龍野城下町の中にひっそりと佇む「Kanuka Cafe(カヌカカフェ)」は、体と地球に優しい自然食品店。画家「アキノイサム」のギャラリーと小さなカフェを併設していて、落ち着いた和の空間の中でゆっくりと心と体を休めることができます。店内に並ぶ自然食品を見たりカフェでお茶をしたりすれば、“いつもよりちょっといいもの”や“伝統的な製法で作られたもの”にきっと惹かれるはず。“丁寧な暮らし”のヒントが見つかるかもしれませんよ♪
・「Kanuka Cafe(カヌカカフェ)」
古い街並みがノスタルジーを漂わす龍野城下町の北エリアにある「Kanuka Cafe(カヌカカフェ)」。オーガニック食品をはじめとした地球や体に優しいものを、幅広く取りそろえるショップ&カフェです。
神戸市内で長年自然食品店を営んできた叔母の店の暖簾(のれん)を分けてもらい、2019年にこの場所にオープン。「有機=体にいいという理由で自然食品を押しつけるのではなく、昔ながらの製法で丁寧に作られたものや体に優しい素材のものといった“おいしいと思える食品”を暮らしに取り入れるきっかけとなれば」と店主は語ります。
昭和レトロな玄関扉をガラガラと開けて店に入ると、食品が所狭しと並ぶ自然食品のショップが。調味料から乾物、レトルトといったものから、インスタントラーメンやお菓子などのジャンキーなものまでバラエティー豊かにそろいます。地球に優しい洗剤や衛生日用品なども販売しているので、店の隅々までくまなくチェックして。
靴を脱いで板の間に上がると、色とりどりのテーブルやイスが配されたカフェスペースがあります。元々二間続きの和室だった空間の襖(ふすま)を取り払い、開放的な一つの空間に改装したそう。床や壁に木の板を貼ったり、「赤穂緞通(あこうだんつう)」の技法でチェアクッションを作ったりと、ありとあらゆる場所に自身の手を掛けた、店主こだわりの空間が広がります。
利用するお客さんのほとんどが地元の人という同店。店主との会話を楽しむ人や“おひとり様時間”を堪能する人、会話に花を咲かせるご近所さんの集まりなど、いろんな人が集まる地域の憩いの場となっています。田舎のおばあちゃんの家のようなどこか懐かしい空間で、思い思いのひとときを過ごしてみては。
・有機食材と手作りにこだわるスイーツ
『ケーキとアイスのセット』450円
スイーツメニューは『バナナとくるみのシフォンケーキ』(単品250円)や『クッキー』(150円)があり、ケーキにはオプションで、「木次乳業」の濃厚なアイスクリームを追加することができます。
『バナナとくるみのシフォンケーキ』は、バナナの甘さと有機クルミの香ばしさがアクセント。小麦粉の代わりに無農薬の米粉を使用し、もっちりとした食感に仕上げているのがこだわりです。どこを食べても完熟バナナの甘い香りがふわりと香り、頬がとろけてしまいそう。
トッピングのアイスは、バニラ・ビターチョコレート・ストロベリー・抹茶あずきの4種類から好きなフレーバーをチョイスして。島根の奥出雲産の新鮮な牛乳と平地飼いの卵、希少な天然バニラ香料を使用した「バニラ」は、搾りたての牛乳を思わせるコクのある味わいが魅力。店主イチオシの「ビターチョコレート」は、上質なカカオの香りがケーキによく合います。
『クッキー』150円
ほのかに香るジンジャークッキーと、ザクザクとした食感がクセになるオートミールクッキーの2種類を同時に楽しめるクッキーの盛り合わせも人気。国産小麦粉や全粒粉、粗糖など、なるべく体への負荷が少ない素材を組み合わせ、素朴ながらも風味豊かに仕上げています。
オートミールクッキーは、ヒマワリの種やカボチャの種、有機オートミールなどの穀物がたっぷり入っているので栄養満点!店主が昔住んでいたというカナダで食べた思い出のオートミールクッキーを再現した、本格的な味わいが魅力です。
『石垣島のスナックパイン(1/4)』250円 ※提供は6月~7月末ごろまで
毎年6月~7月末ごろまでの初夏限定で、店主の生まれ故郷である沖縄県で評判の農家から直送してもらった「スナックパイン」や「ピーチパイン」といった石垣島産パイナップルが味わえます。
石垣島のパイナップルは糖度が高く、かじった瞬間果汁がしたたるほどジューシー!一度食べたら来年、再来年もまた食べに訪れたくなる忘れられない味です。品種はそのときどきで変わるので、期間内に何度か訪れて食べ比べするのもいいですね。
・『自家焙煎珈琲』や『梅ソーダ』などのオリジナルドリンク
『自家焙煎珈琲(クッキー付き)』400円
ドリンクも、自家焙煎コーヒーから自家製シロップのソーダまでこだわりぞろい。ドリンクを注文した人には、ジンジャークッキーとオートミールクッキーがそれぞれ1枚ずつ付くうれしいサービスもあります。
同店のコーヒーは、有機の生豆を七輪の上で自家焙煎する「七輪炭火焙煎」を取り入れています。中深煎(い)り~深煎りに仕上げ、グアテマラ特有のチョコレートのような風味をしっかりと引き出しています。
「七輪炭火焙煎」は、焙煎機やガス火と違って火を自動で調整できないため、手の感覚と豆が弾ける音だけが頼りなんだそう。焙煎した後は数日寝かして味を落ち着かせるのもおいしく仕上げるポイントです。
『梅サイダー(クッキー付き)』450円
旬のフルーツから手作りした自家製シロップのサイダーも、そのときどきでフレーバーを変えながら常時スタンバイ。
特に、上郡町産の無農薬の梅を使った『梅サイダー』は、蒸し暑くなると人気が高まる一杯です。粗糖を使っているのでオレンジがかったような鮮やかなグラデーションも魅力。酸味がまろやかで上品な味わいが、体にスッとなじみます。「ヤマノネ硝子」の美しいグラスを眺めながら、涼を感じて。
『チャイ』480円
ファンの多い『チャイ』は、インドで自然農法で作られた茶葉と数種類の有機スパイスをブレンドした、こだわりの詰まったドリンクです。チャイの本場・インドは、店主にとって祖母が滞在していたなじみのある国でもあり、チャイは思い出の味の一つ。そのため、茶葉をクタクタになるまで煮詰めるなど、作り方から味わいまで本格的です。砂糖は先入れも後入れも可能なので、オーダーのときに好みのテイストを伝えてみて。
・自然食品ショップ&画家「アキノイサム」ギャラリー
カフェのケーキやドリンクのおいしさに惹かれたら、帰り際に自然食品を販売するショップコーナーをぜひチェックして。同店のスイーツは、ここで販売している砂糖や小麦粉を使って作っているので、きっと普段の料理に役立つこと間違いなしです。
カレーはスパイスから手作り派の人には、オーガニックスパイス専門店「VOX SPICE」のスパイスがおすすめ。有機栽培や無農薬で作られたスパイスを、定番のものから珍しいものまで豊富に取りそろえています。
機械や添加物に頼らず、昔ながらの製法で手間暇かけて作られたこだわりの調味料も豊富!特に、麹(こうじ)やみそ、しょう油といった発酵食品も充実しています。
「岡山県で作られた『ひしおの糀』と小豆島のしょう油を漬け込むだけで、万能に使える自家製しょう油麹ができるんです」と話す店主。物知りな店主との会話を楽しむ中で、お気に入りの自然食品が見つかるかも。
店主の亡き父「アキノイサム」の描いた絵はがきや絵本も展示・販売しています。沖縄での島暮らしや世界各国を旅したときに見た情景などを、独特のタッチで描いています。
自然食品やギャラリーのほか、日本各地で活躍している店主の友人が作った食器も販売しています。中でも「ヤマノネ硝子」のグラスや「あさとわ」の木工の器が人気!作り手の熱い思いが伝わるアーティスティックなアイテムを、ぜひ手に取って、肌で魅力を感じてみて。
自然食品のショップを営む傍ら、ひっそりとカフェ&ギャラリーを営む「Kanuka Cafe」。不定期で「ギャべワークショップ」なども開催していて、楽しみは買い物や食事だけに留まりません。“心の休息”をとりに、たつのへ足を運んでみては。
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2023年6月28日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。