2025年12月3日、龍野城下町に醤油をコンセプトにした和カフェ「龍野紫水亭(たつのしすいてい)」がオープンしました。白と赤の昆布だし醤油を軸に、うすくち醤油の魅力を発信する「うすくち文化研究所」が、“日本の食文化と醤油の魅力を伝える施設”として立ち上げたお店です。醤油を使ったスイーツのほか、醤油の味比べが楽しめる「かつお節丼」も提供。ちょっとしたひと休憩からランチまで、幅広いシーンで利用できます。
・「龍野紫水亭(たつのしすいてい)」

白壁の町家が並ぶ龍野城下町。この町のメインストリート「龍野橋」前の大通り沿いに、醤油をコンセプトにした和カフェ「龍野紫水亭(たつのしすいてい)」が2025年12月3日に誕生しました。歴史を感じさせる焼き杉の建具に、青紫色の暖簾が目印。達筆で書かれた看板からも趣が漂い、まるで50年、100年前からそこに静かに佇んでいたかのようです。

大正11年に建てられた築100年を超える古民家を改装し、真新しくおしゃれなカフェ空間に生まれ変わりました。白と黒を基調としたインテリアが特徴の1階には、2人掛けのテーブルが3卓用意されています。

同店を運営するのは、うすくち醤油の魅力を発信する「うすくち文化研究所」。看板商品である白と赤の「無添加だし醤油」をはじめ、店頭には同社が手がける醤油を使った焼き菓子などがずらりと並び、購入することもできます。
「うすくち文化研究所」の代表であり、「龍野紫水亭」のオーナーを務めるのは、たつのの醤油文化を築いてきた「ヒガシマル醤油」の創業一族の一人。幼いころから龍野城下町とうすくち醤油の文化に親しみながら育ち、「ヒガシマル醤油」で働いた経験を持つほか、城下町の古い町並みを生かしたまちづくり活動にも携わり、龍野の伝統を守り続けてきました。
そして2020年、天然の昆布だしにこだわった2種類のだし醤油を開発し、「うすくち文化研究所」を創業。より幅広く、日本の伝統的な食文化である醤油の魅力を伝えていくためには“拠点”が必要だと考え、祖父の自宅のすぐ隣にあった古民家を活用してカフェを開きました。

2階には、テーブル席・座敷席・カウンター席があり、それぞれ3つの区画に分かれて用意されています。どの席を選んでも格子窓の向こうには、たつののトレードマークともいえる「ヒガシマル醤油」の工場が望めるのも、この立地ならでは。城下町の風情に浸りながら、癒やしのひとときを過ごせます。
・醤油を使った“ここにしかない和スイーツ”

同店では、すべてのスイーツメニューに自社の醤油を使用しているのがポイント。見た目は洋菓子でも、味わいはここだけの唯一無二です。どれも専属パティシエが一つひとつこだわり抜いて仕上げています。
ショーケースには常時4~5種類のスイーツがラインアップ。イートインはもちろん、テイクアウトもできるので、ちょっとしたお持たせにもぴったりです。醤油が入っていると聞かなければ気付かないほど自然に溶け込み、いい意味で“醤油が隠し味”になった和スイーツがそろいます。

『たつのセット(コーヒー付き)』700円
イチオシは、看板スイーツ『たつの醤油バターケーキ』とコーヒーがセットになった『たつのセット』。「醤油を使ったバターケーキ」と聞くと、しょっぱい味わいを想像しがちですが、発酵バターの豊かな香りが特長です。
醤油は、昆布だしと野菜だしの自然なうま味を生かした「白うすくち」を使用。そのほかにも、「よつ葉」のバターやきび糖、兵庫県産小麦など、シンプルなレシピだからこそ素材にはとことんこだわっています。香りが命の醤油とバターは、どちらもできる限りフレッシュな状態で使用。和と洋の風味が優しく溶け合う一品に仕上げています。

『たつの醤油バターケーキ』2,000円
化粧箱に入ったホールタイプも販売されています。日持ちは製造日から2週間と長めで、持ち運びもしやすいため、手土産にもおすすめです。「たつのといえば和菓子のイメージが強いですが、市外・県外のどこへ持って行っても、老若男女に喜ばれる“洋菓子の定番手土産”を」。そんな思いから誕生しただけあって、“龍野らしさ”が味わいにもパッケージデザインにも詰まっています。

『黒豆ロールケーキ』550円
※ドリンクとセットで合計金額から100円引き
ふんわり、もっちりとしたスポンジ生地で、自家製カスタードと醤油がほんのり香るクリーム、さらに店炊きのこだわり黒豆を巻き込んだ「黒豆ロールケーキ」も、これから推していきたい定番人気。クリームとカスタードがあっさりとしているからこそ、黒豆そのものの甘みや風味が引き立ち、“黒豆が主役”の一品に仕上がっています。口に運ぶたびに食感も楽しく、ついパクパクと食べ進めてしまいそう。

『紫水もちセット(ほうじ茶付き)』400円
砂糖の代わりに甘酒を使った“醤油甘酒あん”と、もち米から作った和菓子「紫水もち」もおすすめ。だし醤油で優しい甘みに仕上げた醤油あんこに、うるち米をブレンドした上品なもち生地、さらに下には大葉のアクセントも忍ばせています。
持ち帰り用も850円で販売されているので、食べそびれたら帰り際にチェックしてみて。

『ブラック玄米 + デカフェ』600円
ドリンクはオリジナルブレンドのほか、カフェインレスの『ブラック玄米 + デカフェ』もラインアップ。なかでも『ブラック玄米 + デカフェ』は、兵庫県産の玄米を真っ黒になるまで香ばしく炒ってパウダー状にしたものを、メキシコ産のデカフェコーヒーとブレンド。コーヒーと同じようにハンドドリップで淹れるため、通常のコーヒー以上に抽出が難しいのだとか。
深みのある苦みと香ばしさが心地よく、同店のどんな醤油スイーツにもよく合います。
・小腹と心を満たす「醸菓町シリーズ」

『醤華 醤油フィナンシェ(7個入り)』黒豆・黒胡麻各750円
同店には、醤油を使った生ケーキのほか、焼き菓子「醸菓町(じょうかまち)シリーズ」もそろいます。ラインアップは、『醤華 醤油フィナンシェ【黒豆】』『醤華 醤油フィナンシェ【黒胡麻】』『醤賛 醤油クッキー【米粉 和三盆】』『醤酒 醤油キャラメリゼ【麩】』。おせんべいのような従来の“醤油菓子”のイメージを覆す、洋菓子のエッセンスを取り入れた焼き菓子が並びます。
指でつまめる一口サイズの小ぶりなフィナンシェは、黒豆と黒胡麻の2フレーバーがスタンバイ。バターがふわりと香る芳醇な生地に、『醤華 醤油フィナンシェ【黒豆】』は「赤こいくち」で炊いた黒豆を、『醤華 醤油フィナンシェ【黒胡麻】』は「白うすくち」と黒胡麻を合わせています。

『醤酒 醤油キャラメリゼ【麩】』各750円
醤油を加えることでコク深く仕上げた砂糖で、麩をキャラメリゼした新感覚のスイーツも。口に入れた瞬間はシャリッと軽やかで、そのあとすっと溶けるようにほどけていきます。そこへ「赤こいくち」のうま味がふわりと重なり、つい手が止まらなくなるおいしさです。
・醤油の味比べが楽しめる『かつお節丼セット』も

『かつお節丼セット』1,000円
2026年1月時点で同店唯一のランチメニューとなる『かつお節丼セット』は、大きなどんぶり鉢によそったご飯の上に、削りたてのかつお節をたっぷりとのせた「かつお節丼」に、「あんかけ茶碗蒸し」と「お出汁」が付くセットです。
このセットの魅力は、「うすくち文化研究所」が手がける2種類のだし醤油、「白うすくち」と「赤こいくち」を食べ比べできること。料理と一緒に醤油が卓上へ運ばれてくるので、最初から最後まで、思う存分かけて楽しめます。さらに、トッピングのネギやミョウガの薬味を加えると味わいががらりとチェンジ!醤油の奥深さに改めて気付かされるはずです。

かつお節は、薩摩の荒本節を注文を受けてから削るため、ご飯の湯気にのって、削りたてならではの香りがふわりと広がります。立ちのぼる香ばしさに誘われ、一口目から思わず頬がゆるむおいしさ。さらに、口に運べば驚くほどふんわり軽く、ほどけるような口当たりも魅力です。削りたてだからこそ味わえる、この違いをぜひ体感してみて。

最後は、かつおやサバなど5種類から取った混合だしを注ぎ、“だし茶漬け風”にして締めくくって。温かいだしをそそぐと醤油の角がふっと取れ、味わいは一層まろやかに、そして上品になります。立ちのぼる香りに包まれながら、さらりと食べ終えられるのも魅力です。
白壁の町家が並ぶ城下町を歩き、暖簾をくぐれば、そこには“醤油”の奥深い世界が広がっています。スイーツでも、ランチでも、一口ごとにふわりと香り、優しく余韻が残る味わいは、「龍野紫水亭」ならでは。城下町の風情に包まれながら、醤油の新しいおいしさに出合う時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2026年1月20日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。








