姫路市城見町にある「うなぎ七輪亭」は、元フレンチシェフが手がけるうなぎ屋。素材選びにも下処理にも妥協を許さず、炭窯で丁寧に焼き上げるうなぎが自慢です。皮はパリッと、身はふっくら!口いっぱいに広がる濃厚な味わいに舌鼓を打つこと間違いなし。2023年冬からはうなぎ鍋のコース料理が新登場♪フレンチの技法を生かした繊細な料理の数々に注目です!
・フレンチを融合させたうなぎ屋「うなぎ七輪亭」
JR京口駅から東へ歩いて約8分、国道312号沿いに店を構える「うなぎ七輪亭」。約20年間フレンチシェフとして活躍してきた店主が手がけるうなぎ屋です。
もとは約40年にわたり地元で愛され、惜しまれつつ閉店した、店主の父の焼き鳥屋「七輪亭」が原点。そこへ、炭窯で焼くうなぎとフレンチを組み合わせるという新たな息吹をもたらし、2022年12月に店を復活させました。
店内は、カウンターが5席、テーブルと座敷が2卓ずつ。古き良き時代の面影を残した、あたたかみのある空間です。カウンターに座ると、うなぎを捌いて焼き上げる工程を目の前で見ることができ、ライブ感満載。
店主が日本各地で食べ比べて厳選したうなぎは、愛知県西尾市一色町産の新仔うなぎ。矢作川の天然水を利用して自然に近い環境で育てられ、ほどよい脂と適度に引き締まった上質な身が特徴です。
そのおいしさを最大限に引き出すために欠かせないのが、丁寧な下処理。詳しくは企業秘密ですが、店主が「エステのような下処理」と表現するほど繊細な作業。皮はパリッと、身はふっくらなるよう抜かりなく仕上げていきます。
こだわりの窯で、炭をこまめに入れ替えながら絶妙な焼き加減を実現。店の奥まで広がる香ばしい匂いと、滝のように滴り落ちる脂のジュージューという音が食欲を掻き立てます。
うなぎに合うよう厳選した米は、長野県産の最高級「コシヒカリ」。薪から炭へと燃料を変えながらかまどで炊き上げることで、おこげの甘みが引き立ちます。
・素材にも製法にもこだわったうなぎの『極上しら焼き』
左から『極上しら焼き』6,000円、『うなぎ長焼き』5,500円
店主が最も自信をもって提供するのが『極上しら焼き』。一口噛んだ瞬間、しっかり音が聞き取れるほどパリッとした皮の食感に驚きます。その直後に訪れるのが、ふっくら柔らかい身の濃厚なうま味。臭みは一切なく、うなぎが甘いということに改めて気付かされます。
厳選したうなぎ、丁寧な下処理、計算され尽くした焼き、そのすべてがそろっているからこそ味わえる究極の逸品はまさに感動の一言です。お好みで、山椒と昆布のパウダー、梅肉、黒岩塩を付けてご賞味あれ。
『うなぎ長焼き』は、パリッとした食感を損なわないよう、ハケで薄くタレを塗って焼くという工程を5回繰り返すこだわりぶりです。焼き立ての一番おいしい状態を逃さず味わって。
『しら焼き御膳(竹)』8,000円
うなぎのしら焼きに、小鉢2品、肝吸い、ごはん、デザート、コーヒーが付いた『しら焼き御膳』は、同店の魅力が詰まった豪華な内容です。
取材日の小鉢は、スモークしたオイル、生クリーム、ビネガーで和えた「ポテトサラダ」と、うなぎからとったコンソメのジュレをかけた「とろ豆腐」。フレンチの技法を取り入れた、見た目にも美しい上品なメニューです。香ばしさとカリカリとした食感がやみつきになる「うなぎの骨せんべい」も添えられています。
デザートは、「プラムのコンポート」。甘酒とパッションフルーツの甘酸っぱいソースがサッパリとさせてくれます。真っ赤なリンゴの器もとってもキュート。コーヒー豆も、窯と炭で自家焙煎しているというから驚きです。豆本来の味を引き出した、喉越しスッキリの水出しコーヒーをじっくり堪能して。
・秘伝のタレで味わう『うな重』やおつまみメニューも
『うな重(竹)』6,000円
シンプルにうなぎを味わえるのが『うな重』。焼き鳥屋時代から継ぎ足されてきたタレは、うなぎに合うようブラッシュアップ。あえて薄めに塗ってあるので、好みで別添えのタレや静岡県産のワサビを付けて頭まで丸ごと召し上がれ。
『ひつまぶし(竹)』7,000円
女性に人気の『ひつまぶし』。昆布のパウダー、ハーブ、自家製あられ、あおさのりで味変を楽しんだ後は、緑茶を注いでいただきます。渋みが加わることで、より奥深い大人の味わいに。カツオでだしを取った栄養豊富な「肝吸い」を注いでもOKです。
セットの小鉢は、旬の食材を使用した日替わりメニュー。取材日の「うざく」は、シードルビネガーに漬けたミョウガの酸味とうなぎの脂が見事に調和され、キュウリの食感がアクセントになっています。
醤油、みりん、塩など、調味料にもこだわる店主がもっとも得意とするのが酸味の使い方。料理に合わせ、数種類の酢やビネガーを使い分ける細かな技に注目です。
『おつまみセット』3,000円
うなぎに合うよう取りそろえたワインや日本酒のアテにぴったりなのが『おつまみセット』。店主が腕を振るうフレンチ小鉢が4、5種類盛り付けられています。取材日は、「アジのエスカベッシュ」、「たま麩とうなぎのワタの梅みそ和え」、「もずくとこぼれ梅」、「うざく」。うなぎを1/3尾ほど使った、うなぎ屋ならではのおつまみです。
・2023年冬から「うなぎ鍋のコース」が新登場!
『うなぎ鍋贅沢コース』(1人前)13,000円
※4日前までの要予約(2人前から受付)
2023年冬からうなぎ鍋のコースが新登場。頭から尻尾まで、丸ごと一尾余すことなく部位ごとの個性を生かしながら調理する特別なコースです。7,000円のコースと、うなぎの刺身・うざく・う巻きが付いた13,000円の贅沢コースがあります。
まるで生け花のような美しい盛り付けで、思わず見とれてしまうなぎの刺身。透き通るように白く、つやめくピンクの肌色が新鮮さの証。うなぎの刺身は特殊な器具と熟練の技を用いた丁寧な血抜きの作業が必要とされ、兵庫県内でも限られたところでしか食べられないレアな一品です。
食感はふぐの刺身のようでコリっとした歯ごたえがありますが、噛んでいくとうなぎの脂が溢れ出て舌の上でとろけるよう。店主がセレクトした2種の醤油で食べ比べたり、すだちをかけてさっぱりいただいたり、オレガノ(ハーブ)を添えて洋風に味変したりと、刺身一つでも楽しみ方の幅が広がっています。
刺身の上に雪のように白く降り積もっているのは、おからを炒ってパウダー状にしたもの。真鯛の卯の花和えから着想し、醤油と合わせたときに大豆の風味をより堪能できるようお麩の白玉も添えられています。大豆とうなぎの甘みが絶妙にマリアージュした感動の一品をじっくり味わって。
鍋の主役は、生のうなぎとしら焼きの2種を用意。良質な脂の甘みをダイレクトに感じられる生身と、炭火焼きでふっくらやわらかく仕上げ、うま味がぎゅっと凝縮されたしら焼きと、それぞれの食感や味わいの違いを食べ比べることができます。
大きくカットされたうなぎが大胆に包まれたう巻きも絶品。黄身をたっぷり使用し、上新粉を加えることで、箸ごしに伝わってくるほどもっちりとした食感に仕上げています。昆布とタレを絡めて、思い切り頬張って。
このほか、店主が一番おいしい部位と語るうなぎの尾を和えたサラダや、うなぎで出汁をとったフレンチの王道メニュー「スープ・ド・ポワソン」と大阪の郷土料理「半助豆腐」を掛け合わせた創作料理など、ここでしか食べられない逸品が勢ぞろい。「こんな料理、今まで食べたことがない」という驚きと感動が、お客さんの心を掴んで離しません。
「日本一のうなぎ屋を目指し常に向上し続け、お客さんをアッと喜ばせたいです」と語る店主。メニューは今後さらなる改良や工夫を重ね、旬の素材を取り入れながら味わいも盛り付けもどんどん進化していく予定とのこと。
うなぎとフレンチを融合させた新感覚の料理を楽しめる「うなぎ七輪亭」。頑張った日のご褒美や特別な記念日など、ちょっぴり贅沢したい時に奮発してみてはいかが?
■詳細情報
■DATA
うなぎ七輪亭
- 所在地
- 兵庫県姫路市城見町95
- 電話番号
- 079-289-2332
- 営業時間
- 11:00~14:00(L.O.13:30)
18:00~21:00(L.O.19:30) - ※市場の状況によって仕入れ数に限りがあり、臨時休業や早めに閉店の可能性あり。来店前に電話で営業時間の確認を。
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2023年12月6日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。