JR播州赤穂駅から南へ徒歩3分ほどのところに、2023年10月28日にオープンした「菓澄想(かすみそう)」。国産米粉100%と奄美大島の素焚糖(すだきとう)、九州産の「高千穂バター」など、国産かつ体に優しい素材にこだわって作るグルテンフリーのお菓子が自慢です。“1個食べてちょうどいい味と大きさのバランス”を考えて作られた同店のケーキは、どれも店主の思い通り、軽いのに心もお腹も満たされるボリューム。ここでしか味わえない“感動の口溶け”もぜひ体感してみて。
・米粉の洋菓子店「菓澄想(かすみそう)」
2023年10月28日、JR播州赤穂駅から南へ3分ほど歩いたところに米粉の洋菓子店「菓澄想(かすみそう)」がオープン!
京都や神戸、大阪のパティスリーを経験し、10年もの下積み時代を経て独立を決意したという赤穂出身のパティシエが営みます。早々に完売したり店の前に行列を作ったりと、開店して早3カ月ですでに人気が広まり、赤穂のケーキ店における期待の新星として注目されています。
数々のお店でパティシエとしてお菓子を作る中で、「小麦や卵を使っていないケーキはないですか?」と聞かれることが多かったそう。“体に優しいケーキ店”の必要性を感じ、地元である赤穂に米粉スイーツ専門のケーキ店を開くにいたりました。
店名の「菓澄想」にあるそれぞれの漢字は、「菓」はパティスリー、「澄」は体への優しさ、「想」はお客さんへの思いやりを意味し、店主が手がける“心と体に優しい米粉のお菓子”を表現しています。
スタイリッシュなグレーの壁にナチュラルな木を合わせた洗練された雰囲気を醸(かも)し出す店内には、店主自慢の焼き菓子やケーキがずらりと並びます。スイーツはもちろん、スイーツを引き立てる空間づくりにもこだわりが尽きず、ペンダントライトの位置や厨房が見える格子窓、ドライフラワーなど、店主のセンスが光ります。
・シンプルにして至高の『米粉シフォンケーキ』
『米粉シフォンケーキ』918円
米粉スイーツ=もっちりとした力強い弾力を想像する人が多いのでは?そんな概念を覆すのが同店の『米粉シフォンケーキ』です。新潟県産の米粉や奄美大島の素焚糖(すだきとう)、米油など、シンプルな材料のみで作ったシフォンケーキは、“しっとり”を超えて“とろん”とした口当たりが魅力。その口溶けの良さに感動を覚えるほかありません。
自立するものの、手に持つと今にも崩れてしまいそうな絶妙なやわらかさの裏側には、「シンプルなスイーツだからこそ何度も改良を重ねました」と語る店主のたゆまぬ努力が。米粉の香りととろけるような口溶けがそっと心を包み込む優しいシフォンは、直径約14cmと小ぶりで、一人でもペロリと食べ切れるサイズ感もうれしいポイントです。
・日々に寄り添う「菓澄想」の生ケーキ
『季節のショートケーキ』562円 ※提供は12月~GWごろ
常時7種類ほどが並ぶショーケース内の生ケーキは、旬のフルーツを取り入れたものを中心にラインアップ。定番のショートケーキも季節ごとにフルーツが変わり、取材日は完熟イチゴを使ったイチゴのショートケーキが並んでいました。
同店のスポンジケーキは、一般的なケーキ店で使われるグラニュー糖や粉糖といった精製された白い砂糖ではなく、未精製の素焚糖。そのため、ほんのり茶色く色付いているのが特徴です。その味わいは驚くほど優しく、体にすっとなじむような控えめな甘さ。だからこそ、フルーツの風味や純生クリームのコクが引き立ちます。
『いちごのチーズケーキ』519円 ※提供は1月末~GWごろ
チーズケーキも季節によってフルーツが変わり、一期一会。主役のフルーツは産地や品種を絞らず、市場でその日一番おいしそうなものを数種類仕入れ、日によっては2種類以上を組み合わせて使うこともあるそう。
取材日は「あまおう」と「さがほのか」を使った『いちごのチーズケーキ』が登場。搾りたての生乳のようなコクとミルキーな味わいを持ちつつ、塩味が控えめな九州産のクリームチーズを使用し、米粉をほとんど使わないで焼き上げたという贅沢なケーキです。湯煎焼きでじっくりと時間をかけて焼き上げるのもポイント。しっとりと滑らかな口当たりがたまらない一品です。
『モンブランタルト』594円
同店のタルトは、8号(直径約24cm)サイズの大きなタルト型で焼いているので目を疑うほどボリューミー!大きくても女性が1人で食べきれるような軽さを求めて、特に素材のバランスや甘さにこだわったと言います。
厚みのあるダマンドは米粉を一切使用せず、アーモンドプードルと「高千穂バター」をふんだんに使った贅沢極まりない配合。鼻の奥にまで届くような香ばしいアーモンドの香りとほどよいやわらかさが特徴で、無糖の純生クリームやマロンクリームと相性抜群です。フランス産と和栗、2種類の栗のペーストを使うのも“菓澄想流”。深みのある味わいに心が奪われること間違いなしです。
・米粉と「赤穂の塩」を組み合わせた焼き菓子も
『赤穂の塩バターフィナンシェ』270円
ショーケース横のカウンターの上に所狭しと並ぶ焼き菓子は、季節限定のものも含めておよそ10種類がスタンバイ。フィナンシェやサブレ、パウンドケーキなど、日持ちのするものがほとんどで、手土産にもおすすめです。1個からプチラッピングが可能で、袋や箱も各種用意(※有料)しているので気軽に声掛けを。
「赤穂名物の一つになれば」との思いで誕生した『赤穂の塩バターフィナンシェ』は、「赤穂の塩」をアクセントに取り入れた塩味のフィナンシェ。芳醇なバターの香りの後に続くまろやかな塩味がクセになり、思わず手が止まらなくなるおいしさです。
『サブレ プレーン(2枚入り)』195円
グルテンを持たないことからクッキーに不向きとされる米粉を使い、何十回と試行錯誤を重ねた『サブレ』にも注目を!小麦粉を使っていないことが信じられないほどにサックリ、そしてホロッとほどけるような食感が魅力で、甘さと塩味のバランスも絶妙。感動のあまり、誰かに配って自慢したくなるかも!?一袋195円とリーズナブルなので、ぜひ一袋からお試しあれ♪
大好きなカスミ草の名に体への優しさやお客さんへの思いやりを込めた「菓澄想」。「カスミ草が花々の中で名脇役であるように、菓澄想のお菓子がお客様の日々を引き立てられたら」と店主は語ります。その思いをお菓子で綴(つづ)った優しい米粉のお菓子を求めて、赤穂に足を運んでみては。
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年2月5日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。