姫路市佃町にある「野の葉(ののは)」。「いろんな人にお腹いっぱい食べてほしい」、その思いを胸にこだわりぬかれた定食はまさに絶品。忙しい現代人をほっこりさせる”愛のこもったランチ”を求めて足を運んでみては?
・季節を楽しむ定食を提供する「野の葉(ののは)」
JR・山陽姫路駅から南へ車で6分ほど、姫路市役所の南に定食屋「野の葉(ののは)」があります。
座席はカウンター席が4席、テーブル席が12席あり、お昼時は1人ふらりと立ち寄るお客さんの姿も少なくありません。
カウンターの目の前では日本各地の民芸品がずらりと並ぶ食器棚をながめることができます。「民芸品が大好きなんです」と語る店主。その言葉通り店内には「砥部(とべ)焼」、「小鹿田(おんた)焼」、沖縄の「やちむん」、「有田焼」、「波佐見(はさみ)焼」といった、さまざまな器が積み上げられています。休みの日に各地へ買い付けに行くのが楽しみなのだそうで、ここにずらりと並んでいるのも一枚一枚が店主のお気に入りです。
カウンターにある大きな花瓶も民芸品の一つ。そこには季節の移ろいにあわせて店主が選んだ生花が生けられています。この日本の風情が感じられる店内で提供されるのは季節ごとに内容が変わる定食。忙しい毎日の中で季節を感じることが少なくなっている人に、空間や食材で四季を感じてもらおうと工夫が凝らされています。
・開店当時から変わらない愛情あふれるこだわり
同店の定食のラインアップは和食と洋食がバランスよく並ぶだけでなく小鉢もバリエーション豊か。これは店主のこだわり。「誰にだって洋食が食べたい日や、和食が食べたい日がある。そのときに“これ食べたい!”と思ったものを食べてほしい」そんな思いからたくさんの小鉢を用意するようになったそう。
毎日閉店後にも翌日の仕込みをするのは大変な作業ですが、このこだわりが多くのお客さんから愛され続ける理由の一つ。複数人で来店したお客さんには全員違う小鉢で提供し、みんなでシェアできるように工夫。家族三世代で来店したお客さんにはやわらかいものや、肉じゃがやポテトサラダのような定番料理を提供し、年齢層が異なっても一緒においしいごはんを食べられるように気遣いを忘れません。
お客さんへの丁寧な寄り添いこそが、同店が16年間愛され続けてきた理由といえます。
・一番人気は『さば梅干煮』♪メイン2種なら品数と満足感がアップ
ランチメニューは25種類とバリエーション豊富。初めて訪れる人はまずそのメニューの多さに驚くはず!中でも一番人気は『さば梅干煮』です。脂ののったやわらかいサバに絡む甘辛い味付け、そこにほんのりと梅の香りが広がる絶妙なバランス。合わせる梅干しは酸味や塩味が控えめなため、梅肉をサバと一緒に口に含んでもサバのうま味を引き立て、さらに後口をサッパリとさせてくれます。
『さば梅干煮&生マグロせせり定食』1,850円
『さば梅干煮定食』(1,300円)でも満足感たっぷりですが、同店のイチオシは『さば梅干煮&生マグロせせり定食』。使用しているサバとマグロはどちらも毎朝店主が「姫路市中央卸売市場」まで足を運んで買い付ける新鮮なものです。
マグロの希少部位であるせせりは一般的な刺身とは異なり、弾力のある食感が特長。噛めば噛むほどにうま味と甘みが広がります。
小鉢に盛られていたのは男性人気の高いポテトサラダ、カボチャの煮つけ、うの花のいり煮、かにかま入りオムレツ。どれも優しい味付けで、それぞれの素材の味が最大限に引き出された味わいです。
・天ぷらにお刺身が付いたボリューム満点の『野の葉定食』も
『野の葉定食(コーヒーorゆず茶orアイスクリーム付き)』2,700円
『さば梅干煮』に季節の天ぷらと刺身の盛り合わせがセットになった豪華な定食もスタンバイ。だれもがお腹いっぱい大満足間違いなし♪
この日の天ぷらのラインアップはナス、オクラ、ズッキーニ、カボチャ、エリンギ、エビ。季節を感じる食材を使用することにこだわり、今夏はほかにもピーマンやミニトマト、ゴーヤなどを使用した日もあったそう。温かい天つゆにくぐらせると、天ぷらのサクッとした食感の中に食材の香りがぎゅっと閉じ込められていて、天つゆの香り高い風味がそれを包み込みます。
刺身の小皿にはこの日マグロ、タイ、ホタテが並びました。どれも脂がのっていて、濃厚な味わいは朝に仕入れる鮮魚ならでは。
さらに小鉢はピーマンとツナの和えもの、ひじきの煮物、ペンネのミートソースが。ピーマンとツナの和えものは、火を通さず和えるだけにすることでピーマンのパリッとした食感が残っていて、ツナと塩ダレの油分が良いアクセントに。その隣にあるひじきの煮物は具材がやわらかく煮込まれていて、豊かなだしの香りが口いっぱいに広がります。
ペンネのミートソースはもちっとしたペンネに酸味が控えめなトマトソース、甘みのあるひき肉とタマネギが絡み合って、子どもも喜びそうな優しい味わい。
食後にはコーヒー(HOT、夏季はICE)、ゆず茶(HOT)、アイスクリームの中から1種選べます。この日のアイスクリームはユズシャーベットでしたが、季節によってバニラやストロベリーアイスクリームが登場することもあるそう。
「食べてほっとするというか元気になってほしい。ここに来るまでは気分が落ち込んでいても、ここから出るときには元気で頑張ろうって思ってもらいたい」。そう語る店主が作る温かいランチは、多くの人の元気の源になっているのでは。今日は何が食べられるか、わくわくしながら足を運んでみてくださいね。
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2025年8月28日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。