姫路市夢前町、山間の静かな場所に佇む「山のプティティール」。惜しまれつつ閉館した「ホテル シーショア・リゾート」で10年間料理長を務めたシェフが、奥さんと二人で始めた小さなレストランです。地元食材と真摯に向き合い、一皿ずつ丁寧に仕上げる料理は、SNSで話題を集めて評判に。自然に囲まれた空間で、時間を忘れて味わいたい、物語のある一軒です。
・「山のプティティール」

手付かずの自然が多く残る、姫路市夢前町の山のふもと。その静かな場所に、ひっそりと佇む一軒のレストラン「山のプティティール」があります。多くの人に惜しまれながら幕を閉じた「ホテル シーショア・リゾート」で、10年間料理長を務めたシェフが、奥さんと二人で始めたお店です。

2025年8月のオープン以来、ほとんど告知をしていないにも関わらず、SNSで評判が広がり一時は行列ができるほどに。現在は電話予約も可能となり、当日も空きがあれば利用できます。
調理から配膳まですべてを二人で行い、注文を受けてから一皿ずつ丁寧に仕上げるため、提供までに時間がかかることも。その分、時間を忘れてゆったり過ごせるのも魅力です。余裕をもって訪れて。

扉を開けると、やわらかな色調のナチュラルな空間が広がります。内装はすべて家族で手がけたそう。2人~4人がけのテーブル席や、カウンター席も用意されています。

店内のあちこちにいるお店のアイコン「プティちゃん」は、息子さんが幼いころに描いた絵をもとに、デザイナーが形にしたもの。そんなアットホームなエピソードも、この店ならではです。
出迎えてくれるのは、料理人として約30年、ホテルレストランで10年にわたり料理長として腕を振るってきた店主と、その奥さん。ホテル時代から地産地消に力を入れ、地元生産者とのつながりを大切にしてきたそう。そのポリシーは今も変わらず生産者の思いに寄り添い、その思いを料理として届けるため、遠方へ足を運ぶことも惜しみません。一皿一皿に、確かな背景と物語があります。
・「但馬玄」を贅沢に味わう『ローストビーフサラダ』

『ローストビーフサラダ』1,500円
11:00から利用できるランチは、『但馬玄のローストビーフ丼』(2,600円)をはじめ、7種類ほどを用意。地元産を中心に、旬の食材を使い、すべて手作りで仕上げています。
2026年1月から新たに加わったのが『ローストビーフサラダ』。オープン以来人気のローストビーフを、単品でも味わいたいという声から誕生しました。
使用するのは、兵庫県香美(かみ)町の上田畜産が育てる但馬牛「但馬玄(たじまぐろ)」。現在は限られた店にのみ卸される希少なブランド牛です。肉の表面を香ばしく焼き上げ、0.1℃単位で管理しながら3時間ほどかけてじっくりと低温調理。中心まで均一なロゼ色に仕上げ、うま味と脂を閉じ込めています。

口に含むと、濃厚な肉のうま味が広がり、噛むほどに脂が溶け出し、上質な甘みが追いかけてきます。後口は驚くほど軽く、余韻まで肉の味が残ります。
ローストビーフを引き立てるのが、ワインベースの特製ソース。ほんのり甘みのあるポルト酒に、トリュフの香りを重ね、肉の味わいを包み込みながら後味を引き締めます。サラダには、クレソンやニンジンの葉、鮮やかなビーツなどを添え、食感と彩りにも工夫が光ります。
・6時間煮込む『牛タンの煮込み』も新登場

『牛タンの煮込み(自家製パン・スープ・サラダ付き)』2,600円
今年からメニューに加わった『牛タンの煮込み』も注目の一皿。柔らかなタン元から中央の部位を使用し、たっぷりのワインとトマトで約6時間、火加減を見極めながら丁寧に煮込みます。

「歯がいらないほど柔らかい」とはまさにこのこと。箸を入れるだけでほろりとほどける牛タンに、ワインとトマトで仕上げたコク深いソースが絡み、なめらかなマッシュポテトが味わいを優しく包み込みます。一口ごとに、じんわりと広がるうま味を楽しんで。

セットのスープは、仕入れた旬野菜が主役。この日は、優しい甘さが特長のサトイモの親芋を使用しています。煮込んだ後にミキサーにかけ、さらに裏ごしすることで、なめらかな口当たりに。自家製ベーコンを作る際に出る野菜の出汁を使うなど、素材を余すことなく生かした、丁寧な仕事ぶりが感じられる一杯です。じっくり発酵させた、ほんのり甘い自家製パンと一緒にどうぞ。
・ファン待望の「ガトーショコラ」が復活!

『ガトーショコラと季節のフルーツ盛合わせ』800円 『コーヒー』(ドリンクセット)300円
シーショア時代から根強いファンを持つ「ガトーショコラ」も復活。クーベルチュールチョコレートを生地に対して約50%使用し、さらにブラックココアを加えることで、奥行きのある濃厚な味わいに仕上げています。
きめ細かく、密度の高い生地の秘密は卵白の立て方にあるとか。まるでチョコレートそのものを食べているような、なめらかな口溶けは一度食べたら虜になること間違いなしです。

添えられたバニラ香るアイスクリームは、一度冷凍した液体をブレンダーで粉砕する製法を採用。絹のようになめらかで、思わず言葉を失うほどのまろやかな口当たりです。

『コーヒー』500円
食後の締めくくりには、希少豆「ゲイシャ」のブレンド豆を店内で挽(ひ)いて淹(い)れる、こだわりのコーヒーを。香り高く、余韻までじっくり楽しめる一杯です。
セットならプラス300円で、少しお得に。移ろう景色を眺めながら、コーヒーと共にゆったりとした時間を過ごして。

今後はディナー営業も予定だそう。1人予算5,000円〜、5名以上で貸切も可能で、予算や内容は電話で相談できます。
「店を始めるにあたって、敷居の高い店にはしたくなかった」と話す店主。「若い人にとって、人生で初めて訪れる“特別なレストラン”になれたらうれしいですね」。そんな店主の思いは、価格や料理の一皿一皿から伝わってきます。記憶に残る一皿に出合いに、足を運んでみては。
■詳細情報
■DATA
山のプティティール
- 所在地
- 兵庫県姫路市夢前町菅生澗607-1

- 電話番号
- 090-9374-1332
- 営業時間
- 7:00~17:00(L.O.16:00)
- モーニング・ランチ・カフェタイムは電話で予約可能。ディナーについては応相談のため、事前に電話で確認を。
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2025年1月8日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。







