2024年4月、小野市住吉町にオープンした焼き菓子屋「キミノリ」。近隣の農家から取り寄せる旬のフルーツを生かしたメニューを多数展開していいます。店主が理想とする風味や口当たりに仕上げるために使い分ける素材も一つひとつ厳選。滋味豊かなおいしさが広がる焼き菓子は、デイリーなおやつにはもちろん、ちょっとしたギフトにも最適です。
・焼き菓子屋「キミノリ」
JR加古川線の河合西駅から東へ車で約10分、「ひまわりの丘公園」のほど近くに店を構える「キミノリ」。さまざまなケーキ屋やカフェで修行を積んだパティシエが営む焼き菓子屋です。レンタルキッチンやマルシェ出店などで人気を博し、2024年4月27日に実店舗をオープンしました。自然がもたらす独特な風合いが目を引く、柿渋染めののれんが目印です。
店名の「キミノリ」は、木に実るフルーツを使ったメニューを豊富に展開していることに由来。できるだけ農家に直接足を運び、店主が目利きしたフルーツを日々仕入れるようにしています。
対面式のショーケースには、約20種類の焼き菓子が並びます。北海道産の小麦粉やクリームチーズをはじめ、洲本市にある「島ノ環ファーム」の平飼い卵、小野市にある「共進牧場」の牛乳や生クリームなど、素材選びには一切妥協せず、焼き菓子の特徴に合わせて少しずつ変えています。いずれも甘さ控えめで、素材そのものの風味を生かしているのが特徴です。
店内には、古道具屋から仕入れたアンティークな雑貨やドライフラワーが飾られとってもオシャレ。全国から取り寄せる陶磁器の皿が、自慢の焼き菓子に彩りを添えています。
・素材にこだわった焼き菓子は約20種類
『焼き芋のチーズケーキ』500円
店主おすすめは『焼き芋のチーズケーキ』。まるで絵本から飛び出してきたような、ぽこぽこと穴の空いたチーズに見立てたビジュアルにキュンとします。
もちろん味にもこだわり、丹波産のサツマイモを焼くところから手作り。その時々に仕入れる品種によって異なる色や味わいを楽しむのも醍醐味です。ちょっぴり意外なコンビですが、焼き芋の甘味とクリームチーズの酸味が見事に調和。湯煎焼きすることで、きめ細やかでしっとりとした食感を生み出しています。
このほか、『ブルーベリーとホワイトチョコのチーズケーキ』(530円)や『甘夏のチーズケーキ』(380円)など、チーズケーキだけでも5種類ほどがスタンバイしています。
『マフィン(イチジク)』450円
マフィンは常時4~6種類がラインアップ。フルーツが表面だけでなく中にも贅沢に詰め込まれています。ポロポロと崩れ落ちないよう配合を工夫した生地は、驚くほどふんわり。食べ進めると、果汁やソースが染み込んだしっとりした食感へと変化します。クリームチーズも隠れていて、1個で満足感たっぷり。
生地だけを味わいたいというお客さんの要望から生まれた「プレーン」(430円)にも注目です。発酵バターの豊かな風味が広がり、シュトロイゼル※のザクッとした食感がGOOD。
冷凍保存も可能です。自然解凍したら、アルミホイルで包みトースターで3分しっかりリベイクすることで、出来たてのおいしさが蘇ります。
※シュトロイゼルとは…そぼろ状のクッキー生地のこと
『なるとオレンジのケーキ』480円
『なるとオレンジのケーキ』の主役となるのは、淡路市の「なるか農園」から仕入れる低農薬の「淡路島なるとオレンジ」。強い香りが特徴的な希少品種です。皮を剥いて種を取り除き、炊くことで甘みを引き出してから生地に練り込んでいます。太白ごま油入りで、パウンドケーキよりもふんわり軽い口当たり。ホワイトチョコレートとピスタチオがアクセントになっています。爽やかさの中にほろ苦さも感じられ、ちょっぴり大人向け。日持ちがするので手土産にもぴったりです。
『フィナンシェ(プレーン)』350円
『フィナンシェ』は、大量買いするリピーターもいるほど人気。北海道産のバターを生かしたしっとりした舌触りで、頬張ると口いっぱいに広がるアーモンドの風味がたまりません。基本的なフィナンシェの製法ながら、大きさも相まってリッチな気分に浸れます。
・旬のフルーツを贅沢に使ったパフェ&コーヒー
『本日のパフェ』1,300円
旬のフルーツを贅沢にあしらった『本日のパフェ』も要チェック。取材日は、シャインマスカット、巨峰、イチジクのほか、「黄貴妃」という品種の黄桃が登場。硬めの果肉とはいえ非常にジューシーで、マンゴーを思わせる強い甘みが魅力です。
フルーツのほかにも、南あわじ市の「VERDE TENERO(ベルデテネロ)」が手がけるあっさりとしたジェラート、自家製のモモミルクシャーベット、クリームチーズを思わせるねっとり濃厚なヨーグルト、グラノーラと、最後の一口まで飽きのこない構造になっています。
『アイスコーヒー』500円
焼き菓子と相性のよいコーヒーも用意しています。せっかくなら近隣では飲めない特別感のある一杯を提供したいと、あえて北海道夕張郡の「koyamame roaster(コヤマメロースタリー)」から取り寄せ。アイスコーヒー専用の深みのある豆は、しっかり苦味を感じられつつ後味はスッキリしています。
このほか、和歌山県有田郡の「虹のネ農園」から仕入れる梅で作る『梅の自家製シロップのソーダ』(550円)や、長野県駒ヶ根市の「善積農園」から取り寄せる『りんごジュース』(500円)など、こだわりのドリンクもあります。プラス200円でアイスクリームのトッピングもOK。
素朴ながらもパティシエの技が光る焼き菓子屋「キミノリ」。懐かしい駄菓子屋のように、気兼ねなく訪れてほしいと店主は話します。3日前までに予約すれば、予算に応じてホールケーキも作ってもらうことも可能。店主の人柄が伝わってくる優しい焼き菓子で、おうちカフェタイムを満喫してはいかが?
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年9月30日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。