神戸市中央区、地下鉄大倉山駅から北へ徒歩10分ほど。昔ながらの家屋が並ぶ閑静な住宅街の路地裏にひっそりと佇む「珈琲と焼菓子 atelier(アトリエ) どり〜」があります。北海道出身の店主が、北海道産素材を使って手仕事で一点ずつ丁寧に作り上げる繊細な焼き菓子が評判。イートイン限定で旬のフルーツを使ったスイーツも味わえます。洗練された古民家空間で、一口一口おいしさがにじみ出る焼き菓子をゆっくり味わってみませんか?
・「珈琲と焼菓子 atelier(アトリエ) どり〜」
神戸市中央区にある「珈琲と焼菓子 atelier(アトリエ) どり〜」は、知る人ぞ知る隠れ家カフェ。地下鉄大倉山駅から宇治川沿いを北上すること約10分、閑静な住宅街の中にひっそりと佇んでいます。「お店はどこにあるんだろう?と探す時間も楽しんでほしい」と語る店主。看板もないので、初めて来た人はもちろん、リピーターでも気付かずに通り過ぎてしまうこともあるんだとか。
築80年以上の古民家を自身で解体し、昔の面影を残しつつシンプルなインテリアに改装してもらったという店内。一つの空間に古さと新しさが混在し、その場に居るだけで五感が研ぎ澄まされるような感覚に浸れます。
客席はカウンター席が5つほど。オープンキッチンなので、目の前でお菓子を作るのを眺めたり、時には会話を楽しんだりと、店主と近い距離でカフェを楽しめるのが魅力です。アトリエという言葉が店名にあるように、「一つの作品(スイーツ)を作り上げる工程も楽しんでほしい」という店主の思いが、店内設計からも感じられます。
お店に入ってすぐ目に入るアンティークなショーケースの中には、常時7種類ほどの焼き菓子がスタンバイ。マドレーヌやカヌレ、ガレットブルトンヌなど、店主が得意とするフランスの伝統菓子がそろいます。
なんと小学生のころからパティシエになることを夢見ていたという店主。高校を卒業後、地元の北海道を離れて大阪にある「辻調理師専門学校」に通い、その後1年間フランスで留学したそう。帰国後は、神戸にある「patisserie AKITO(パティスリーアキト)」で3年間修行を積み、2022年に独立。「一人でこじんまりと営む小さな専門店にしかできないことを」という志で、“手仕事”を大切にしたお菓子をお客さんに届けています。
・究極の『ガレットブルトンヌ』と本場さながらの『カヌレ』
7種類ある焼き菓子の中でも特にイチオシは『ガレットブルトンヌ』。昔からガレットブルトンヌが好きで、全国各地のケーキ屋で買い求めては研究を続けていたという店主が、自分自身の理想の味を追い求めて完成させた“究極のガレットブルトンヌ”です。
フレーバーは、プレーンとチョコの2種類。店内に漂うバターの香りに誘われて、思わず複数個購入したくなります。
『ガレットブルトンヌ』各300円
同店の『ガレットブルトンヌ』は、フランス産小麦粉を100%と北海道産発酵バターをたっぷり使用し、サックリ芳醇な仕上がり。甘さは控えめですが、フランス産の「ゲランドの塩」をアクセントにすることで、しっかりとした塩気とバターのコクを楽しめます。見た目からは想像できないほど口当たりが軽く、口に入れた瞬間、舌になじむように溶けるのも魅力。塩味がほどよく味わいがシャープで、おいしさが後を引きます。
『カヌレ』各350円
フランス留学時代に教わったというフランス人直伝の『カヌレ』も自慢。小麦粉はフランス産と北海道産のものをブレンドし、北海道牛乳やオーガニックの「マスコバド糖」、バニラ、ラム酒などを合わせるなど、材料から本格的。外はカリッと、中はもっちりかつしっとりとしていて食感のコントラストがやみつきに。翌日以降は日を追うごとに表面のしっとり感が増し、味わい深さも増します。
・月替わりスイーツとドリンクで至高のカフェタイムを♪
『季節のデザートプレート』1,100円
※1日10~15食限定。写真の提供期間は4月中旬~5月中旬ごろ
イートイン限定のカフェメニューも要チェック!スイーツメニューは『季節のデザートプレート』のみ。旬のフルーツを使ったスイーツが主役で、約1カ月に1回の頻度で内容がかわります。スイーツの内容は公式Instagramから確認できます。➡︎公式Instagramはこちら
取材日は、4月中旬~5月中旬ごろ限定の『イチゴのミルフィーユ』が登場。“逆さ折”という手間のかかる手法で丁寧に折り込んだ自家製のパイ生地をキャラメリゼし、イチゴと自家製ディプロマットクリーム※を挟んだ芸術的な一品です。
※ディプロマットクリームとは…カスタードクリームと生クリームを混ぜ合わせたクリームのこと。
『季節のデザートプレート』の魅力は、見た目や出来たてのおいしさだけでなく、目の前で作ってもらえる特別感とライブ感にもあります。普段見る機会のない職人技の光るうれしいパフォーマンスもおいしさのスパイスですね。
『アイスドリップコーヒー』500円
『季節のデザートプレート』に合わせてコーヒー豆の種類も変えるこだわりぶり。コーヒーは明石市にある「Youth Coffee(ユースコーヒー)」から仕入れていて、その時々で一番おいしい豆を選んでいます。取材日はイチゴと相性が良い、軽い口当たりの『エチオピアナチュラル』。採れたてのフルーツのようにみずみずしくフルーティーな味わいで、ゴクゴクと飲み干せるほどスッキリとした一杯です。
『紅茶オレ』600円
紅茶派には、芦屋の紅茶専門店「茶と菓といい日」から仕入れた和紅茶がおすすめ。甘党には、北海道牛乳を加えた『紅茶オレ』が人気です。和紅茶ということが信じられないほど香りが強く、華のある味わいが魅力。優しい甘さがじんわりと口に広がり、体の内側から癒やしてくれます。同店の風味豊かな焼き菓子とも相性抜群なので、ぜひペアリングも楽しんでみて♪
人の手でしか成し得ない繊細な焼き菓子と非日常感を味わわせてくれる「珈琲と焼菓子 atelier(アトリエ) どり〜」。古民家空間で自慢のフランス菓子を味わい、五感を研ぎ澄ましてみては?
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2023年4月22日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。