姫路市広畑区の山裾に佇む「おまかせごはん こもれび」は、薬膳と発酵を取り入れた創作和食が楽しめる一軒。定年退職を機に「地元の人への恩返しをしたい」と店を開いた店主が、旬の食材を生かし、調味料から一つひとつ丁寧に手作りしています。薬膳茶に始まり、彩り豊かな前菜や真鯛の薯蕷蒸し、発酵玄米、デザートまで、手間と心を込めたコースを、木のぬくもりあふれる空間でゆっくり味わって。
・「おまかせごはん こもれび」

JRはりま勝原駅から徒歩約8分。姫路市広畑区の山裾にひっそりと暖簾を掲げる「おまかせごはん こもれび」。ここは、定年退職後、以前から準備してきた夢を形にし、「地元の人への恩返しをしたい」と店を開いた店主が営む、小さな和食店です。
薬膳と発酵の手法を取り入れ、旬の食材の持ち味を生かした料理が楽しめると話題に。完全予約制で、一組ひと組の客を丁寧にもてなしています。1週間前には予約が埋まることもあるため、早めの予約がおすすめです。

店主の料理の原点は、幼いころに兄妹のために作ったカレー。「おいしい」と喜んでもらえた経験が忘れられず、在職時から通信教育や創業塾などでも学びながら準備し、34年間の会社勤めを経て、定年退職後に調理師学校へ入学。1年半かけて和食、洋食、中華を基礎から学び、間借り営業などを経て、2026年3月に創作和食の「おまかせごはん こもれび」をオープンしました。
食材にも、店主の思いが詰まっています。料理に使う野菜は、基本的に店主の母が育てる自家菜園のもの。足りないものはご近所から譲り受けたり、必要に応じて購入したりしながら、できるだけ地元の食材を取り入れ、調味料も極力手作りしています。

店内は、明るい光が差し込む落ち着いた和の空間。檜(ひのき)の一枚板を使ったカウンター席やテーブル席が3卓並び、木のぬくもりに包まれながら、ゆっくりと食事を楽しめます。
・発酵を取り入れた創作和食コース

『おまかせごはん』3,500円 ※完全予約制
料理はコース一種のみ。薬膳茶から始まり、茶碗蒸し、前菜、サラダ、主菜、小鉢、お漬物、ご飯、お味噌汁、デザート、珈琲まで、品数も充実した贅沢な内容です。

まず運ばれてくるのは、店主のお母さんが手がける薬膳茶。ドクダミ。ナタ豆、ゴーヤ、黒豆、ハブ茶(エビスグサ)など、昔から親しまれてきた素材を自家菜園で育て、丁寧に日干しし、煎(い)ってから煮出しています。
薬膳茶というと独特の苦みや香りを想像しますが、一口飲めばスッキリ。薬草特有のえぐみや臭みはなく、食事のスタートにぴったりの一杯です。

続く茶碗蒸しにも、薬膳の考え方を取り入れています。まずはお腹を温めてほしいとの思いから、コースの最初に提供。昆布だしには、体を温めるとされるショウガを使ったショウガ麹(こうじ)を忍ばせ、なめらかな卵液に仕上げています。中には塩麹に漬けた鶏肉と、書写山で採れた銀杏が隠れています。

前菜は、手間を惜しまず仕上げた5品が一皿に。色合いも美しく、目でも舌でも楽しめる華やかな一皿です。
「真鯛の錦紙巻き」は、塩麹に漬けた真鯛とサーモンを使った一品。中心には、細かな粒状にした卵黄を少量忍ばせ、彩りを添えています。
お浸しに使われていた愛菜菜(あいさいな)は、出汁に一度浸して終わりではなく、二度漬けすることで、葉の芯までしっかりと味を含ませています。シンプルな料理だからこそ、丁寧な仕事が際立つ一品です。

そして、コースの中でも目を引くのが主菜。運ばれてきた瞬間、思わず声が上がるほど華やかな「真鯛の薯蕷蒸し 黄身餡掛け」です。

ふんわりとした真鯛の上には、真っ白なメレンゲ。中には短冊切りにした長芋が忍ばせてあり、ふわふわの中にシャキッとした食感がアクセントを添えます。仕上げには、ショウガ麹を加えた黄身餡をとろり。優しい味わいの中にも、発酵調味料ならではの奥行きがあります。
料理と一緒に楽しみたいのが、「有田焼」や「立杭焼」、大分の「日田焼」など、さまざまな陶磁器の産地から集めてきた器を使用しています。中には同店のために製作された器もあり、料理が運ばれてくるたびに器にも目を奪われます。

ご飯には、夢前町の「夢工房」から取り寄せた玄米を使用。炊き上げた後、3~4日かけて発酵させる「発酵玄米」で、もっちりとした食感が楽しめます。料理の一品としてだけでなく、ご飯そのもののおいしさもしっかり味わって♪
・デザートとコーヒーで食後を締めくくって

食後のデザートは、カボチャのブリュレ。お客さんの目の前で炙るため、店内には甘く香ばしい香りが漂います。パリッとした表面を割ると、中からカボチャの濃厚な甘みが顔を出します。

コースの最後を締めくくるコーヒーも、こだわりの一杯。この日は「エチオピア・イルガチェフェ」を使用。同じ豆を中煎りから深煎りまで4段階の焙煎度で店主自ら焙煎し、それぞれをブレンドした後、じっくりと水出しで抽出しています。雑味を抑えたすっきりとした飲み口で、酸味と力強い風味のバランスも絶妙です。
さらに、コーヒーカップは「有田焼」をはじめ、さまざまな種類から好きなものを選べるのも楽しみの一つ。

「料理を楽しんでいただくことはもちろん、こもれびで過ごす時間そのものが、お客さんの笑顔につながれば」と話す店主。食材から調味料、器まで、一つひとつに手間と心を込めてもてなしてくれる「こもれび」。薬膳と発酵の力を取り入れた料理をゆっくり味わいながら、日々の疲れをそっとほどいてみては。
■詳細情報
■DATA
おまかせごはん こもれび
- 所在地
- 兵庫県姫路市広畑区則直則直237-3

- 電話番号
- 080-63058102
- 営業時間
- ランチ/12:00~15:00(L.O.13:00)
カフェ/15:00~17:00 - ※ランチは完全予約制。カフェのみの利用も可能で、予約不要。
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。掲載内容は2026年9月10日時点の情報であり、掲載価格はすべて税込表記となっております。最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。






