何をやってもうまくいかなくて、気持ちが落ち込む日。そんなときは誰だって何かに頼りたくなりますよね。行くだけで元気になれたり、手を合わせるだけで気持ちが前向きになったり……そんな力を与えてくれる場所や心に寄り添ってくれる仏像がいる兵庫県のパワースポットを紹介します♪
1.誰もが憧れる!スラリと細身のダイエット地蔵<佐用町>
1713(正徳3)年に建立された本堂横の正徳地蔵尊。八頭身でモデルのような体形が話題になり、女性の参拝者が多いとか。「痩せたい!」と願う人はまずは手を合わせ、ダイエットの成功を祈ってみましょう。
●船越山 瑠璃寺(ふなこしやま るりじ)
古くは修験道の道場として栄え、12の僧坊を持つ「南光坊」として広く知られていました。寺には数十点に及ぶ貴重な仏画や彫刻などの文化財が伝わっています。
※修験道…山にこもって厳しい修行を行う宗教
※僧坊…僧侶が生活をする建物
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2.薄暗い洞窟は心がほっこり落ち着く場所(加西市)
本堂裏のある洞窟は「即身成仏(そくしんじょうぶつ)の地に」と前住職が掘り始めました。毎朝5時から夜は21時まで作業をし、約半年で完成。薄暗い内部には観音菩薩(ぼさつ)像や鬼瓦などが置かれ、不思議と心が落ち着く場所です。
※即身成仏…生きたまま仏になること
観音窟の隣には寺を開基した法道仙人を祭った洞窟があります。
●蓬莱山 普光寺(ほうらいさん ふこうじ)
四方を山に囲まれた照葉樹林(しょうようじゅりん)の中にあります。近年では1938(昭和13)年の修正会で本堂や鐘楼堂(しょうとうどう)を焼失し、1970年に再建。手付かずの自然が残る境内は、天然記念物のモリアオガエルやヒメハルゼミの生息地として有名です。
※修正会…新年の決意をする年頭の法要
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3.山頂にある白山権現は書寫山で最も聖なるスポット<姫路市>
開山以前からスサノオノミコトを祭る祠(ほこら)があった場所で、圓教寺を開基した性空上人もここで悟りを開きました。白山権現(はくざんごんげん)は書寫山の中で最も聖なるパワースポットといわれ、この地に立つとすがすがしい気持ちになります。
※白山権現…山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神
摩尼殿(まにでん)の裏から白山権現へ続く木の根道。険しいように見えますが15分ほどで到着します。
●書寫山 圓教寺(しょしゃざん えんぎょうじ)
この地に圓教寺を建立した性空上人が桜の生木に本尊の如意輪観音を刻みました。そのため、岩山の中腹に掛け造りの摩尼殿が建てられ、下から見上げるとせりだす舞台が圧巻。
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4.寺名にもなった霊泉に姿を映すと寿命が延びる!?<加東市>
根本中堂の裏にある「おかげの井戸」は、清水寺を開基した法道仙人が水神に祈り、湧き出た霊泉。
覗いて自分の姿が写れば寿命が3年延びるといわれています。また寺名の由来にもなった清き水は今も尽きることはないそう。
●御嶽山 清水寺(みたけさん きよみずでら)
根本中堂に祭られているのは、開山したインドの僧・法道仙人が仏像を彫るとき、一刀を入れるたびに三度礼拝したと言われている十一面観音。
普段は見ることができない秘仏なので、似た仏像が扉の前に立っています。
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5.七福神がぐるぐる回って幸せを招く縁起物のカメ<加古川市>
境内の日本庭園にカメの石像があります。背中に背負っている石の球には七福神が刻まれ、回すと福がまわってくるそう。カメは長寿、七福神は招福。めでたい縁起物を多めに回して幸せを呼び込もう。
●道林山 横蔵寺(どうりんざん おうぞうじ)
鎌倉時代の仏師・運慶(うんけい)が左半分、息子の湛慶(たんけい)が右半分を彫って合わせたと伝えられている十一面観音が本尊として祭られ、今も民話「横負いの観音さま」として地域の人たちに語り継がれています。
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6.韓国俳優のような5体の如来が受験生を応援!<姫路市>
開山堂の横でうっすらと笑みを浮かべているのは五智(ごち)如来。密教の五つの智恵を如来で表しています。
大日如来を中心に4体の坐像が並び、どことなく韓国俳優を思わせる容姿に胸キュン。知恵の如来だけあって合格祈願にご利益があるとか。
●牛堂山 播磨国分寺(うしどうさん はりまこくぶんじ)
1200年前の奈良時代、聖武天皇が国の平安を祈って諸国に建てた「国分寺」の一つ。七重塔や金堂、講堂など壮大な伽藍(がらん)が建ち並んでいた播磨国の中心地は現在、ふるさと歴史公園として整備されています。
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7.心がほっこり和む五智如来と涅槃像<姫路市>
本堂西の高台にある五智如来は当時の住職が龍野城築城の際に木材を寄贈したお礼として、城主・赤松政秀により奉納されたもの。にこやかな表情で印を結び、遠く播磨灘を眺めるように座っています。
手前には近年、有志によって涅槃像(ねはんぞう)が寄贈され、前に立つと「きっと大丈夫だよ」と心に寄り添ってもらえる気がします。
●朝日山 大日寺(あさひさん だいにちじ)
戦国時代末期に秀吉の中国攻めをはじめ3度の朝日山合戦で山が炎上。炎の中、当時の住職が千手観音を救い出し、今も本尊として大切に祭られています。
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8.立体的な曼荼羅から感じる癒やしや安らぎ<三木市>
聖観音の左右それぞれにある五仏は、密教の二つの曼荼羅(まんだら)「金剛界」と「胎蔵界」を立体的に表したもの。自分が宇宙、地球で生きていることを実感できる場所で、この地に立つと心が癒やされたり、安らいだりしそうです。
※曼荼羅…密教で、数多くの仏や菩薩を一定の枠の中に配置したもの。
●鉾礼山 正法寺(むれいざん しょうぼうじ)
美嚢(みのう)川と加古川が交わる場所で、古くから物流の拠点として栄えた三木発祥の地。
本堂は1973年の台風で倒壊し、現在残っている金剛院が正法寺と呼ばれ、本堂から移築した大師堂に本尊が祭られています。
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9.摩尼車や「びんずるさん」からパワーを!<太子町>
講堂の前に設置されている摩尼車(まにぐるま)。黒い石の部分には経文が刻まれていて、矢印の方向に一回まわすと、般若心経を一巻読んだのと同じ功徳(くどく)が得られます。摩尼車を回してから本堂で手を合わせば、ご利益があるかも?
本堂の脇でカッと目を見開き、口を開けて真正面を見つめているのは賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)。お釈迦さまの弟子の一人ですが、禁止されていた神通力(じんつうりき)を使ったため、堂内へ入れず、外陣にまつられています。
通称「びんずるさん」は、自分の体の悪いところをさすり、その手で像の同じ箇所をさすると病気が良くなると言われている「なで仏」。よく見ると手や足、頭をなでる人が多いのか一部、木がむき出しになった部分も。持病がある人は、「びんずるさん」をなでて、病気平癒のパワーをもらっては?
●いかるが 斑鳩寺(いかるが いかるがでら)
聖徳太子が創建した1400年の歴史ある寺院。希望者は、宝物館と聖徳殿を拝観することができます(拝観料が必要・要予約)。宝物館では重要文化財の仏像10体などを、聖徳殿では「植髪の聖徳太子像」を安置。ほぼ左右対称の日光・月光菩薩像や躍動感ある十二神将像のかっこいいポーズもじっくり眺めてみて。
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10.一つだけ願いをかなえてくれる「兵庫大仏」<神戸市>
奈良・鎌倉と共に日本三大仏の一つに数えられる「兵庫大仏」。座高11メートル、像全体の高さは18メートルで、住宅街の一角にある「能福寺」にデンと腰を据えています。1891(明治24)年に建立された初代は、1944(昭和19)年に戦争の金属回収令によって解体。100年後の1991(平成3)年、現在の大仏が再建されました。
石段を登って見上げると、キリッとした切れ長の目が印象的。高い位置からこちらを見つめ、大きなパワーに包まれているかのよう。一願成就の大仏さまなので、困ったことや願いごとがあれば、ご真言「おん・あびらうんけん・そわか」を7回繰り返し、一心に手を合わせて。
天台宗の開祖・最澄による国内最初の教化霊場。境内には、平清盛の墓処として造立されたといわれている「平相国廟(へいしょうこくびょう)」や、歴代皇族の墓所として知られる京都東山月輪御陵の拝殿を移築した「月輪影殿(つきのわえいでん)」(本堂)など、歴史を物語る石碑や由緒ある建物などが数多く残っています。
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本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2022年9月20日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。