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2017.9.12
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灘のけんか祭りって本当にけんかしているの?【お祭りQ&A】

播州秋祭りの中でも有名な祭りの一つ、「灘のけんか祭り」。今年の練番・松原地区の祭典委員の方に、初心者でも分かりやすいけんか祭りの“基本のキ”を教えてもらいました

Q1.灘のけんか祭りでは、本当に「けんか」をしているの?

A.人同士でけんかを行うわけではありません。神様がまつられている神輿(みこし)を壊れるほど激しくぶつけ合い、まるで巨人が力比べをしているようで「けんか」と呼ばれるようになったといわれています。神輿だけではなく、かつぐ人や周りで盛り上げる人も勢い良くぶつかり合うので、けが人も多く「けがと弁当は自分持ち」(けがは自己責任という意味)という言葉があります。


Q2.なぜ、男性はふんどし姿なの?

A.灘のけんか祭りをはじめ各地の秋祭りでは、昔からの伝統を受け継ぎ基本的に女性が祭りに参加するのはNG。よって参加者はほとんどが男性。中でも担ぎ手の人は重たい屋台を担ぐときに腰を支える必要があり、ふんどしではなく「まわし」と呼ばれるものを腰に巻いています。

Q3.屋台の周りにいる人が持っている長い棒の役割は?

A.長い棒は一般的に「紙手(しで)」といいます。屋台のそばにいる人が持っているもので、進む方向を練子に指示したり、掛け声に合わせて振りながら練り子を盛り上げたり、祭りをより華やかにしてくれるものです。村ごとに色が違うのが特徴。たくさんの紙手が上下に揺さぶられる中を屋台が進む光景は、荒波にもまれながら航海する船のように見えて一見の価値あり。



Q4.よーいやさ?えーいやさ?この掛け声は何?

 

A.弥栄(いやさか)という言葉が由来とされています。意味は家が栄える、代々栄える、などで、昔は祭りを通して家や町の繁栄を願っていたのかもしれません。また、屋台のことを「やっさ」と呼ぶケースもあることから、自分たちの村の屋台を「よい屋台(やっさ)」と自慢するようになり「よーいやっさー!」となったのではないかともいわれています。※諸説あり

Q5.誰でも観に行けるの?

A.基本的に誰でも観に行くことは可能ですが、練り合わせなど激しい演出が行われる場合は近づくと危険です。安全に観ることができる場所を選んで楽しんでください。


Q6.誰でも屋台を担ぐことはできるの?

A.だいたいの秋祭りでは、地元で生まれ育ったゆかりのある人が担ぐように決められています。ただし、村や町の人口が減って担ぎ手が集まらないときなどは、祭りが好きで他の地域から移り住んできた人や祭りに興味のある他町の人が参加できる場合もあるようです。

Q7.どのような服装で出掛けるのがベスト?

A.とにかく動きやすい服装にスニーカーがベスト。屋台は本宮以外ではあまりとどまることはなく、各町内を巡回することが多いです。さまざまな見どころを押さえたいなら、祭りの流れに合わせて移動するのがおすすめ。

Q8.知っておくと地元っ子になりきれるような祭り用語って?

A.
●棒端(ぼうばな)綱→屋台をかつぐ部分の本棒の先端に取り付けられている綱のこと。引っ張ることで屋台をコントロールし舵取りをするためのものです。綱を持つ人を棒端と呼び、村内でも特に祭りを仕切られる選ばれた人だけが持つことができます。

●てんてんつき→灘のけんか祭りに登場する獅子檀尻(台車を外すと獅子屋台に変身)のことで、太鼓の音が「てんてん、ててんてん…」と聞こえることから、地元では親しみを込めて「てんてんつき」と呼ばれています。てんてんつきは、差し上げた後に倒しながら思い切り地面に叩きつける荒々しい露払いという練りが見どころ。太鼓の音を止めてはいけないとされていて、地面に叩きつけられたときもその後も、乗り子は体中傷だらけになりながらも太鼓を叩き続けなければなりません。

●ケンゴー→灘のけんか祭りで3基の神輿合せを行うときに使う竹の棒のこと。神輿が倒れるのを防いだり、ぶつけ合うときに支えたりする役割をしています。

◆灘のけんか祭りの用語を詳しく解説【お祭り用語集】はコチラ

本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2017年9月12日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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