姫路最西の港町・網干の漁港に2022年12月にオープンした「貝と魚食堂」。穴子専門店「あなごの大孝(だいこう)」の姉妹店で、地元で捕れた新鮮な貝や地魚が主役の定食がいただける、水産会社直営の定食屋です。新鮮さやおいしさはもとより、約10種類の中から好きな小鉢を選べることや、地元の野菜をたっぷり使った季節感あふれる献立が人気の秘密。数量限定の『まぐろ丼定食』もお見逃しなく!
・水産会社直営「貝と魚食堂」
播磨灘に面する網干港の港内にある「貝と魚食堂」は、漁港と小売業者の間を取り持つ魚の仲卸業者が営む、鮮魚が自慢の食堂です。
オープンのきっかけは、コロナ禍で魚の売れ行きが落ち込んだという漁師の悲嘆の声と、毎年夏ごろに問題となる“未利用魚※”の廃棄問題をどうにかしたいという思いから。漁師や漁港組合で話し合い、未利用魚を始めとする行き場のない魚をそのまま販売するのではなく、料理という形で一般のお客さんに届けることが決まったそう。そして2022年12月12日、「貝と魚食堂」がオープンしました。
※未利用魚とは…形の悪さや小ささ、傷などを理由に、価値が付かずに廃棄される魚のこと。
店内は、“漁港にある食堂”というイメージを覆すような木目で統一されたナチュラルな雰囲気。4人掛けテーブルが多く、ファミリーでも気軽に利用しやすいのがうれしいポイントです。
テーブル席のほか、カウンター席も4席ほどスタンバイ。おひとり様も気兼ねなく利用できますね。
同店では「おいしい魚をなるべく低価格で提供したい」という思いから人員を減らし、料理の提供は一部セルフサービスに。入店後はまず席を確保し、レジで注文。その後、小鉢やお冷をのせたお盆をテーブルへ運び、料理の出来上がりを待ちます。小鉢以外の料理はスタッフに席まで持ってきてもらえるのでご安心を。
・朝捕れ・前捕れの新鮮な地魚を使った魚が主役の定食
同店の自慢はなんといっても魚の新鮮さ。室津港や目の前の網干港で揚がった前捕れの魚や、その日の朝に揚がった朝捕れの魚を、刺身や焼き魚、煮魚など、いろんな料理で味わえるのが魅力です。おいしくて新鮮な魚が安定して仕入れられるのは、水産会社ならでは。店主が直接目利きし、一匹ずつさばく丁寧な仕事ぶりもおいしさの理由です。
定食は全部で8種類。『お造り定食』や『魚フライ定食』といった定番メニューのほか、11月~GWごろ限定の『かきフライ定食』や3月ごろから出始める『貝フライ定食』などの季節限定メニューもラインアップ。どれも身も心も満たされるボリューム満点のメニューです。
お客さんの心をわしづかみにしているのが、選べる日替わり小鉢。毎日手作りの小鉢を10種類ほど用意していて、定食を注文の人はその中から好きなものを3種類選べます。取材日の小鉢は「数の子」「かぼちゃのきんぴら」「小芋煮」「白菜煮もの」などが登場。なるべく地元の野菜を使い、地産地消と旬の食材選びを心がけています。家庭的な味わいとなじみのある献立に、心がほっこりと温まります。
このほか、加西市産の米「きぬむすめ」や魚のアラで出汁をとったみそ汁も付いて、充実の内容です。
『お造り定食』1,600円
鮮度の違いや魚のうま味をシンプルに味わいたいという人は、まずは『お造り定食』を食べてみて。7~8種類の日替わりの刺身が主役の贅沢な一品です。舌に吸い付くようなしっとりとした食感や溶け出るうま味、脂のりの良さが新鮮な証拠。マグロやイカ、サーモン、シラサエビなど、さまざまな魚貝が美しく盛り付けされた華やかなビジュアルにも心を奪われます。時には、タコやコノシロ、ガシラ、メバルといった室津産の魚が登場することもあります。
刺身は、九州の甘しょう油でいただくのが店主のこだわり。甘めのしょう油が魚の脂と調和し、うま味がアップします。しょう油をたっぷり付けた刺身を白ご飯にのせ、海鮮丼のようにして食べるのもおすすめ。お箸が止まらなくなるおいしさに、女性でもお替わりする人が多いとか。白ご飯はお替わり一杯分が無料なのもうれしいですね。
『海老フライ定食』1,600円
大きなエビフライを5本も満喫できる『海老フライ定食』は、エビフライ好きや子どもにはたまりません。プリッと身が引き締まったエビフライに、自家製のタルタルソースをたっぷり付けて召し上がれ。あっさり派の人は、レモンをかけてさっぱり食べてもGOOD◎。食べ応えがあり、満足度が高い人気の定食です。
・魚の種類が変わる「焼魚定食」や「煮魚定食」も必見!
『魚フライ定食』1,200円
『魚フライ定食』は、4~5種類ほどの魚のフライが付くという圧倒的なボリュームに反して、1,200円という手ごろな価格が魅力的。小アジや小サバ、シズといった未利用魚を使っているので、価格をぐっと抑えられるそう。市場に出回らない未利用魚といえども、見た目や大きさが違うだけで、おいしさはそのまま。逆に小ぶりな分すぐに火が通るので、外はサクサク、中はふっくらと仕上がります。自家製タルタルソースやソースなど、味のアレンジも楽しんで。
手前『本日の煮魚定食』1,200円~、『本日の焼き魚定食』1,200円~
煮魚と焼き魚の定食も、日によって魚の種類が変わります。取材日の煮魚は「タイのアラ煮」(1,500円)、焼き魚は「シャケの西京焼き」(1,500円)が登場。
煮魚はしょう油のみで味付けするのが漁師流。同店でもその作り方にならい、たつの市の「矢木醤油」のみで味付けしています。
「シャケの西京焼き」はサケをフィーレで買い付け、店内でさばき、特製の西京みそに漬け込むほどのこだわりぶり。ほんのりみその風味が香る優しい味わいとほどよい塩気が、食欲をかき立てます。パリッと香ばしく焼き上がった皮まで、余すことなく召し上がれ。
・わざわざ食べに訪れたい♪新メニュー『まぐろ丼定食』
『まぐろ丼定食』1,500円
2023年4月から、マグロをこれでもかというほどたっぷりのせた『まぐろ丼定食』の販売がスタートしています。
マグロは東京のマグロ専門店から直接買い付けた良質なものだけを提供するのがこだわり。夏場は、味が濃厚ながらも脂身があっさりとしているインドマグロ、11月ごろからは大間の本鮪が入ります。
また、マグロが入荷してから数日間だけ提供される『すき身丼』(+400円)は1日先着約5人だけの超レアメニュー。骨からすいたマグロのすき身を、同店自慢の各定食に付くご飯の上にのせてもらえます。見かけたときはぜひ味わって。
・冬季は「室津牡蠣」の季節限定メニューも
『かきフライとお造り定食』2,000円 ※11月~GWごろまで
お店の目の前に広がる播磨灘では、例年11月~GWごろに牡蠣がよく捕れます。同店では、隣の港である「室津港」の牡蠣の養殖業者から直接仕入れた「室津牡蠣」を使って、カキフライや蒸しガキなどを提供しています。
中でも人気No.1は『かきフライとお造り定食』。カキフライだけでなく、自慢のお造りも食べられる欲張りな定食です。
「室津牡蠣」の特徴は、独特のえぐみが少なく食べやすいということ。一般的に牡蠣は、出荷までに2~3年の生育期間が必要ですが、近くに揖保川が流れ山のミネラルや栄養を海水に多く含む室津では、わずか半年ほどで育つんだそう。大きさは小ぶりですが、中にはうま味がギュッと詰まった濃厚な味わいは、一度食べると忘れられなくなるかも。
『かきフライとお造り定食』には、ミニサイズの刺身盛りが付きます。こちらも日替わりで内容が変わるので、詳しくは直接確認を。
例年2月ごろからは室津のアサリ、3月以降はアカガイやトリガイ、タイラギガイといった前捕れの貝を使った定食も登場するそう。貝好きは、こまめに公式Instagramをチェックしてみて♪ ➡︎公式Instagramはこちら
・姉妹店「あなごの大孝」の穴子弁当も販売
『あなご弁当(中)』(小鉢1品付き)1,650円
姉妹店である穴子料理専門店「あなごの大孝」の『あなご弁当』もオーダーできます。「あなごの大孝」は、過去にTVやメディアでも取り上げられたことがあるほどの名店。その名店の味を、「貝と魚食堂」でゆっくり味わうことができます。
メニューは『あなご弁当』の中(1,650円)と特上(2,150円)、『煮穴子と焼穴子の弁当』(1,950円)の3種類。「貝と魚食堂」で注文の場合は、お好きな小鉢が1品付くのがポイントです。
焼穴子のこだわりは、一匹ずつ丁寧に手で焼くこと。皮目は強火でしっかりと、表面は上火のガスでパリッと焼き上げ、ふっくらとした仕上がりに。
穴子のタレは、半世紀以上も前から続く秘伝のレシピなんだそう。穴子の骨や頭を一緒に煮込むことで素材そのもののうま味を最大限に生かし、深みのある味わいに。「あなごの大孝」でしか味わえない新メニュー『あなごの箱寿司』(1,500円)もお見逃しなく。
■詳細情報
■このスポットの利用可能なクーポン
クーポンを提示で『まぐろ丼定食』が100円引き!
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■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2023年8月29日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。