兵庫県姫路市の書写山圓教寺・開山堂(奥之院)でしかもらえないチベット語のご朱印が斬新なアートのよう、とSNSなどで話題になっています。書いているのはインドのチベット寺院で修行を積んだ日本人チベット僧。お寺の厳かな空気を感じながら、珍しいご朱印をゲットしませんか。
圓教寺を開基した性空上人をまつる開山堂
チベット語のご朱印がもらえるのは、ここ開山堂(奥之院)。摩尼殿(まにでん)から北西へ徒歩10分のところにあります。
堂の周辺は杉木立に囲まれ、厳かな雰囲気。
堂内には圓教寺を開基した性空上人像がまつられています。なんと、像の頭部には壺に入った本人の遺骨が納められているそう。
カッコいい圓教寺限定ご朱印帳も要チェック!
圓教寺には、性空上人に仕えたと言われている若天(わかてん)と乙天(おとてん)の限定オリジナルご朱印帳があります。ご朱印デビューを考えている人は、各納経所でカッコいいご朱印帳を手に入れ、スタートしてみては。
2021年の修正会はいつもと違う形で開催
ご朱印帳の表紙になっている赤鬼(若天)と青鬼(乙天)が登場するのは、毎年1月18日に行われる修正会(鬼追い会式)。室町時代に始まり、現在まで1000年以上続く、歴史ある行事で、松明(たいまつ)と鈴を持つ赤鬼と宝剣を握る青鬼が四股(しこ)を踏むように踊って大地を清め、五穀豊穣を祈ります。
2021年1月18日(月)に開催される修正会は、関係者で神事のみを行いますが、参拝は自由。年に一度の秘仏六臂(ろっぴ)如意輪観世音菩薩、国指定重要文化財の四天王立像のご開帳も例年通り、開催されます。
開山堂で珍しいチベット語のご朱印をゲット!
堂内の納経所でご朱印をしているのは、愛知県出身で現在もインドに籍があるチベット僧侶の奥田剛さん。日本では目にすることが少ない赤土色の僧衣が印象的。
ご朱印をお願いすると、縦書きのご朱印帳を横向きに。今まで見たことのない文字が記されていきます。
ご朱印を書いてもらいながら、なぜチベット僧になったのかを聞きました。
「きっかけは脱サラしてアジア各地を旅したとき。インドにあるチベット寺院では性別も国籍も関係なく修行ができると知り、軽い気持ちで門をくぐりました。学ぶうちにチベット仏教の奥深さに魅かれ、4年目の冬に出家しました」と事の始まりは、旅先での出来事だったことにびっくり。
13年間の修業を積んで帰国後、縁あって圓教寺へ。
インドにはご朱印の習慣はなく、筆を持つのは小学生以来とあって一苦労。最初は、書き慣れたチベット語のみだったそう。今は筆にも慣れ、日本語のご朱印も書いています。
レアなご朱印を求めて遠方から訪れる人も
チベット語のご朱印が珍しいとSNSで話題になり、遠方からわざわざ足を運ぶ人も。
「チベット語のご朱印は、日本語のご朱印と近い言葉を選んで書いています。ご朱印はお守りのような役目もあるんですよ」と奥田さん。ご朱印ガールじゃなくても、レアなご朱印は手に入れたいですよね。
※日時によっては不在の場合もあるので、事前に問い合わせを。
重さに耐えかねて逃げ出した力士がいる!?
開山堂の軒下にいる力士にも注目を。江戸時代に活躍した彫刻職人・左甚五郎作と伝えられています。
しかし、北西の1人は重さに耐えかねて逃げ出したという説も。一度確認してみて!
摩尼殿の軒下にたなびく五色の旗
もう一つチェックしておきたいのは摩尼殿の軒下に掲げられた五色の旗。
この旗はチベットの高僧が圓教寺を訪れたとき、地震や災害が起きないようにとの願いを込めて贈られたもの。国や宗教という枠を超え、人々の平穏を願う気持ちに心が温かくなりました。
■詳細情報
■DATA
書寫山 圓教寺(しょしゃざん えんぎょうじ)
- 所在地
- 兵庫県姫路市書写2968
- 電話番号
- 079-266-3327
- 営業時間
- 【入山時間】8:30~17:00(ロープウェイ運行時間にあわせて変動あり)
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2021年1月13日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。