数々のグルメ店が並ぶ神戸元町の南京町で、ひときわ多くのお客さんでにぎわう「老祥記(ろうしょうき)」。四六時中行列が絶えない豚まんのテイクアウト専門店で、目の前の広場には「できたてのおいしさを逃すまい!」と湯けむりを立てて豚まんを頬張る人の姿も。職人が手際よく生地を包み、次々とツヤツヤふっくらな豚まんができあがる光景を前に、思わずグ〜ッとお腹が鳴ってしまうこと間違いありません!もちもちの皮とあっさり醤油味の肉餡が絶妙にマッチした、熱々ジューシーな絶品グルメ。神戸に訪れたらぜひゲットして♪
・元祖豚饅頭「老祥記(ろうしょうき)」
JR・阪神元町駅から徒歩約5分、三ノ宮駅から徒歩約15分。日本三大中華街の一つに数えられる南京町があります。
たくさんの屋台や中華レストランが軒を並べる通りで、ひときわ長い行列をつくるのが「老祥記(ろうしょうき)」。1915年(大正4年)創業、「元祖豚饅頭」の称号を掲げる、南京町の代名詞的な存在です。
2024年5月現在、イートインサービスは終了し、豚まんはテイクアウトのみの販売となっています。
店前は一見空いてるように見えても、通路を挟んで何列にもわたってお客さんが並んでいるので、時間に余裕をもって行くのがおすすめ。比較的混雑の少ない10:30〜11:30、17:25〜18:30が狙い目です。
特に混雑する土日や定休日は、広場を挟んで向かいにある「曹家包子館(ソウケパオツーカン)」でも「老祥記」の豚まんが購入可能です。
・一世紀続く、伝統の豚まん
創業以来、4代にわたって引き継がれてきた伝統の豚まん。中国・天津地方の「天津包子(テンチンパオツー)」と呼ばれる饅頭が起源で、味・名称ともに日本人に馴染む物にしようと初代創業者が考え、現在の豚まんが生み出されたそう。
豚まんの要となるのは、生地発酵に使われる麹(こうじ)。
麹菌は風土や環境の影響を受けやすいため、一般的にはイースト菌を使うところが多いところ、同店では麹にこだわり、やわらかな甘酸っぱさを感じる生地に仕上げています。
さらに麹は消化がよく、胃もたれしにくいのが、ついつい食が進んでしまう秘密です。
豚肉はちょっぴり荒めにミンチして、歯応えのある食感にしているのがポイント。風味を引き立てるため、青ネギを使うのも老祥記流。味付けは醤油でシンプルにまとめることで、肉のうま味と麹の甘みが最大限に引き出されます。
生地を捏(こ)ねるのは創業以来変わらず手作業で一貫。1人前になると、1分間に13個もの豚まんを包むのだとか。肉の繊維をつぶさないように、やさしく丁寧に包むことで、ふっくらもちもちの豚まんが完成します。
・購入は6個または10個単位で♪
豚まんは、6個(600円)または10個(1,000円)単位でオーダー可能。冷蔵で2〜3日、冷凍で1週間ほど保存可能とあって、何十個とまとめ買いするファンもいるとか。
できたては肉汁があふれ出るほどジューシー!店頭で割り箸が提供されているので、南京町の雰囲気とともに、熱々ホクホクのおいしさを味わって♪
自宅で食べる際は、強火で10分蒸すことで、できたての味が蘇ります。ちょっぴり多めの油で焼いて、揚げ焼きのようにしてもGOOD!ビールともベストマッチです。
つけダレは醤油・酢・一味唐辛子を混ぜ合わせたり、マヨネーズに少し醤油を混ぜたり、好みに合わせて試してみて。
一世紀にわたって神戸の地で愛されてきた「老祥記」。太平洋戦争や神戸大空襲、阪神・淡路大震災など数々の困難を乗り越え、ときには炊き出しを行うなどして地元の人々とともに歩んできました。
おいしさの秘密は、伝統の製法とこだわりの素材のみならず、お客さんからのたくさんの愛情が何よりもの“うま味”になっているのかもしれませんね。
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年5月24日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。