小野市住吉町の美しい田園風景が広がる景色の中、2021年10月11日にカフェ「十三月の窓(じゅうさんがつのまど)」とセレクトショップ「lizm(リズム)」を併設オープンしました。四季の移ろいと光の変化を贅沢に感じられ、ノスタルジックな雰囲気のある空間が広がります。
暮らしのワンシーンを切り取って提案するカフェ
東京の大手セレクトショップやインテリアショップで経験を積んだオーナー。“暮らしをトータルで提案するお店を開きたい”との想いから、カフェ「十三月の窓」をオープンしました。
カフェの名はこの建物からインスピレーションを受け、まるで日常を抜けて時や場所を超えていけるような空間になればという意味を込めて名付けたそう。
築47年の和風モダニズム建築の建物に惚れ込みリノベーションした同店。500平米もある建物の1階は壁を全て取っ払った大空間が広がります。現代アートのような壁が素敵で、あえて一部は削った壁をそのままの状態に。まるで海外のアトリエのような雰囲気がただよいます。
1階はオーナーがかねてより運営していたWEBショップ「lizm(リズム)」の実店舗。オーナーが全国各地からセレクトした洋服やファブリック、作家の器がずらりと並びます。
外の螺旋(らせん)階段を使って2階のカフェスペースへ。300平米もある広々とした屋上から望む景色は圧巻。大空が広がり、風が心地よく抜ける開放的な空間に癒やされます。
“販売している器やファブリックの経年変化の良さを知ってもらえる空間になれば”と、「十三月の窓」のオープンを決めたそう。カフェスタッフ着用のエプロンやメニューを提供する器やカトラリーは、「lizm」で販売されているもの中心に使っています。
カフェは白を基調に、籐(とう)のソファやアンティーク家具などを配したナチュラルテイストで、ゆったりとくつろげるスペースに。大きな窓からの日差しも明るく、秋は金色に輝く稲穂が美しくなびきます。衣・食・住トータルでコーディネートされた空間は、生活を豊かにしてくれるものたちであふれています。
生産者の想いを届けるこだわりメニュー
『ヴィーガンブランマンジェ』550円 ※9月~11月限定
「十三月の窓」では旬の素材を使ったスイーツや料理を楽しむことができます。“地域のつながりを大切にし、農家さんたちが手間暇かけて作った本当においしいものを届けたい”との想いから、なるべく近隣で採れる季節の果物を使ったメニュー作りを大切にしているそう。
おすすめはブランマンジェ。ブランマンジェとは洋酒やバニラ、生クリームで風味をつけた牛乳をゼラチンなどで固めたものが一般的ですが、こちらは豆乳とくず粉を使って作られたヴィーガンスイーツ。
まろやかな甘さに、イチジクの少し酸味のあるソースがアクセントに。くず粉は整腸作用や体を温める働きがあるといわれています。料理のおいしさはもちろん、器へのこだわりと美しい盛り付けも魅力の一つ。
『チーズケーキ』600円
サワークリームを使用し、グルテンフリーで作られたなめらかな口当たりの『チーズケーキ』。添えられたレモンシロップが、チーズの爽やかさとバニラビーンズの香りを引き立てます。スイーツには上白糖は使わず、粗精糖(そせいとう)やメープルシロップを使うこだわり。素材の優しい甘さを引き出したスイーツです。
『季節の焼き込みタルト』600円
※写真はイチジクとリンゴのタルト
ビジュアルよりも、どうすれば季節の味をおいしく食べられるかを重視して作るこだわりのタルト。同じ果物でもその時々の味の違いを見極め、フレッシュなまま使用したり、焼き込んで熱を加えたり。全体の味のバランスを考え、タルト生地の種類や厚さを微調整するほどのこだわりようです。
『季節のタルティーヌ』700円~
※価格は使用する食材によって変動あり
お酒に合うメニューもスタンバイ。島根県智頭町にあるベーカリー「タルマーリー」の天然酵母バケットを使用しています。ブルーチーズの香りとイチジクの甘さで、お酒がすすむ一品です。季節によってメニューは変わりますが、旬の食材を楽しめるのはうれしいですね。
「タルマーリー」のパンは今後月に2~3回、店頭でも販売されるそう。気になる人は出店日をインスタグラムで要チェック。➡︎公式インスタグラムはこちら
まったり大人の時間が楽しめる、充実のドリンクメニュー
『窓ブレンド(HOT・ICE)』550円
三種のコーヒー豆をブレンドした、スタンダードな一杯。程よい酸味とクリアですっきりとした後味が特徴です。コーヒー豆は店内で販売もしていて、『窓ブレンド』以外にも、中煎りと深煎りの豆があります。コーヒー好きはチェックして。
『レモネードフロート』750円
オーガニック認証、ICEA認証を受けた高品質な素材のみでつくられたイタリアの無添加レモネード「SABADi(サヴァディ)」を使った『レモネードフロート』。地元の「共進牧場」の甘さ控えめなバニラアイスをトッピングし、レモネードの優しい甘さと酸味にクリーミーなアイスがマッチした一品です。
『ナチュールワイン(赤・白・オレンジ)』800円
デザートに日本酒やワインを合わせる楽しさを提案できればとの想いから、アルコールメニューも展開。加西市で無農薬でブドウを育てている「botanical life(ボタニカルライフ)」のワインを取り扱っています。
毎年気候によって風味は変化するそうですが、今年はベリーAのような優しい甘さと香りに。どんな料理やスイーツにも寄り添ってくれるナチュラルワインです。アルコールメニューは、できるだけ体になじむ穀物や果実を発酵させて造った醸造酒を取り入れているそう。
このほか紅茶のラインアップも豊富で、芦屋の紅茶専門店「uf-fu(ウーフ)」のフレーバーも楽しめます。ドリンクメニューは全てテイクアウト可能。レジカウンターには神戸の「CAKE STAND(ケイクスタンド)」の焼き菓子も並ぶので、ドリンクメニューと一緒に購入するのもおすすめです。
沈みゆく夕日を眺めながらリラックスタイムを
屋上は周囲に風景を遮る建物がないので、果てしなく続く夕日を眺められる絶景スポット。季節や天候によって風景が変わり、カフェから望む景色はまるで絵画のよう。気持ちのいい風を感じながらリラックスした時を過ごすことができます。
インターネットで人や物と簡単につながることもできる時代ですが、作品にゆっくり直に触れられるのは「十三月の窓」ならでは。
居心地のよい場所で、衣・食・住に触れ、作った人たちに思いを馳せる。そんなゆったりとした時間の中での出会いは、インターネット上では味わえない、心地よいときめきとつながりを感じさせてくれます。
今後のメニューや個展などのイベントも楽しみな「十三月の窓」に、ぜひ一度訪れてみては?
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2021年11月7日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。