三木市別所町にある「暦(こよみ)あずきとおかしと。」は、テイクアウト専門の洋菓子店。無農薬で栽培された丹波大納言小豆のあんこで作るスイーツが自慢です。季節のフルーツが主役のケーキやタルトも豊富にスタンバイ。老若男女に親しまれるラインアップで、手土産としても喜ばれること間違いなしです。
・「暦(こよみ)あずきとおかしと。」
八幡三木ICから東へ車で約8分、「別所とれとれ市場」内の駐車場に店を構える「暦(こよみ)あずきとおかしと。」。パティシエが腕をふるう小さな洋菓子店です。
約2年間にわたるレンタルキッチンでの出店を経て、2023年9月1日に実店舗をオープンしました。営業は金・土曜日のみ。木製の窓枠がかわいらしい白い建物が目印です。
店名の「暦」は、洋菓子を通して季節の移ろいを感じ取ってもらいたいという思いが込められています。そのため、その時々のフレッシュな食材を使った一日限りのスイーツもあり、訪れる度に新しい出合いに期待できます。
もちろん定番メニューも多数。小麦粉はすべて北海道産で、きび糖、米油、「よつ葉バター」など、厳選した素材で丁寧に手作りしています。
・丹波大納言小豆のあんこで作る上品な洋菓子
同店の代名詞でもあるあんこに使用するのは、小豆の中でも高級とされる丹波大納言小豆。国内生産量の約1%ですが、大粒できめ細かく、豊かな風味が魅力です。無農薬で栽培している農家から仕入れるほか、自家農園でも育てているというから驚きです。
精製されていない砂糖を2種類ブレンドし、甘さを際立たせるため少量の塩をプラス。あっさりし過ぎずコクのある味わいを心がけ、じっくりコトコト炊き上げています。寒い時期はこっくり仕上げるなど、気候に合わせてわずかに配合を変えているそう。
『あんこ入りシュークリーム』380円
看板メニューは『あんこ入りシュークリーム』。あんこ入りのなめらかな生クリームと、あっさり炊いたカスタードクリームの贅沢なダブルクリームです。
ほんのり塩味を加えた生地にはシュトロイゼル※をのせて焼くことで、クッキーのようなサクッとした食感が楽しめます。あんこの風味も存分に感じられつつ、重たくないので1個ぺろりと食べられます。
※シュトロイゼルとは…そぼろ状のクッキー生地のこと
『あんこサブレ』260円
薄いサブレの間にあんこを挟んで焼き上げた『あんこサブレ』も人気です。塩味を利かせた生地は稲美産の全粒粉入りで、香ばしくザクッとした食感が特徴。焼いたあんこの独特な舌触りとの組み合わせも心地よく、きび糖の自然な甘さが広がります。素朴ながらもどこか懐かしく、つい手が止まらなくなりそう。
『マフィン』350円~
3、4種類ある焼き菓子の中でも、朝焼きにこだわったマフィンは店主イチオシ。厳選した材料の配合により、時間が経ってもしっとりとした食感を持続させています。一度食べるとやみつきになり、マフィン目当てに訪れるリピーターも少なくないそう。
季節限定の「紅茶とイチジク」(370円)は、茶葉を練り込んだ生地に、果実の甘さがマッチ。定番の「あんこクリームチーズ」(350円)は、甘みと酸味のペアリングがクセになります。
翌日に食べる場合は、表面が焦げない程度にトースターで2、3分リベイクするのがおすすめ。焼きたてのおいしさが蘇ります。
・旬のフルーツが主役のタルトやケーキも豊富
『洋なしのタルト』420円
旬のフルーツを主役にし、サクッと焼き上げるタルトもあります。取材日に登場したのは、『洋なしのタルト』。存在感のある生地、なめらかなアーモンドクリーム、果実の酸味や水分量を見極めたコンポートが三位一体となり、ほんのり香るシナモンが大人な味わいを演出しています。
『いちじくショート』500円
「よつ葉バター」を贅沢に使った、あっさり上品なショートケーキもあります。取材日は、小野産のイチジクがたっぷり。柔らかなとろみとぷちぷちとした種が、しっとりしたスポンジ生地と絶妙なハーモニーを奏でます。
フルーツはできるだけ地元の農家から仕入れているので、加東産のモモや、三木産のブドウなど、旬のおいしさを堪能できます。
このほか、『バスクチーズケーキ』(450円)や『プリン』(330円)など、生ケーキ類だけでも6、7種類を用意しています。
スイーツで四季を感じられる「暦 あずきとおかしと。」。一口ずつじっくり味わいたくなる繊細な洋菓子からは、パティシエの真心さえ伝わってきます。
夕方には売り切れる日もあり、全種類が出そろっている早めの来店がおすすめです。デイリーなおやつにも、ちょっとした手土産にもぴったり。ドライブがてら、気軽に立ち寄ってみてはいかが?
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年9月28日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。