全国各地に愛好家がいる銭湯。昔から愛される理由とは!? 姫路市の明和(めいわ)温泉、白浜温泉、高砂市の梅ヶ枝湯(うめがえゆ)、明石市の明月湯(めいげつゆ)から、銭湯の魅力を探ります。
1.明和温泉
看板湯は薬湯と珍しい電気風呂
店主・長井正敏さん（54）の祖父の代からほぼ毎日営業している明和温泉は、日替わりで楽しめる薬湯（くすりゆ）が人気。地下水を使った湯は「透き通っていてきれい」と好評です。
薬湯。取材日はメロン果汁を含んだ湯で良い香りが漂いリラックスできました。
ユズやオレンジなどの果汁や紫根エキス入り、温浴素じっこうの薬の日もあります。
姫路市では珍しいパルスマッサージバスは微弱な電気が流れて押し、揉み、たたき、ソフトの4段階のリズムで体を刺激し、癖になるほど気持ち良い電気風呂。
★タノスポイント
水風呂にいる小さなマーライオンに注目を！
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2.白浜温泉
廃業の危機から復活！おしゃれなタイル床
番台の女将は山本裕子さん（64）。おしゃれなアーガイル柄のタイル床の風呂場に「頑張ろうね」と声を掛けて一日が始まります。
5年前、釜が壊れて廃業の危機に。「いつ閉めるか分かりません」と貼り紙をすると愛好家がfacebookなどのSNSで情報を拡散。再開を望む多くの声に後押しされて、改修し復活。「これからも風呂たきができる元気なおばあちゃんでいたい」とにっこり。
薪(まき)でたく熱々の湯につかれば、寒さが吹き飛びます。
カランや腰掛け付きの浴槽にもかわいいモザイクタイルが。
脱衣所に置かれた昔ながらのマッサージ機や女湯にあるドライヤー、洗い場の青は水、赤は湯が出る蛇口や壁にくっついているシャワーなど、懐かしさを感じるものばかりです。
★タノスポイント
冷蔵庫が番台の上に！
これほど高い位置に冷蔵庫を置いているのは珍しく、愛好家の中で話題になっているとか。
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3.梅ヶ枝湯
レトロ好きの心をくすぐる“裏の顔”
創業は80年以上前。今は三代目の長谷川茂樹さん（58）一家が切り盛りしています。
建物を正面の反対側から見ると部屋を継ぎはぎしたような、おもしろい形態。黒く変色した木が長い年月の経過を物語っていて、ほぼ創業当時のままの姿は趣があります。
靴入れもロッカーも木製で年季もの。浴槽は熱い湯とぬるい湯の二つ。風呂場の壁にあるモザイク画は、ヨーロッパの町並みを思わせるどこか懐かしい絵です。内部の撮影はNGなので、気になる人は足を運んで確かめて！
★タノスポイント
モルタル塗りの壁がレトロ感を漂わす表側。
昔は道路側にもう一つの部屋が存在していたそうで、道路整備で切り離したとのこと。左が男湯、右が女湯の入り口。
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4.明月湯
ほっこりする風呂場の壁
戦後に建てられた入母屋造りの日本建築は貫禄のある佇（たたず）まい。四代目の店主は石原ヒロ子さん（69）です。
風呂場全体が色鮮やかでメルヘンチック。
名物は女湯と男湯の間にある壁に動物が並ぶモザイクタイル。
浴槽の段やカランの下部にある花柄のタイルにも癒やされます。海の近くなので漁師の利用が多いそう。以前は重油で湯をたいていましたが、釜が壊れたのを機にガスだきに転向。湯上がりに飲みたい冷たいドリンクもあります。
天井が格子状の脱衣所。壁のピンク色のモザイクタイルが目を引きます。
★タノスポイント
のれんをくぐって一つのスペースをはさんで下駄箱が。玄関が二重構造になっている風変わりな造り。看板の明月湯という文字が凛々しいですね。
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湯を沸かす方法は薪を燃やしたり、ガスで温めたり。薪を使っている銭湯には長い煙突があるのが特徴です。
どの銭湯も、創業当時を知るスタッフが少なくなってきたものの、風呂たきの基本はきちんと受け継がれています。大きな浴槽で熱い湯につかると、湯冷めしにくくて体の芯まで温まりますよ。疲れを癒やしに訪ねてみては。
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2018年1月30日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
