赤穂大石神社から北へ徒歩5分ほどのところにある「momocafe(モモカフェ)」は築130年の邸宅を生かした蔵カフェ。赤穂市の市街地景観重要建築物に指定される「赤穂義士邸宅跡・濱尾家」をリノベーションした、趣ある空間が魅力です。今まではモーニングや軽食の提供のみだった同店に、新しくランチメニューが登場♪蔵カフェで自分と歴史を見つめ直す閑(しず)かなひとときを過ごしてみませんか?
・蔵カフェ「momocafe(モモカフェ)」
古き良き街並みが色濃く残る城下町にある「赤穂義士邸宅跡・濱尾家」。この邸宅の蔵をリノベーションし、2022年5月にオープンした「momocafe(モモカフェ)」は、古い家屋が点在する赤穂市内でも珍しい蔵カフェです。
場所は赤穂大石神社から北へ徒歩5分ほどのところ。「濱尾家」は市内で唯一、武家屋敷の様式で母屋が残っている貴重な建物です。なまこ壁※や瓦屋根が今なお美しく残り、明治時代で時が止まったかのような錯覚すら覚えます。
※なまこ壁とは…壁面に平瓦を並べて貼り、瓦の継ぎ目に漆喰をかまぼこ形に盛り付けて塗る工法。
店内の設計は、空間デザイナーとしての顔を持つ店主が自ら図面を引いてデザイン。立派な梁(はり)や床板はそのままに、居心地の良さや使い勝手の良さを考えて設計したそう。漆喰の壁や土間の床の塗り直しなど、自分の手でできる部分はセルフでリノベーション。130年余りの歴史と店主の思いが紡がれた、和モダンな空間に仕上がっています。
外には2席ほどテラス席も完備。手入れが行き届いた美しい日本庭園を目の前に、心穏やかなカフェタイムを満喫して。
一度やりたいことを見つめ直すために空間デザイナーの職を辞して、デザインを勉強しにオーストラリアで1年間暮らしたという店主。大自然の中で暮らすオーストラリアの人たちの時間の使い方や、自然や歴史を大切にする現地の人の考え方に刺激を受け、“古き良きものを大切にすること”の魅力を再認識。約10年間空き家となっていた祖父母の古民家を受け継ぎ、「新たな物語を紡いでいきたい」との思いでカフェをオープンすることを決意しました。
母屋にあったタンスをカウンターに再利用したり、母屋の戸をトイレの戸に生かしたり、先代が大切に使い続けてきたものを引き継いでいくという思いが、さまざまなところに感じられます。
店名の「momo」は、店主自身の名前と、店主が好きなミヒャエル・エンデ著の物語「モモ」から名付けたそう。「物語に出てくる“時間泥棒”のように、時間泥棒に時間を盗まれず、心にゆとりを持って過ごせる居心地の良い場所を提供したい」という思いが込められています。
さらに、梅鉢が描かれた濱尾家の家紋をベースにしたロゴマークも店主自らがデザイン。梅鉢の花びらをコーヒ豆のモチーフに置き換え、ジャパンブルーを組み合わせたデザインには、店主が大切にする和の精神が宿ります。
・スーパーフードを取り入れたモーニング
『アサイーボウルセット』1,580円 ※8:00~11:00限定
健康志向なオーストラリアの人がこよなく愛するグラノーラやアサイー。店主が現地での暮らしをヒントに、オリジナルのアサイーとフルーツ、自家製グラノーラを盛り付けて作った“ここだけのアサイーボウル”が同店のイチオシです。蔵で眠っていた本漆塗りの器に入って提供されるのも魅力です。
モーニングタイムはピーナッツバタートーストが、ランチタイム以降は『エナジーバー』がセットになります。
アサイーペーストは、アサイーをベースにマンゴーやイチゴ、オレンジなどのフルーツを混ぜ合わせて、フルーティーな味わいに仕上げているのが特徴。その上に自家製グラノーラと季節のフルーツをたっぷりと、仕上げにチアシードやココナッツファインを散らして完成です。とろっ、サクッなどいろんな食感や味わいが何層にも重なり、最後まで飽きずに楽しみながら味わえます。
・ランチメニューがパワーアップ!テイクアウトもOK
『本日のランチ(ドリンク付き)』1,480円
※11:00~15:00限定。写真はプラス150円で『はちみつレモンスカッシュ』をセットに
ランチタイムは『本日のランチ』『グリルサンド』(1,480円)『フレンチトーストサンド』(1,380円)の3種類のランチメニューがスタンバイ。
『本日のランチ』は、ひよこ豆やスパイスを使った「ドライカレー」or平日限定の「日替わりのメイン」から選べます。スパニッシュオムレツやサラダ、キャロットラペが付き、栄養・彩り・ボリュームのすべてにおいて満点♪コクうまの「ドライカレー」は野菜が入っているので、スパイスの香りの中にほんのり甘さを感じる奥深い味わいがクセになりそう。
『フレンチトーストサンド(ドリンク付き)』1,380円
パン派には、同市内のベーカリー「Nanaパン」の食パンを使った、甘じょっぱいお食事系フレンチトーストが人気。パンの間にハムとチーズを挟んでプレスし、仕上げにたっぷりとハチミツをかけたランチにぴったりなメニューです。
中からとろ~んと溶け出るチーズの塩味とハチミツの甘い香りが絶妙。パニーニ専用のプレス機を使って高温で焼き上げているので表面はカリッと香ばしく、縦に入ったライン一本一本のすき間でしっかりとハチミツをキャッチします。
ランチメニューはテイクアウトが可能。晴れた日は近くの公園やすぐ近くの観光スポット「赤穂城跡」に持って行って、青空の下で味わうとおいしさもひとしおです。テイクアウトの場合は1/4ずつにカットしてもらえるので、ワンハンドでパクッと食べやすいのもおすすめポイントです。
『グリルサンドイッチセット(ドリンク付き)』1,480円
カンパーニュで作ったグリルサンドは、トマトやキノコなどの野菜のほか、キヌアやアボカドといったスーパーフードとチェダーチーズを挟んだオリジナルのホットサンドです。
味付けは、オーストラリアでポピュラーな発酵調味料「ベジマイト」を使用。八丁みそのようなコクとほんのり苦い味わいが特徴です。疲れたときは栄養もボリュームも満点なグリルサンドを食べて、エネルギーをチャージして。
・時間を忘れて閑(しず)かなカフェタイムを
『モモブレンドコーヒー』580円
岡山市のスペシャルティコーヒー専門店「アロマコーヒーロースタリー」で経験を積んだ店主が、自分で配合を決め、同店でブレンドしてもらっている『モモブレンドコーヒー』は、ここに来たらぜひ飲んでほしい一杯。すっきりとしたキレと、朝にごくごく飲みたくなるような軽い味わいです。
バレンタイン、母の日、父の日、春など、1~2カ月に一度の間隔で変わる「季節限定ブレンド」もお見逃しなく。春は春風のように爽やかでフルーティーな味わい、冬は体の芯から温まるようなチョコレートに似た風味を持つコク深い味わいなど、季節に合わせて細かくブレンドを変えています。コーヒーで四季の移ろいを楽しめるのは、ブレンドコーヒーが自慢の同店ならではです。
『ラズベリーショコララテ』660円
エスプレッソドリンクも人気。ラズベリーの風味がふんわり香る『ラズベリーショコララテ』は、ドライラズベリーで飾ったキュートなラテアートで提供されます。ラズベリーの心地よい酸味やチョコのほのかな苦味が感じられ、大人の女性にぴったりです。
『ハニーレモンラテ』640円
暑い日には、ハチミツとレモンで仕上げた爽やかな『ハニーレモンラテ』がおすすめ。ハチミツの優しい甘さと鼻に抜けるレモンの香りで、体の疲れがリフレッシュされること間違いなしです。しっかり混ぜて召し上がれ。
『季節のパフェ』1,400円~ ※写真は冬春限定の『苺パフェ』(1,760円)
季節ごとにフルーツが変わる『季節のパフェ』は、SNSで話題のインスタ映えスイーツ♪特に、2種類のイチゴを使った華やかな『苺パフェ』と、岡山県産のモモを丸ごと一個使った夏限定の『桃パフェ』が人気です。
まるで花が開くように飾られた完熟の「あまおう」。中央にはアサイーソルベ、グラスの中には自家製グラノーラやスイーツがたっぷり詰まっています。一杯のグラスの中に、カリカリ、ねっとり、ふわとろなど、異なる食感や味わいが複雑に折り重なり、ワクワクが止まらない魅力あふれる『苺パフェ』。いつもよりちょっぴり贅沢をして、春の味覚を満喫してみては。
『チーズテリーヌラズベリー』550円
自家製のスイーツは、砂糖の代わりにハチミツを使用することがこだわり。クリームチーズをたっぷり使用し、濃厚ながらもまろやかな甘さに仕上げたチーズテリーヌは、舌触りの滑らかさも自慢。蒸し焼きでじっくり火を通して焼き上げ、一日寝かせるのがポイントだそう。ラズベリーとの相性も抜群です。
・自家製グラノーラやこだわりコーヒーは手土産に♪
『グラノーラ(100g)』各580円
グラノーラ好きは必見!同店でアサイーボウルやヨーグルトに使っている自家製グラノーラは持ち帰り用としても販売しています。オーガニックのオーツ麦やココナッツオイル、パンプキンシード、ナッツなどを混ぜ合わせて焼き上げているので、ほんのりココナッツの風味が香るのが特徴的。ザクザクと食べ応えも抜群!ヨーグルトと合わせて食べるのはもちろん、小腹が空いたときにそのままスナックのように食べるのもおすすめです。
『エナジーバー』各150円
ナッツがごろごろ入った自家製グラノーラに、デーツペーストを加えて固めたグルテンフリーなグラノーラバーは、一日のどこかで疲れたときに。フレーバーはラズベリー・マンゴー・ココナッツの3種類。
「パッケージを見たときに一息ついたり、元気になってもらいたい」との思いで、包み紙一枚一枚に「素敵な一日を」といったメッセージが書かれています。店主からの応援メッセージも要チェック!
『モモブレンド』左 1,100円(100g)、右 2,000円(200g)
コーヒー豆の販売もしています。『モモブレンド(中深煎り)』『季節限定ブレンド』のブレンド2種と、『エル タンボル農園(浅煎り)』『ラエスペランサ農園(中深煎り)』『エル ミラドール農園(深煎り)』のシングルが3種と、浅煎りから深煎りまでの5種類の豆がラインアップ。店主こだわりのコーヒーを、自宅でもゆっくり味わってみては。
古き良き日本の伝統を大切にする「momocafe」。店主自らリノベーションに携わったこだわりの空間ではカフェはもちろん、時によっては、写真家や画家の展示会やコンサート、朝ヨガを開催することもあり、楽しみ方は今後もまだまだ広がりそう。ぜひ公式Instagramをチェックしてみて。➡︎公式Instagramはこちら
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年4月3日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。