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2024.3.8
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【たつの】スパイスカレー店「ショーンカリー」本格インドカレーを旅するように味わって

イベント出店で人気に火がつき、2022年たつの市揖保川町に実店舗をオープンした「ショーンカリー」。市街から離れた場所にも関わらず、遠方からもファンが訪れる人気店です。提供するのは南インド料理を軸としたスパイスカレー。さまざまなスパイスを駆使した異国感あふれる料理の数々は一度食べるとやみつきになる味です。「旅する気分を感じられる一皿」を求めてたつのに足を運んでみては。

・「ショーンカリー」

緑豊かな山々と田園に囲まれ、のどかな風景が広がるたつの市揖保川町。「こんなところにカレー屋があるのだろうか」と一瞬不安がよぎりながらも、昔ながらの家屋が並ぶ小道を進むと、突き当りに緑のシェードと「ショーンカリー」の看板が見えてきます。

同店は2016年ごろから姫路を中心にイベントに出店しながら徐々に人気を集め、その後長い間使われていなかった実家の納屋を改装し、2022年10月に実店舗をスタートしました。現在はイベント出店と店舗での営業のどちらもこなしながら、南インド地方のカレーをベースにしたオリジナルの本格スパイスカレーを提供しています。

イベント出店のスケジュールは公式Instagramをチェックして。➡︎公式Instagramはこちら

扉を開けると芳しいスパイスの香りとかわいらしいウッディなインテリアがお出迎えしてくれます。靴を脱いで上がると、コンパクトな店内にはテーブル席とソファー席が2卓の他、カウンター席が5席あります。一人でふらりと訪れる人や、家族連れ、地元の奥様方のグループなど、さまざまなお客さんが訪れます。

20代のときに訪れたインドでスパイスカレーに出合ったという店主。多種多様なスパイスを使い分けて生み出される奥深いスパイスカレーの魅力に取りつかれ、その後何度もインドやパキスタンを訪れるうちに自らカレーを作るようになったとか。現地で料理を習いながらもほとんどが独学で学んできたというから驚きです。

旅の他に音楽も趣味という店主。音楽を奏でるようにスパイスを使い分けて生み出されるレシピは、独創的で唯一無二。その味を求めて北海道から訪れるファンもいるとか。


・レパートリーは100種以上!個性あふれる週替わりカレー

『カレー3種類 + 本日のおかず』1,600円

同店のカレーは、南インドの定食スタイルで提供されます。バターやギー(バターオイル)を使った濃厚なバターチキンカレーに代表されるような北インドカレーと比べて、南インドのカレーはサラッとしていて、スパイシーなのが特長なんだそう。具材に魚や豆を取り入れるのでヘルシー志向の人にもおすすめです。

店主のイチオシは、カレー3種類と「本日のおかず」がセットになったワンプレート。カレーは週替わりで、レパートリーはなんと100以上も!その日の気分でスパイスを利かせたり、渋みを加えたり、スパイスと食材の組合せは無限大なんだそう。

取材日のカレーは、「チキンカレー」、ココナッツミルクで仕上げた酸味の利いた「フィッシュカレー」、ホウレンソウやサツマイモなどの野菜がたっぷり入ったマイルドな「野菜と豆のベジカレー」。

3種のなかでも最もスパイスを利かせた「チキンカレー」は、6~7種のスパイスの他に、南インドやスリランカでは料理に欠かせないスパイスの一つ「カレーリーフ」を使うのがポイント。カレーに加えることでゴマ油のような香ばしい風味をプラスしています。野菜には地元の新鮮な揖保川トマトや淡路島産のタマネギを使うなど、素材選び一つとっても、こだわりは尽きません。

プレートに彩りを添えるのは、日替わりの副菜。この日は「白カブの酢漬け」、「キャベツのココナッツミルク炒め」、「ニンジンのココナッツミルク炒め」、「大根のアチュール」など。どれも野菜は地元産の新鮮なもの、旬のものを使っているそう。普段から馴染みのある野菜もスパイスと合わせると、オリエンタルな風味に一変。野菜の酸味、甘みにスパイスの香りと辛さが加わり、複雑な味わいを生み出しています。

ご飯はインドのバスマティ米に、固めに炊いたたつの市産のお米をブレンド。日本人の舌に合うように工夫されています。

トッピングされているのは、現地でよく食べられているという「パトト」という豆でできたせんべい。手で適当な大きさに割ってカレーや具材に混ぜて食べます。初めはパリパリ、混ぜるとしんなりする変化が楽しく、食感のアクセントになっています。

インドカレーと言えば、具材を混ぜながら食べるのが醍醐味。まずはそれぞれの味を楽しむもよし、カレーと副菜を混ぜてもよし、自分のスタイルで楽しんで。

・トッピングでアレンジも楽しんで

『スパイスたまご』150円

トッピングで人気なのが『スパイスたまご』。兵庫県産の卵を黄身がほんのり半熟が残るほどにボイル。スパイスと油に1日漬け込んで味がじっくり染み込んだ卵は、 カレーと一緒に食べるのはもちろん、お酒のアテとしても人気なんだそう。

黄身の濃厚な黄金色と、スパイスに染められた白身に食欲をそそられること間違いなしです。

『牡蠣のアチャール』350円 ※冬季限定

“アチャール”とは、インドの酢漬けや漬物のようなもの。冬季になると季節限定で登場する『牡蠣のアチャール』はこの時期しか味わえない“旬のアチャール”です。牡蠣は室津産のものを取り寄せ、スパイスとオイルで漬ける際にレモン汁をプラスして酸味を加えるのがポイント。濃厚でありながらもサッパリとしていて、思わずビールが進みそう。



・食後には自慢のチャイを

『チャイ』200円

シンプルなレシピだからこそ、とことんこだわったという『チャイ』も店主の自信作。グラスに口を近づけた瞬間からシナモンの香りが鼻に抜け、しっかりと甘いのにしつこさがなく、カレーの後口をスッキリと調えてくれます。

ドリンクは他にも、姫路の「NAKAZAKI COFFEE ROASTER」から取り寄せる深煎(い)りのコーヒーや有機ジンジャーエール、クラフトビールなど、こだわりのメニューがそろっています。

『インドビール』600円、『ハートランド』500円

日本ではあまり見かけないインドのクラフトビールにも注目を。カレーにも常用されるパクチーやオレンジピールが入ったフルーティーな味わいで、インドカレーに合うように作られているんだとか。アルコール度数が低いので、普段お酒を飲まない人にもおすすめです。

その時々で旬の素材を使うため、店内の黒板には毎回違うメニューが描かれます。「旅するようにカレーを楽しんで欲しい」という店主の言葉通り、訪れる度に新たな出合いがありそうですね。岡山や大阪からだけでなく、東京や北海道からもファンが訪れるという魅惑の一皿を求めて、カレーの旅に出てみては。

■詳細情報

■DATA

sean curry(ショーンカリー)

所在地
兵庫県たつの市揖保川町金剛山526-2
電話番号
080-8073-7528
営業時間
水〜土曜日/11:30〜15:00

本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年2月16日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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