「書寫山圓教寺(えんぎょうじ)」は康保3年(966)に性空上人が開創。閑静な山内に数多くの堂塔が立ち並ぶ様は“西の比叡山”とも呼ばれ、数多くの映画やドラマのロケ地となっています。SNSなどで話題の御朱印帳シリーズも詳しく紹介。「書写山ロープウェイ」の最新料金や時刻表もチェックして。
天気がよければ明石海峡大橋や四国まで見える!
西国三十三所観音霊場の第二十七番札所として、全国から巡礼者が集う「書寫山圓教寺(えんぎょうじ)」。志納所まで登山なら50分かかるところを、10分の1に時短してくれるのが「書写山ロープウェイ」です。
■乗車料金
往復:大人(12歳以上)…1,200円、小人(6歳以上)…600円
※ペットもゴンドラに乗車可(ペットケース利用のみ、ケース貸し出しあり)
全長781m、高低差211mを進み、山頂へ近付くたびに明石海峡大橋、淡路島、小豆島、四国…と眼前の景色が広がります。フッと近場に目をやれば、四季折々に咲く美しい花と、たまに野生のシカやイノシシが見えることも。登山では味わえない感動が込み上げます。
山麓駅(書写駅)と山上駅に設置された「はね上げ式桟橋」は、日本で三基目に導入されたという珍しい桟橋。駅に到着すると客車の左右両側から挟むように固定されます。
一般的なロープウェイの乗り降りが階段式になのに対して、書写山ロープウェイは平面なので、子ども連れやお年寄りの人も安心して利用できます。
わずか4分ながらも充実の空宙山歩。旅情感をもっと楽しみたい人には、駐車場の売店で実演販売している名物炭焼『書写だんご』1串(380円)がオススメです。
またロマンチックな夜景を眺めたい人は、毎年大晦日から元旦にかけての「大晦日夜間運行」「初日の出運行」を利用してみてください!運行時刻などの詳細は公式HPを参照して。➡︎公式HPはこちら
登ったついでに「除夜の鐘突き」や「新春夢の書」といったイベントもあるので、ぜひチェックを。
時刻表
発車時刻:毎時00・15・30・45分
曜日 | 期間 | 上り | 下り | |
始 発 | 年間を通じて 8:30 | |||
終 発 | 平日 | 3月1日~10月10日 | 17:45 | 18:00 |
10月11日~2月末日 | 16:45 | 17:00 | ||
日・祝日 | 3月1日~3月31日 | 17:45 | 18:00 | |
4月1日~10月10日 | 18:45 | 19:00 | ||
10月11日~11月30日 | 17:45 | 18:00 | ||
12月1日~2月末日 | 16:45 | 17:00 |
■DATA
自然と歴史の力に助けられ、奇跡の1枚が撮れるかも
ロープウェイの山上駅から約80mで、圓教寺の入口に到着します。
書写山上一帯が圓教寺の境内になっていて、さすが「西の比叡山(ひえいざん)」と呼ばれるだけあって広いのが特徴。樹齢数百年の木や珍しい野鳥、苔、岩など、この地に宿る1000年のパワーを全身で感じながら、大人の足で30分ほどかかる奥深い参道を一歩一歩、歩いてみましょう。
境内は、大きく3つに分かれています。仁王門(におうもん)から十妙院(じゅうみょういん)までを「東谷」、摩尼殿(まにでん)までを「中谷」、大講堂や食堂、常行堂(じょうぎょうどう)から開山堂(かいざんどう)のある奥の院までを「西谷」と呼び、それぞれで風情が少しずつ異なります。
ちなみにハリウッド映画「ラスト・サムライ」のエドワード・ズィック監督の心を一瞬にして奪ったのが、「西谷」でした。
どんなところに監督は心惹かれたのか、実際に足を運んで自分の目で見てみると、何か感じられそうですね。播磨随一のパワースポットだけに、どこを切り取っても絵になります。カメラを片手にいろいろな場所で撮影すれば、奇跡の一枚が撮れるかも!
各時代の「職人技博覧会」毎日開催中!
境内のあちらこちらで静かにたたずむ建造物や仏像。実はそのほとんどが、国・県・市いずれかの指定重要文化財です。まるで、職人技の博覧会のような迫力があります。
康保(こうほう)や安和(あんわ)、天禄(てんろく)、天延(てんえん)など、さまざまな時代の職人たちが、その時々の最新技術と知識を駆使して生み出した、建造物や美術工芸品。それらが一挙に見られるのも、書寫山圓教寺の魅力の一つです。
国指定重要文化財の「壽量院(じゅりょういん)」では、「圓教寺行事記」にある料理献立に基づいた『精進本膳料理(しょうじんほんぜんりょうり)』(15,000円、5人〜・要予約)を、幻の書冩塗りの器とともに味わえます。※提供は4月~11月末まで
駆け足で巡るにはもったいないモノやコトがあふれる施設内には、ゆっくりじっくり楽しめる配慮があります。「はづき茶屋」では食事や休憩ができます。ぜひ利用して。
せっかく山に登るからには、「六根清浄」はハズせない!
かつて山は、世俗を断ち、欲にまみれた人間の「六根(眼根・耳根・鼻根・舌根・身根・意根)」を清浄し、正しく生きるために人々が登ったそうです。
「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」を希望する人のため、書寫山圓教寺ではいくつかのプログラムを用意。毎月第3土曜日11:00~常行堂にて実施している「坐禅会」(無料・予約不要)と、「写経体験」(10分・300円〜・予約不要)があります。本格的に体験したい人には、座禅から写経までを体験できる「1日修行体験」(5,000円・要予約)も。月に一度実施しているので、気になる人は電話にて問い合わせを。
寺ならではの「欲の断ち方」や「正しく生きるコツ」を僧侶から学んで帰るのもいいですね。
※2024年11月8日現在、「座禅会」は毎月第3土曜日以外、個人での予約は不可。団体での予約は応相談。
特別ご朱印など、全5種のご朱印も要チェック!
近年、神社やお寺を巡って、参拝した証を集める「ご朱印ガール」が急増中。圓教寺では摩尼殿、食堂、開山堂で5種類のご朱印をもらうことができます。
※2025年1月20日(月)~3月23日(日)はロープウェイの定期整備の為、運休しています。運休期間中の9:00~16:30までロープウェイ山麓駅の待合所で出開帳が行われ御朱印を受け付けています。
詳しくは公式HPで確認を。➡︎書写山ロープウェイの公式HPはこちら
摩尼殿では、ハスの花びらの形をした散華(さんげ)の特別ご朱印をもらうことができます。※枚数限定のため、なくなり次第終了
圓教寺で販売しているご朱印帳いろいろ
「播磨西国三十三観音霊場」のご朱印帳
播磨西国三十三観音 第一番札所
姫路市にある慶雲寺の南室和尚が開いたと言われている「播磨西国三十三観音霊場」。
近畿一円に及ぶ西国霊場を巡るのは困難なため、圓教寺の本尊に祈り、夢のお告げによって播磨地域内で霊場を選定しました。行程は西国が約1,000kmに対し、播磨西国は約385km。半分以下の距離で回ることができるので、近場で巡礼したい人におすすめ。
販売場所:摩尼殿
「神仏霊場」のご朱印帳
神仏霊場会 第七十五番札所
約10年前、近畿2府4県の神社やお寺が集まって「神仏霊場会」を発足。神仏習合という日本古来の信仰の姿を現代に生かそうと誕生しました。
霊場は和歌山県の熊野速玉大社から滋賀県の延暦寺まで152カ所。伊勢神宮が特別霊場になっています。札所が多いので、旅行やドライブを兼ねて回る人が多いそう。
販売場所:食堂
「播州薬師霊場」のご朱印帳
播州薬師 第十六番札所
霊場の総本山は滋賀県の比叡山延暦寺。その他の札所は神戸市と明石市を含む播州地域の天台宗・21カ寺で、全ての寺院で薬師如来をまつっています。
販売場所:食堂
毎年1月に開催される鬼追い式の「乙天(青鬼)」と「若天(赤鬼)」をモチーフにした圓教寺オリジナルご朱印帳。黒をベースにしたカッコいいデザインなので、持っているだけで自慢できそう。
販売場所:摩尼殿、食堂
■詳細情報
■DATA
書寫山 圓教寺(しょしゃざん えんぎょうじ)
- 所在地
- 兵庫県姫路市書写2968
- 電話番号
- 079-266-3327
- 営業時間
- 【入山時間】8:30~17:00(ロープウェイ運行時間にあわせて変動あり)
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年11月8日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。