鳥のさえずりが響く静かな山奥に佇む「ゆう風舎」。手芸作家の高原ゆかりさんとご主人が夫婦で営む、手芸材料店と絵本図書館、カフェが集約されたお店です。素敵なイングリッシュガーデンに囲まれたレンガ壁の建物。店内もアンティーク雑貨に囲まれ、まるで絵本の中に迷い込んだかと錯覚するほど。都会の喧騒から離れて、癒やしのティータイムを満喫してみては。
「ゆう風舎」
JR相生駅がある中心部から北へ車を走らせること10分。鳥のさえずりが響く静かな山の中でひっそりとたたずむ「ゆう風舎」は、絵本図書館がある本館と手芸材料店とカフェが入った新館で構成されているお店です。敷地内の手前にある手芸材料店とカフェ「Levres d’images(リーブル・ディマージュ)」が入った新館と、その建物を抜けた奥にある絵本図書館の本館が立ち並びます。
木花が咲き誇る立派なイングリッシュガーデンの小路を抜けると「ゆう風舎」の入り口があります。絵本図書館やカフェに行くときも、必ず手芸材料店があるこの古風なフランス調の建物を通ります。
キルト材料や手芸キットがそろう手芸材料店
店内には、かわいらしい布やレースが所せましに並べられ、手芸好きにはたまらない空間が広がります。日本製の高級なファブリックや、スイスやフランスなどヨーロッパ諸国のインポートファブリックなど珍しいものも。
手芸家・高原ゆかりさんのオリジナルプリントのファブリックも。このプリントの原本は、世界中で愛されているスイスの物語「ハイジ」を題材にして作った絵キルトの絵本。「この物語を子どもから大人までさまざまな人たちに読んでもらうきっかけになれば」という思いで絵本を作ったそう。
絵本『ハイジ(上巻)~出会い~』は、店内でも販売しているので、気になる人はチェックして。数えきれないほどの布や糸、ビーズやリボンを組み合わせて描かれたやさしいタッチのハイジの物語に、心が温まります。
壁には高原ゆかりさんが作った絵キルトのタペストリーやベビー小物、レッスンバッグなどのファブリック雑貨、絵キルトのウェルカムボードなど、たくさんの見本作品が飾られています。展示会のような圧倒される数の作品は、眺めているだけでも楽しくなります。
普段から手芸をしない人も高原ゆかりさんの作品に魅了され、きっと作ってみたくなるはず。そんな人にオススメなのが、初心者でも簡単に作れる「作成キット」。すべて高原ゆかりさんのオリジナルレシピで、年に数回新作が登場します。アップリケやキルト、ベビー小物など種類は豊富。キットの完成品は展示されているので、作品を参考に作りたいものを探してみては。
手芸材料だけでなく、イギリスから買い付けたホーロー食器やガラス食器なども展示・販売しています。イギリス好きのオーナー夫婦が、何度も現地に通って買い集めてきたコレクションなんだそう。掘り出し物が見つかるかも?!
英国風カフェの自家製ケーキが人気
手芸材料店を抜けると二つの扉が。同じ建物にある奥の白い扉が、カフェ「Levres d’images」への入り口です。ヴィンテージ感漂う木の扉は「絵本図書館」に続きます。
扉を開けると、やさしい光とパステルカラーに包まれたかわいらしい空間が広がります。ヴィンテージ感漂うヨーロッパのカフェテリアを思わせるインテリアで、乙女心がくすぐられます。
カフェの店内の壁にも絵キルトのタペストリーやバッグ、ドールハウスなどの作品が展示されています。ドリンクを待つ間にゆっくり眺めて、“手作りの魅力”に触れてみて。
『本日のケーキ』400円 『プレミアムコーヒー』550円
メニューは、約15種類のドリンクと『本日のケーキ』のみ。コーヒー好きは、岡山県のコーヒー店から取り寄せている豆を使った『プレミアムコーヒー』がおすすめ。仕入れ先のコーヒー店が、選り分けから焙煎まで自家で行ったこだわりの豆なんだそう。深煎りでしっかりとしたコクと苦味があり、甘いケーキと相性抜群です。
『本日のケーキ』400円
手芸だけでなくお菓子作りも得意なオーナーが作る自家製ケーキが人気。『本日のケーキ』は、小ぶりのスイーツが2種類セットで、内容は気まぐれ。取材日はバタークリームを混ぜ込んだ特製の『ココナッツボール』と、ロイヤルミルクティーのようにミルクで茶葉を煮出した香り高い『紅茶のムースケーキ』でした。夏は『グレープフルーツのケーキ』など、旬のフルーツを使ったスイーツも登場する予定だそう。行く度に、違う顔ぶれのオリジナルケーキが楽しめるので「今日のケーキは何かな?」と何度も通いたくなりますね。
晴れた日はイングリッシュガーデンのテラスで、景色を眺めながらお茶を味わうと、より一層おいしさがアップ。四方八方が緑に囲まれているガーデンで、絵本のような世界観も一緒に楽しめます。
『ロイヤルミルクティー』500円
本場イギリスのような優雅なティータイムを楽しむなら『ロイヤルミルクティー』を選んで。深いコクと爽やかな香りが特徴の「セイロン」をたっぷりと使い、ミルクでじっくり香りを出した贅沢な一杯。茶葉の風味の奥にほんのり香るシナモンに癒やされます。砂糖が入っていないので、好みの甘さに調整して召し上がれ。
珍しい海外の絵本など1,500冊以上そろう「絵本図書館」
手芸店とカフェの隣には、1,500冊以上の絵本が集まる絵本図書館も併設。絵本図書館は古風なイギリスの建物をイメージして建てたんだそう。絵本図書館の入り口を開けると、ずらりと並ぶ絵本がお出迎え。入り口すぐの販売コーナーでは絵本を購入することができるので要チェック!絵本だけでなく、絵本にちなんだ雑貨やステーショナリーも幅広く取り扱っているので、子どもが喜ぶプレゼントも見つかりそう。
奥に進むと、アンティーク家具に囲まれた読書スペースが。本棚には、昔から絵本集めが趣味のご主人が、長い時間をかけてコレクションした絵本たちがびっしり。国内のものだけでなく、海外の絵本や希少な古い絵本なども並んでいて、絵本好きにはたまりません。「絵本を読んで、大人も童心にかえって絵本の魅力に触れてほしい」という思いで、“大人にこそ楽しんでほしい奥が深い物語”もたくさんそろっています。
テーマを決めて絵本を紹介するコーナーも。取材日のテーマは「旅行」。新型コロナウイルスの影響で、旅行ができなくても、旅行を楽しむ絵本を見れば、旅の気分を味わえ気分転換になりそう。図書館に入場するには『ドリンク券』大人450円(コーヒーか紅茶)、子ども330円(カルピスかオレンジジュース)の購入が必要です。『ドリンク券』があれば、当日何度でも図書館の再入場もOKです。
絵本図書館では年に数回、展示会も開催しています。2021年6月18日~7月27日は「2021 リネン&レース展」を開催予定。透け感のあるレースやさらりとしたリネンを使った絵キルトや洋服、ミニチュアが展示される初夏らしいイベント。時間が合えばぜひ足を運んで。
絵本を読んだり、お茶をしてくつろいだり、ガーデンを散歩したり、数えきれないほどの楽しみがある「ゆう風舎」。たまには日常を忘れて、のんびりとした時間を過ごしてみては。
■詳細情報
■DATA
ゆう風舎
- 所在地
- 兵庫県相生市矢野町154-1
- 電話番号
- 0791-29-1285
- 営業時間
- 絵本図書館 10:00〜16:00/ショップとカフェ 10:00〜17:00
- 展示会中は絵本の閲覧はできません
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2021年6月1日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。