美しい水と豊かな自然に囲まれた、多可町加美区的場。かつて西脇市で多くの人に愛された食堂「Oggi(オッジ)」が、2024年10月21日、築100年の古民家をリノベーションし、フレンチレストラン「Aoikaba(青いカバ)」として生まれ変わりました。清らかな湧き水で知られる「松カ井の水」のほど近くに位置し、自然に囲まれた癒やしの空間で、その日に採れた旬の食材を生かしたコース料理を提供します。
・「Aoikaba(アオイカバ)」
「Aoikaba(アオイカバ)」は、多可町の中でも自然豊かな加美区に位置し、田園風景が広がる静かな場所に佇むフレンチレストラン。「本当にこの先にお店があるの?」と少し不安になりながら、ナビを頼りに山道を進んでいくと、物語の中から抜け出してきたような、かわいらしいお店が現れます。
以前は、西脇市で食堂「Oggi(オッジ)」を営んでいた店主。「田畑とのつながりを感じられる、自然に近い場所で料理を提供したい」という思いから、この地への移転を決意しました。移転を機にリニューアルした店名には、古代エジプトで「母性・健康・長寿・幸運の象徴」とされていた“青いカバ”が隠れています。この名前には、「訪れるすべての人に幸せがもたらされますように」という温かい願いが込められています。
料理と共に楽しんでほしいのが、窓の外に広がる多可町の美しい風景。築100年の古民家をリノベーションする際に、ゆったりと景色を眺められるよう大きな窓を設けるなどの工夫が施されています。さらにどの席からも座ったときに、一枚の絵画のように自然が目に飛び込んでくるよう設計されています。
春は満開の桜、夏は青葉、秋は紅葉、そして冬には雪景色。四季折々の表情を見せる自然は、食事の時間をより豊かに彩ってくれます。静かな店内では、時折聞こえてくる田んぼを耕すトラクターの音でさえ、心地よいBGMのように感じられます。
・“いつもの食材”が特別に♪ひと工夫光る創作フレンチ
『季節のコース料理』3,500円 ※要予約
『季節のコース料理』は、旬の恵みを取り入れた前菜3皿に、季節のスープ、丁寧に仕上げたメイン料理、デザート、食後のカフェとスイーツまでそろった、季節の移ろいを味わえるコースです。
料理に使われる野菜は、信頼する地元の農家から仕入れたものに加え、レストランの目の前に広がる自家菜園で大切に育てられた野菜も取り入れています。採れたての素材はそのまま厨房へと運ばれ、繊細なフレンチの技で、一皿ずつ丁寧に仕立てられます。
取材日に提供された前菜の1皿目。ガラスの器の中に、まるで花が咲いたようにふわりと広がった「カリフラワーのムースと地鶏のコンソメジュレ」は、地元産の「播州百日どり」からとったコンソメのジュレの上に、薄くスライスした生のカリフラワーが花びらのように盛りつけられています。
カリフラワーを丁寧に裏ごしして仕立てたなめらかなムースに、「播州百日どり」のうま味を凝縮したコンソメのジュレが加わり、味わいに奥行きを生み出しています。前菜から丁寧な仕事ぶりが伝わり、次の一皿への期待が高まります。
前菜2皿目は、ふんわり揚げた洋風天ぷら「たけのこのベニエ」を主役に、もち麦と刻んだ春野菜を合わせたリゾットを添えた一皿。ブロッコリーとひよこ豆で仕上げたフムス風のソースが、香ばしい衣と相性抜群です。お米の代わりにもち麦を使い、洋風のたけのこご飯のような、春の味わいが楽しめる一品です。
木のプレートに美しく盛られたこちらは、自家製ロースハムのオープンサンド。塩漬けにした豚肉を、低温でじっくり火入れすることで、しっとり柔らかく仕上げています。香ばしいパンの上には、そのロースハムとともに、自家製マヨネーズが重ねられ、まろやかさをプラス。仕上げにトッピングされた香り高いパセリとカリッとしたナッツが、食感と風味のアクセントに。
取材日のスープは、キャベツとレンズ豆を使った、優しい味わいのポタージュ。ほんのり甘くてコクがあり、ほっとするような味わいです。上にのった泡はミルクにカレーの香りを加えてあり、ふわっとスパイスが香ります。ナスタチウムの葉のあしらいが、爽やかな雰囲気を演出しています。
この日のメインは、「大山ポーク」を使った一皿が登場。ヨーグルトと麹(こうじ)味噌でじっくりマリネした肉を真空調理で1時間半かけて低温で仕上げられています。上にパラリと振られているのは、南フランス・カマルグ産の「ル・ソニエ・ド・カマルグ塩」。ミネラル豊富な塩が肉の甘みを引き立てています。
ソースは、軽くスモークしたフレッシュチーズのソースと季節のハーブオイルを使ったソースの2種。どちらもお肉との相性がよく、全体の一体感をさらに引き立てています。
付け合わせには、しっかりした甘みと酸味のバランスが良いと評判の地元農家「吉仲cozyfarm」のトマトを使用。パン粉と自家製チーズ、そして香り豊かなハーブと共にオーブン焼きに。
同店では、3,500円のコースのほかに手軽に楽しめる2,450円のランチコースもスタンバイ。ランチは11:00〜と13:00〜の2部制で、定休日でも5名以上の予約であれば対応可能です。ディナーはシェフお任せコースで、5,500円と7,000円の2種類を用意。さらに、フレンチ惣菜やスープのデリバリー、ケーキやプリンのテイクアウトもOK 。営業中は電話に出られないことが多いので、予約はLINEがおすすめです♪➡︎公式LINEはこちら
・香ばしさとクリーミーさが絶妙のスイーツはいかが?
『プリン』400円
コースを締めくくるデザートとしても提供されている『プリン』は、単品でも注文可能です。しっかりと火を入れた昔ながらのかため食感が魅力。口に入れるとほろ苦いカラメルとほどよい甘さが広がり、スッと消える後味が心地よい、まさに“大人のプリン”です。
『バスクチーズケーキ』600円
単品のスイーツは、ほかにも『バスクチーズケーキ』をスタンバイ。しっかり焼きこんだ表面の“焦げ”が香ばしく、一口食べれば中は驚くほどしっとり、なめらか。まるでプリンのようなとろける食感のバスクチーズケーキは、食べた人に小さな衝撃を与えるスイーツです。甘さは控えめで、チーズのコクがぐっと引き立つ味わい。
テイクアウトも可能で、わざわざ遠方から買いに訪れるファンも多いというのも納得です。
『フレンチ惣菜』1,500円
同店は、西脇市や丹波市ので開催されるイベントやマルシェに時折出店しています。イベントでは、自家製のキッシュや玄米サラダ、ほうれん草のナムルなどを詰めた『フレンチ惣菜』を販売しています。最新情報は公式Instagramで発信中。取り置きや予約もOKです。気になる方はぜひチェックを。
「Aoikaba」は特別な日だけでなく、日常的に「ちょっとおいしいものを食べに行こうか」と思い立ったときに訪れたくなる、気取らず温かみのある場所です。「今日は何があるかな?」と、気軽に扉を開けてみてください。きっと、美味しい料理と優しい笑顔があなたを迎えてくれるはずです。
■詳細情報
■DATA
Aoikaba(アオイカバ)
- 所在地
- 兵庫県多可郡多可町加美区的場中所281-2
- 電話番号
- 090-5078-4902
- 営業時間
- ランチ/11:00〜、13:00〜 ※2部制
ディナー/18:00〜(要予約)
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2025年5月12日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。