夢前町の山奥にある薪窯(まきがま)パン「キリク」。毎日食べるものだからこそ、安心・安全な材料しか使わないという信念をもって、有機小麦、塩、水だけで作った生地を薪窯で焼き上げます。店に並ぶのはシンプルなパンだけ。石窯で焼いた、焼きたてパンとコーヒーを「キリク」で味わってみて!
薪窯パン「キリク」
夢前の豊かな自然に囲まれた薪窯パン「キリク」。2016年8月にオープンして以来、山奥まで足繁く通う常連客をもつ、隠れ家ベーカリーです。営業は毎週土曜日のみ。※臨時休業あり。
看板犬の“くんちゃん”が出迎えてくれます。
「キリク」の代名詞でもある薪。地元で剪定(せんてい)された薪が工房にところ狭しと積み上げられています。
薪を燃料にして石窯で焼くパンは、外はカリッと香ばしく中はしっとり焼き上がります。遠赤外線の効果で水分が必要以上に蒸発せず、同じ300度でも、電気オーブンの300度と石窯の300度ではまったく質が異なります。
季節によって気温や湿度が違えば、薪の状態も一つとして同じではないため、焼き手の感覚が求められ、手間がかかる大変な作業。
それでも薪を使ってパンを焼こうと思ったきっかけはいくつかあったそう。
薪窯パンの風味を大切にするベーカリーとの出会い。大量の廃材がハイコストで処理されている現状を知り、捨てる人と使う人がつながることで無駄をなくしたいという思いが芽生え、薪窯パン屋を始めるに至りました。
飾らないおいしさ「山キリク」のパン
左『国産有機小麦100% カンパーニュ』800円 右『国産有機小麦100% 山型』800円
店頭で販売しているパンは、現在のところ『国産有機小麦100%』カンパーニュ又は山型のみ。全粒粉の割に食べやすく、もっちりとした特有の甘みが人気です。
『国産ライ麦全粒粉50% 』山食 800円
日本では難しいとされるライ麦の栽培に成功された契約農家、廣瀬敬一郎氏から届く滋賀県産の希少なライ麦全粒粉で作る山食パンは、ライ麦ならではの風味と滋味深い味わいが特徴です。
その独特の風味にとりこになったお客さんが神戸からも買いに来るそう!
砂糖、油脂、乳製品、イーストは一切使わず、粉と塩と水で作る素朴でシンプルな食事パン。「キリク」では、有機小麦、天然酵母、オーガニック食材でパンを作るのがルール。
たとえ台風や竜巻で原材料の入荷がストップしても、原材料の調達先を変えてまでパンを作ることはしません。
捏ね上げや寝かせる温度に注意しながら、20時間ほど低温でじっくり発酵させてしっかり焼き上げます。吸水量や発酵時間は何度も試作して独学で導き出し、やわらかくて食べやすいパンに仕上げました。
「山キリク」の営業日は土曜のみ。一週間で食べきるだけの『カンパーニュ』を買って、次の土曜にまた買いに行く、それが常連さんのルーティーンになっているそう。
売り切れ次第終了のため、来店前に電話で確認&予約がオススメです。
売り切れ御免の『パンランチ』
『キリクパンランチ』1,000円
週替わりで内容が替わる『キリクパンランチ』は15食限定なので予約がベスト。
取材時のランチメニューは平飼い卵のオムレツをのせたオープンサンド、切り干し大根甘酢、唐揚とサラダが添えられたワンプレートランチと、酒粕入りの豆乳グラタン。
数量限定で『はちみつバターカンパーニュ』500円や『あんこバターのせカンパーニュ』500円などが登場するかも!
オールドジャズが流れる店内にはギターやミニカーがディスプレーされ、暖炉のゆらめく炎が店内を温かみのある雰囲気に包み込みます。
奥の和室には子どもが遊べる木のおもちゃもあり。ずらりと並んだ本棚から一冊手に取ってゆっくり過ごすのもおすすめです。
週に1度の出張販売「置本キリク」
週に一度の出張販売「置本キリク」は、新型コロナウイルスの影響により4月から休止中。
宅配やヤマダストアでの販売も
「キリク」のパンは公式HPから注文して宅配してもらうこともできます。また、ヤマダストア(青山店・新辻井店)では毎週金曜日に定番のパンが並びます。
石窯で焼かれた「キリク」の『カンパーニュ』。シンプルで素朴だからこそ、小麦のおいしさをしっかり味わえるパンです。毎日食べるパンだからこそ、素材へのこだわりを大切にしたパンを選んでみては。
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2020年9月30日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。