません!
竹田城跡を訪れるなら知っておきたい撮影スポットや撮影のコツを紹介します。
写真を撮るのに必要な持ち物
(左)三脚
星空や朝の薄暗い時間帯に撮る場合は三脚は必須アイテムです。
(右)レリーズ
カメラに触れなくてもシャッターが切れます。振動でブレるのを防いだり、シャッターを長く開けたりするのに使用します。
スマートフォンでレリーズ機能(リモート撮影)が代用できる場合もあるので、事前にカメラの機能やスマートフォンのアプリもチェックしておくとスムーズです。
<記事内で使用したカメラ>
NIKON D500
立雲峡から撮る星空
城の全景が見えるスポットは二つ。
一つ目は、城の南東にある「立雲峡(りつうんきょう)」で、山陰随一の桜名所で朝来群山県立自然公園にも指定される峡谷。立雲峡からは順光で竹田城跡が撮れます。
雲海は早朝に見られるので、夜中のうちに到着する人が多いと思います。
日の出までまだ時間があるときに試してみたいのが、星空の写真。
月が大きかったり満月だと、明るくて星が見えにくくなります。月が小さいほど星空は綺麗に撮ることができるので、三日月の日がおすすめ。
<設定>
マニュアルモード、絞り解放(F値)、シャッタースピードBLUB、ISO100
<ポイント>
流れ星のような星空は、シャッターを開ければ開けるほど流れているように撮れます。
地球が回っていることを感じることができて神秘的に!この写真は5分間シャッターを開けています。ホワイトバランスのケルビンで青を強めに上げ、緑をやや上げれば幻想的な雰囲気に。
藤和峠から撮るマジックアワーと日の出
二つ目は、星空を撮った場所から車で約20分、城の北西にある「藤和峠(ふじわとうげ)」。
一味違った逆光の竹田城跡を見ることができます。カメラマンには知られた穴場のスポットです!
太陽が昇るまで、辺りは真っ暗で竹田城跡は見えません。その間に試したい写真がこちら。
陽が昇る前や陽が落ちた直後に空の色が変わっていく時間のことを「マジックアワー」といいます。キレイな空のグラデーション写真に挑戦してみましょう。
<設定>
マニュアルモード、絞り(F値)5.6、シャッタースピード1秒、ISO100
<ポイント>
山の形や雲の位置を意識して構図を決めます。
写真は突き出した山と、その直線状にキラッと光る月を合わせて見上げるような構図に。ホワイトバランスで表現したい色味にします。
雲海がなくても、竹田城跡を照らす朝日はパワーあふれる写真に!日の出を狙って撮影してみて。
<設定>
マニュアルモード、絞り(F値)22、シャッタースピード250分の1、ISO800
<ポイント>
F値を絞るほど太陽の光線が線状にキラキラとした一枚に。山のグラデーションも綺麗に写りますよ。
朝日で照らされた山が赤く染まって、迫力のある写真が撮れます。
先程の藤和峠から撮る朝日が差す、後ろ側にある山です。日の出直後の赤色の朝日が当たる迫力のある写真を撮ってみましょう。
<設定>
マニュアルモード、絞り(F値)8、シャッタースピード160分の1、ISO200
<ポイント>
構図の切り取り方で面白くも迫力がある写真にもなります。青空を入れることで山と空のコントラストが際立ちます。コントラストをやや上げるのもポイント。
いかがでしたか? おすすめのスポットと一緒に写真の楽しみ方を紹介しましたが、これらの写真は雲海が出ても出なくても撮れますよ。竹田城跡にお出かけの際はぜひ参考にしてみて。
■詳細情報
■DATA
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本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2020年11月27日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。