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2025.8.30
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【多可町】「古民家レストラン Botan(ボタン)」完全予約制の隠れ家で味わう季節の創作料理

兵庫県のほぼ中央に位置する多可町八千代区にある「古民家レストラン Botan(ボタン)」。築年数約100年の古民家を改装し、昔ながらの趣を残しつつ、訪れる人が食事と時間をゆったり楽しめる空間を提供しています。ここでは、シェフの創作料理を中心に、発酵の風味がほどよく感じられる一皿を堪能できます。

・完全予約制の「古民家レストラン Botan(ボタン)」

多可町八千代区にある完全予約制の「古民家レストラン Botan(ボタン)」。のどかな里山の風景を眺めながら車を走らせ、赤いホース格納庫を目印に曲がると、茅葺き屋根と手入れの行き届いた庭に囲まれた趣ある空間が迎えてくれます。

店名の“Botan(ボタン)”には、「訪れる人が日常のスイッチをオフにして、ゆったりとした時間を過ごしてほしい」という思いが込められています。シェフは心斎橋の洋食店や芦屋で修業を重ね、大阪・福島や新町で13年間レストランを営んでいましたが、母の介護をきっかけに、2021年12月に多可町へ移住。“家族の吉方位”が八千代であったことから、この地に緑を感じ一軒の古民家と巡り合いました。

店内に入るとまず目を引くのは、高く抜かれた天井と立派な梁(はり)。もとは畳敷きだった空間をフローリングに改装し、テーブル席を設けることで、年配の人もゆったりと過ごせる工夫がされています。窓の外にはお店自慢の庭園が広がり、四季折々の景色が食事に彩りを添えます。

冬には暖炉の火が灯り、八千代の寒さを優しく包み込みます。ランチとディナー共に完全予約制で、少人数でゆったりと利用できるため、まさに知る人だけが訪れる“隠れ家”のようなお店です。予約は前日までに、電話かInstagramのDMで受け付けています。➡︎公式Instagramはこちら


・大人の時間を彩る「繊細な創作おまかせ料理」

『創作ランチコース』4,000円 ※要予約

ランチとディナーでは、約1カ月半ごとに新しいメニューが提供され、どちらも旬の食材や仕入れによって内容が変わる“おまかせコース”のみ。時には、シェフが自ら釣り上げたタコやイカ、魚がメニューに加わることもあります。

ランチのメインは、お肉かお魚から選べ、ディナーでは、その両方を贅沢に味わえるコースを用意。肉料理には兵庫県産の牛もも肉のステーキや、時にはフランス産の鴨肉がメインに並ぶこともあるそう。どんな料理に出合えるかは、その日のお楽しみです♪

さらにコースには、季節の食材を使った炊き込みご飯もしくは、パスタが添えられます。食後には、プラス200円で香り高いコーヒーを楽しむこともできます。

取材日の前菜は、「マグロと白イカを組み合わせたサラダ仕立て」。ビーツを使ったピンクのソースに、香味野菜をベースにした自家製ドレッシングが爽やかさを加えています。鮮やかな黄色のソースはニンジンやタマネギ、セロリを丁寧に合わせた野菜のドレッシング。さらに醤油麹(こうじ)のうま味が重なり、素材本来の味わいを引き立てています。

食感のアクセントとして添えられているのが「竹炭のチュイル」。竹炭を練り込んだ生地を薄く薄く焼き上げたもので、パリパリとした軽やかな食感が、サラダ全体のアクセントになっています。

次に運ばれてくるのは、プレートに並んだ彩り豊かな料理の数々。まず目を引くのは、赤ワインで煮たイチジクに生ハムを合わせた一品。一口で季節を感じられる味わいです。また、フォアグラをふわりとムースに仕立てて包んだクレープは、贅沢なうま味が口の中に広がります。

さらに、明石タコの土佐酢ジュレをのせたラタトゥイユは、パプリカやズッキーニ、ナスなどのサッパリとした後味に。バターナッツカボチャの冷製フランは、まるで茶碗蒸しのようななめらかな食感で、カボチャの甘みとコクがしっかり感じられます。

「鮎(あゆ)のコンフィ」は、オリーブオイルでじっくりとオーブンで3時間。骨まで柔らかく仕上がりうま味たっぷり!そして、「鱧(はも)のソーセージ」は、卵白と生クリーム、ほんの少しの豚肉を混ぜ込み、羊の腸に丁寧に詰められた逸品。どの料理からもシェフの丁寧な仕事ぶりが感じられます。

「こはれ農園」のモモを使った甘麹(こうじ)の冷製スープは、まるでスイーツのような美しさ。果実の甘みと発酵のうま味が穏やかに重なり、食事の余韻を優しく包み込み、コースのお口直しにふさわしい一品です。

取材日のメインは魚料理の「真鯛のカダイフ焼き」が登場!“カダイフ”とは、細い糸状の生地のこと。焼き上げた真鯛にエビのムースを重ね、さらにその上にカダイフをオン!カリカリの衣とふんわりした鯛の食感と味わいのコントラストがクセになること間違いなし。

付け合わせの野菜は、ツルムラサキやズッキーニ、しめじ、空心菜(くうしんさい)などの野菜をオリーブオイルでソテーし、エビのうま味を閉じ込めたソースを添えています。

コースの締めくくりは、季節を感じるデザート。「フランボワーズのブラン・マンジェ」は、なめらかな口溶けに木苺の酸味が広がる上品な味わい。隣には、ブドウとミントが。ガラスの器に入ったモモのムースは、ほんのりラベンダーを利かせた一品。最後まで幸せな気分にしてくれる、季節感と幸福感にあふれるデザートです。

全ての料理には、島根県の「出西窯(しゅっさいがま)」や「湯町窯(ゆまちがま)」の器などが用いられ、料理をさらに引き立てています。

・料理を引き立てる、厳選ワインや日本酒も

料理と合わせたいのが、厳選されたワインや日本酒。シェフがコースに合わせて選ぶお酒は、どれも料理との相性を考えたものばかりです。リクエストすれば料理に合わせて最適な一杯を提案してくれるので気軽にお声かけを。

ワインはグラス600円、ボトルは2,500〜4,000円ほどで用意されています。日本酒は270mlサイズで1,200〜1,300円。料理と一緒にお楽しみあれ♪

正直、だれにも内緒にしておきたいほどに魅力があふれる隠れ家。でも一度訪れ食事をいただいたあとは不思議と「だれかに伝えたい」と感じてしまう、そんな特別なお店です。

日常のスイッチをそっとオフにして、心もお腹も満たされる時間を「古民家レストラン Botan」で過ごしてみませんか?

■詳細情報

■DATA

古民家レストラン Botan(ボタン)

所在地
兵庫県多可郡多可町八千代区横屋116
電話番号
0795-20-2341
営業時間
ランチ/11:30〜、12:30〜
ディナー/17:00〜21:00
※完全予約制(前日まで受付)

本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2025年8月14日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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