山陽姫路駅から西へ徒歩4分ほど、かつてにぎわいを見せた「旧市(きゅういち)」と呼ばれる商店街の一角に「GREEN HANDS COFFEE(グリーンハンズコーヒー)」があります。オープンは2024年2月29日。市内にある親子カフェでの出店から始まった同店は、子連れに優しいメニューとスタイルは今も変わらず健在♪コーヒーが苦手な人でも喜ぶメニューがそろうコーヒースタンドで、一息つきませんか?
・「GREEN HANDS COFFEE(グリーンハンズコーヒー)」
山陽姫路駅から西へ4分ほど歩いた先にあるレトロな軒先商店街「旧市(きゅういち)」。八百屋や青果店、駄菓子店、おもちゃ屋など、さまざまな商店が軒を連ねるこのエリアの一角に「GREEN HANDS COFFEE(グリーンハンズコーヒー)」があります。
ここで毎月第3土曜日に開催される「旧市のきさき朝市」に初めて出店したときからこの町の虜(とりこ)となり、元あった乾物店の閉業を耳にしたタイミングでコーヒースタンドのオープンを決意した店主夫妻。2024年2月に誕生した同店は、「昔ながらのこの景観に溶け込み、あたかも長年ここにあったかのような風貌に」との思いで作った、オレンジ色のテントが目印です。
前職は夫婦そろってコーヒーとはまったく違う道を歩んできましたが、共通の趣味であるカフェ巡りをきっかけにコーヒーの世界にどっぷり。次第に手回し焙煎機を購入して自家焙煎をするまでとなり、縁あって姫路市内にある「こどもとおとなのイベントカフェYAHOHO! 」で出店することになりました。
その時に掲げた名前が「GREEN HANDS COFFEE」。「GREEN HAND」とは「未熟者」という意味を持ち、「専門の道を進んでいない未熟者の私たちでが営む“ハードルの低いコーヒー屋”を目指したい」とコンプレックスを逆手に取ってネーミング。豆の種類を1種類に厳選し、メニューを絞った背景もそこにあります。
親子カフェから始まったことと自身が子育て世代という背景から、親子連れに優しい場所を常に心がけている同店には、ご主人が幼少期から集めてきたアメリカンコミックスや戦隊もののフィギュアがずらり。レトロな雰囲気が満載で、大人も童心に返って、この空気感を思い切り満喫したくなります。
・手回し焙煎する『本日のコーヒー』
『本日のコーヒー』500円
生の状態で仕入れたコーヒー豆を独自にブレンドしてから、手回し焙煎機で焙煎するのが同店のスタイル。1回あたりの焼き上がりが200gほどと生産性には欠けるものの、直火で焼き上げることができるため風味良く仕上がるのが特徴です。
同店では焙煎する度、ブレンドする配合を変え、毎日のように足を運んでくれるお客さんを飽きさせないようにいろんなコーヒーでおもてなし。型にはまりきらない柔軟さも人気の秘密です。
焙煎だけでなく、湯温にムラができないよう、お湯を回しかける直前にケトルを軽く回す手振りも自己流。見た目のかわいらしさと保温性の高さが自慢のグリーンカラーの陶器製ドリッパーを使って一杯ずつ抽出します。
『本日のコーヒー』はその時々でブレンドorシングルオリジンを提供し、豆の産地や品種もさまざま。取材日の「エチオピア」のシングルオリジンは、浅煎(い)りにすることが多いこの豆をあえて中煎りし、酸味特有の角がとれてまろやかな味わいに仕上げた一杯。舌の奥の方でほんのり甘みも感じる、フルーティーな香りが魅力です。
『カフェオレ』600円
濃いめにハンドドリップし牛乳で割った『カフェオレ』は、苦みが少なくミルキーな味わいで、コーヒーが苦手な人も飲みやすいテイストです。提供したてはくっきりと2層に分かれているので、飲む前にしっかり混ぜてから召し上がれ♪
・コーヒー通からも人気が熱い『バナナジュース』
『バナナジュース』600円
同じ「旧市」にある「そぎはら青果」で取り扱っているバナナのおいしさに惹かれ、メニュー開発に至ったという『バナナジュース』もおすすめ!色鮮やかな黄色いカップは、このドリンクのために特別に用意したものだそうで、このドリンクとバナナに対する夫婦の熱い情熱がひしひしと伝わってきます。
「甘さと酸味のバランス、そして香りの高さが絶妙なんです!」と店主が絶賛するこのバナナは、ハチミツや練乳などほかの食材に頼らなくても、バナナたった1本で味が決まるから驚き。完熟を見極め冷凍し、純粋に牛乳と一緒にミキサーにかけただけのシンプルな作り方ですが、思わず隠し味を聞きたくなるようなクリーミーかつ濃厚な味わい。一度飲むと虜(とりこ)になること間違いなしです。
・ふわふわ食感に夢中になる自家製ドーナツ
『ドーナツ』(1個)300円
元々同店のコーヒーは、自家製の焼き菓子やドーナツといった甘いスイーツとペアリングを楽しむ前提で深煎りに仕上げられています。中でも「シュガー」と「シナモン」から味が選べる『ドーナツ』が、コーヒーとベストマッチ!たっぷりときめ細やかな砂糖がまぶされた揚げドーナツは、脂と甘さのバランスにぞっこんです。
『ドーナツ(シュガー)』各300円
不動の人気は『ドーナツ(シュガー)』。きび糖のコクのある甘さが生地の風味を引き立てます。
ドーナツ生地は北海道産小麦「キタノカオリ」をブレンド。もち~っと柔らかい食感が自慢です。完成に至るまで、何度も粉や製法を変えて試行錯誤したそう。生産性の高い「型抜きドーナツ」ではなく、ベーグルを作るときのように、細長いパン生地からリング状に成形しているのも、この食感を叶えるために欠かせないポイント。一つひとつ表情が微妙に違う“手作り感”もまた、魅力の一つです。
『ドーナツ(シナモン)』300円
シナモンシュガーをたっぷりまぶした『ドーナツ(シナモン)』は、口の中いっぱいに広がるスパイスの香りがクセになります。なぜか寒くなるとスパイスが恋しくなるのは人間の摂理・・・。夏よりも秋から冬にかけて人気が上昇し、その時期は『ドーナツ(シュガー)』を上回って売れることも。
シナモンのエキゾチックな香りは中~深煎りで仕上げられる同店のコーヒーと相性が良いので、ぜひこのフレーバーもペアリングをお試しあれ!
『SLOOPY JOE』500円
アメリカの家庭料理「SLOOPY JOE(スラッピー・ジョー)」という食べ物を聞いたことはありますか?“SLOOPY”は直訳すると“汚れた”や“だらしない”という意味で、中の具材をぼろぼろとこぼしながらいただくちょっぴり変わったサンドイッチのことです。
本場ではパンが使われますが、ドーナツ生地を使ってみるとしっくりきたことから、同店はドーナツ生地を採用。真ん中に入れた切れ目には、手作りのミートソースやピクルス入りマスタードなどがたっぷり!名付けの由縁ともなった“こぼすスタイル”で味わってみて。
「昔の駄菓子屋さんのように、分け隔てなくふらっと立ち寄れるのようなコーヒースタンドになりたい」と話す二人が温かく迎えてくれる「GREEN HANDS COFFEE」。不定期でイベント出店もしています。最新情報は公式Instagramからチェックして♪➡︎公式Instagramはこちら
■詳細情報
■DATA
GREEN HANDS COFFEE(グリーンハンズコーヒー)
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年10月24日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。