数年前から、西脇市では移住者によるカレー専門店のオープンが相次ぎ、今ではカレー通の間で「カレーのまち」と呼ばれるほどに。そんな注目エリア・西脇市のカレー店の中から、各店自慢の一皿やおすすめの食べ方、こだわりポイントをご紹介します!「カレーのまち・西脇」で、あなたにぴったりの“運命の一皿”に出合うカレー店巡りを楽しみませんか?
■「カレーのまち・西脇」
兵庫県のほぼ中央に位置する西脇市では、近年カレー専門店が急増中。今や“カレー通”の間で「カレーのまち」とまで呼ばれる注目のエリアです。本格ネパールカレーやスリランカのスパイスカレーはもちろん、和の素材をスパイスと融合させた創作系、さらには欧風カレーの原点とも言われる“イギリスカレー”をベースにした一皿まで。ジャンルも個性もさまざまな、魅力あふれるカレーがそろいます。
カレー巡りのお供にぴったりのパンフレットも各店舗や市内の主要観光スポットで配布中。パンフレット片手に“カレーのまち”を巡ってみてはいかが?
➡︎パンフレットはこちら(pdf)
1.spicecurry moco(スパイスカレー モコ)
カレー好きが迷い込む“カレーの研究所”
2024年5月に姫路から西脇へ移転したスパイスカレー専門店「spicecurry moco(スパイスカレー モコ)」は、常時2種類のカレーが楽しめるお店。“カレーの研究所”をコンセプトに、懐中電灯や三角フラスコなどをインテリアに取り入れたちょっぴりミステリアスな空間も魅力の一つです。
手前『1種のみ』1,450円、奥『あいがけ』1,650円 + 『スパイスたまご』150円
ラインアップは週替わり2種類のみ。それぞれを楽しむ『1種のみ』か、両方味わえる『あいがけ』から選べます。定番は『mocoチキン』と『自家製梅酒の利いたポークビンダル』。基本はこのどちらか1種と週替わり1種が、まれに定番2種がメニューに並びます。
姫路での間借り時代から定番人気だった『mocoチキン』は、紅茶と野菜からとった出汁がベース。そこに約10種のスパイスをブレンドし、奥深くコクのあるオリジナルチキンカレーに仕上げています。市川町のブランド卵「タズミのたまご」をスパイスオイルにひと晩浸けこんだ『スパイスたまご』も、トッピングにお忘れなく♪
“カレーの研究所”である同店の厨房で、日々真剣にカレーと向き合い、新たなカレーの開発やアップデートを行う「spicecurry moco」。カレーという概念を良い意味で裏切られる斬新な一皿と出合えるかも♪
■DATA
2.Yatara spice(ヤタラスパイス)
地元の素材をまるごと味わう、本格インド、ネパール料理
中国自動車道滝野社ICから車で約20分、の場所にある「Yatara spice」(ヤタラスパイス)。大阪大正区から西脇市に2023年7月に移転したインド・ネパール料理店です。
店内に一歩足を踏み入れると、そこにはまるで海外に来たかのような、異国情緒あふれる空間が広がっています。
『フルターリーセット』(カレー1種)2,000円、(2種)2,300円、(3種)2,600円
※写真は2種
野菜をたっぷり使ったインド料理やネパール料理をベースにした彩り豊かなプレートが自慢で、プレートの内容は週替わり。インドのライス&カリー「ターリー」、ネパールの定番「ダルバート」、南インドのデニッシュパン付き「パラタ」、そして米と豆の発酵生地で作るクレープ「ドーサ」など、バラエティー豊かなラインアップ。
写真は「播州百日鶏(ばんしゅうひゃくにちどり)」を使った『チキン』と『フィッシュココナッツ』を組み合わせた『フルターリーセット』。『フィッシュココナッツ』はハマチの魚介だしとココナッツの風味が広がる味わい深い一品。どちらのルーもスパイスが利いていて、複雑な味わいが後を引くみつきになる味です。
お米には、インド米のバスマティライスに日本米を少しブレンドすることで、パサパサしすぎないように工夫されています。気になる食べ方は、ライスを崩してその上にカレーや豆スープのダル、野菜などを少しずつかけて、自由に混ぜ合わせながらいただくんだとか。自分好みに味の変化を楽しんで♪
本場の味をベースにしつつ、地元の旬の野菜や食材をふんだんに取り入れたオリジナルのカレーが楽しめるのが魅力。「西脇×スパイスカレー」という、ちょっと特別な味わいを、この夏体験してみませんか?
■DATA
Yatara spice(ヤタラスパイス)
- 所在地
- 兵庫県西脇市黒田庄前坂478
- 電話番号
- 0795-20-6417
- 営業時間
- 月・日/11:30〜L.O.14:30
金・土/11:30〜L.O.14:30、17:30〜L.O.20:00
3.アララギ
自然豊かな田園風景の中で出合う個性豊かなスパイスカレー
西脇市西脇「童子山公園」から徒歩10分ほどの場所に、2024年3月にオープンしたカレーとアジア料理のお店「アララギ」。車では、中国自動車道滝野社ICから車で約15分、JR加古川線新西脇駅から徒歩13分ほどのところにあります。
ここは、オリジナルのスパイスカレーをはじめ、店主が旅先で出合ったアジアン料理を提供するお店。日が差し込む明るい店内は、席の間隔が広くとってあり、ゆったりと時間を過ごすことができます。
『カレー』(1種)950円〜、(2種)1,200円〜、(3種)1,500円〜
※写真は3種
コクがあり、ほんのりスパイシーな『ひよこ豆入り豚キーマカリー』など、全3種類のカレーから好みで組み合わせて選べるのが魅力。その時期の旬の食材を取り入れた週替わりメニューも用意されていて、訪れるたびに新しい味わいを楽しめます。
取材日には、マイルドな辛さとココナッツの優しい香りが広がる『エビとトマトのカリー』と、シナモン、グローブ、八角などのスパイスの刺激がクセになる『ポークビンダル』の2種が登場。白米にインドのケララ米と押麦をブレンドしたオリジナルのターメリックライスや、地元産の旬野菜を使った日替わりの副菜をカレーと一緒に楽しむことで、味のバリエーションが広がります。
訪れるたびに異なる味わいに出合えるのが、同店の魅力。店主が旅先で出合ったさまざまな国や地域の料理からインスピレーションを受け、独自にアレンジしたメニューが楽しめます。その時々で登場する料理には、店主の経験やセンスがぎゅっと詰まっていて、まるで一皿ごとに新しい旅をしているような気分を楽しんで。
■DATA
4.アパチのセイロンカレー
旅しなくてもいつでも出合える“本場スリランカカレー”を
「西脇市地方卸売市場」にある本格スリランカ料理専門店「アパチのセイロンカレー」。店内はポップな色合いでカジュアルな雰囲気。昼はライス&カレー、夜はスリランカ居酒屋としてスリランカ料理を提供しています。
『ひね鶏と魚』1,650円 + 『アンブルティヤル』200円
「ひね鶏」「魚」「豚なんこつ」「若鶏」など、4種類ほどのカレーをシングルでも、好きな組み合わせで合いがけにしてもOK!本場スリランカにならい、お皿の中央に置いたバスマティライスの周りを、野菜が主役の“副菜カレー”を囲むようにトッピング。しっかり混ぜてからいただくのがスリランカ流です。
日本ではちょっぴり珍しい「魚」のカレーも、スリランカでは一般的。さらに魚のトッピング「アンブルティヤル」を加えれば、本場感がぐっと高まります。油や添加物は使わず、スパイスのみで素材の持ち味を引き出したカレーや副菜は、それぞれに甘み・酸味・塩味・苦み・うま味と異なる魅力があり、混ぜ合わせることで奥行きのある味わいが完成します。
そんな本格スリランカカレーを作るのは、幼いころからスリランカ料理を愛してやまない店主。料理との出合いは、父から受け継いだレシピがきっかけだったそう。今では現地で学んだ味も取り入れながら、独自のスタイルで提供しています。「アパチのセイロンカレー」で、スリランカ料理の奥深さに触れてみては?
■DATA
5.cafe merry days(カフェ メリーデイズ)
使用するスパイスは約30種類!?バングラデシュ人のご主人お手製の本格スパイスカレー
バングラデシュ人のご主人と日本人の奥さんが営む黒田庄町(くろだしょうちょう)の「cafe merry days(カフェ メリーデイズ)」。地元の食材や、ちょっぴり珍しい季節の食材を取り入れた“ここでしか食べられない食事”を、黒田庄町ののどかな風景を眺めながらいただける田園カフェです。
『百日どりのスパイスカレー(サラダ・ドリンク付き)』1,800円
スパイスカレーは、生まれも育ちもバングラデシュのご主人が担当。約30種類ものスパイスを巧みに使い分け、多可町産のブランド鶏「播州百日どり」で丁寧に仕上げた、自慢の一皿です。
ライスの周囲を彩る色とりどりの副菜も、すべてが手作り。一品ごとにスパイスの配合を変えることで、それぞれに個性が生まれ、異国のエッセンスを感じられる奥深い味わいに。混ぜるたびに、味のグラデーションが変化していくのも楽しみの一つです。
のどかな田園風景と壮大な山並みに囲まれながら、スパイス香る一皿とともに過ごす穏やかなひととき。日常をそっと忘れさせてくれるような、心ほどける時間を過ごしてみては?
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6.そらとぶじゅうたん
その道40年以上のシェフが丹精込めて作る“イギリスカレー”
西脇市高井田町で2012年にオープンした、町のレストラン「そらとぶじゅうたん」。格式張らず、気軽に利用できるファミリーレストランを目指していて、今では親子三世代で通う常連さんも多く見られます。
京都・嵯峨野や東京・中目黒で懐石料理を、調布でイタリアンを修業したのち、インドを放浪したという異色の経歴をもつシェフ。和・洋・エスニック、それぞれの技術と知識を融合させた一皿が、訪れる人々の心と胃袋をつかんで離しません。
『黒田庄和牛のカレー』970円 + 『ライス(中)』290円
名物のカレーは、なんと15種類以上!スパイスの配合や材料、煮込み時間をそれぞれに変えながら、一皿ずつ丁寧に仕上げています。そんなバラエティー豊かなカレーの“原点”となっているのが、実は「イギリスカレー」。シェフが料理の原点として出合ったこのスタイルをベースに、そこへ各国のエッセンスと独自の感性を加えることで、唯一無二のカレーを生み出しています。
中でも不動の人気を誇るのが、『黒田庄和牛のカレー』。「神戸ビーフ」の主産地として知られる黒田庄町で育ったブランド牛「黒田庄和牛」のすじ肉を、2時間半以上じっくり煮込み、ほろほろになるまでやわらかく。その濃厚なうま味を、余すことなくルーの中に閉じ込めた贅沢な一品です。
このほかにも、「播州百日どり」や「イカスミ」、「エビとココナッツ」など、思わずワクワクしてしまうような個性豊かなカレーがずらり。メニューを眺めているだけでも楽しく、何度訪れても新たな味との出合いが待っているはずです!
■DATA
そらとぶじゅうたん
- 所在地
- 兵庫県西脇市高井田町194-1
- 電話番号
- 0795-22-7201
- 営業時間
- ランチ/11:00~15:00(L.O.14:30)
ディナー/17:00~21:30(L.O.21:00)
7.カレーナンハウス 寺内店
20種類以上のカレーが勢ぞろい!焼き立てナンのお替わり1枚無料もポイント
「道の駅北はりまエコミューアジアム」のすぐ近くにある「カレーナンハウス 寺内店」は、ネパール人スタッフが腕を振るう本格インド・ネパール料理のお店。
木のぬくもりを感じる店内にはテーブル席に加えて座敷もあり、小さな子ども連れのファミリーにも優しい設計。世代を問わず訪れやすいその雰囲気こそが、地域の人々に長く愛されている理由の一つです。
『Aセット(ドリンク付き)』900円
ランチセットは『Aセット』『Bセット』(1,000円)『Cセット』(1,250円)の3種類あり、すべてナン・サラダ・ドリンクが付いています。インドカレー専門店の醍醐味といえばやっぱりナン!焼き立てのナンは幅30cmをはるかに超えるビッグサイズで、ほんのり甘くてもっちもち♪スパイシーなカレーと相性抜群です。しかもお替わりが1枚分無料なのもうれしいですね。
『Aセット』のカレーは人気の「キーマカレー」。鶏ミンチを使用しているので、見た目は濃厚でも、食べてみると意外にあっさりとした味わいです。辛さは甘口から激辛まで選べるので、自分好みの味にカスタマイズできるのもうれしいポイント。特に中辛は、幅広い世代に親しまれています。
遠く離れたネパールから兵庫県西脇市へと移住し、現在は「寺内店」と「高田井店」の2店舗を切り盛りする「カレーナンハウス」の店主。異国から来た店主の思いが込もった、ぬくもりあるカレーとおもてなしに、きっと心までぽかぽかと温まるはず♪
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本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2025年8月5日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。