山陽電鉄別府駅から北へ徒歩約10分、住宅街で赤色の一軒家が一際目立つのは「中国茶台湾茶専門 茶室beni(ベニ)」。店主親子が本場の味をそのまま再現した薬膳ランチや台湾中心にスイーツを楽しめます。店主が歴史ある茶器で淹(い)れる中国茶や台湾茶は、現地の農家から仕入れた茶葉を使用。まるで現地に訪れたかのような異国情緒あふれる雰囲気の中、本場グルメやお茶を心行くまで堪能してみませんか?
・「中国茶台湾茶専門 茶室beni(ベニ)」
住宅街の中、華やかな赤色とレンガがひときわ目立つ「中国茶台湾茶専門 茶室beni(ベニ)」。中国生まれで中国茶師の資格を持つ紅(ベニ)さんが2016年に創業した中国茶と台湾茶の専門店です。現在は調理師資格を持つ息子さんが店主となり、親子二人三脚で切り盛りしています。
山陽電鉄別府駅から北へ約10分と公共交通機関でもアクセスしやすく、おひとり様からグループまで、さまざまな人に利用されています。
イートインスペースは3部屋で展開。部屋ごとにアンティークなテーブルや、中国茶器に囲まれたカウンター席など、さまざまな雰囲気を楽しめます。個室も2部屋あるので、思い思いの時間が過ごせます。
グループでの利用はソファー席の部屋がおすすめ。家族で食事や一家団らんのひとときを楽しむもよし、友人と和気あいあいとおしゃべりしながらお茶をいただくのもよし!
店主の母・紅さんが現地で直接厳選して購入してきた茶葉や茶器などがずらりと並ぶ商品棚も要チェック。紅さんが茶葉を一袋ずつ丁寧にパッキングし、商品説明を日本語に直したシールを貼り付けているそう。商品で分からないことや聞きたいことがあればスタッフに気軽に声がけを。
同店では、オンラインのお茶教室(5,000円)なども開催しています。本格的に淹れ方などを学んでみたい人はチェックしてみて。➡︎公式Instagramはこちら
・飲めば飲むほどどっぷり浸かる!中国茶と台湾茶の“沼”
中国茶や台湾茶は約40種類もある茶葉をそれぞれに適した茶器や、中国茶の作法“茶芸”で淹(い)れてもらえます。
茶壷(ちゃぷう)という急須を使って、茶葉を抽出する様子は特に見逃せません。コポコポと注がれる音に、出来上がりを待つ胸が高鳴ります。一口飲めば格別な香りや味わいがするのは中国茶ソムリエ認定を持つ店主の手腕があってこそ。お湯のおかわりは、何杯でも無料なので、思う存分、お茶の魅力に浸ってみて。
『お茶セット(ジャスミン茶)』850円
同店では本場と同じく、茶菓子と一緒にお茶をたしなむことができます。
取材日は、中国茶と台湾茶が初めての人も試しやすいという『ジャスミン茶』をチョイス。香り高いジャスミンの花と緑茶をブレンドした華やかな香りが魅力の中国茶です。
同店では蒸らす工程を30秒~1分ほどと短くすることでクセや渋みをおさえ、飲みやすい味わいに仕上げているのがポイント。リラックスしたいときや集中力を高めたいときにおすすめです。
『お茶セット(鳳凰単叢 蜜蘭香)』850円
名前からも風格が漂う『鳳凰単叢 蜜蘭香(ほうおうたんそう みつらんこう)』。淹れた瞬間、明るい色合いと甘い香りが人々を夢中にさせます。
中国湖州に広がる大自然の山・鳳凰山で育った茶樹から採った茶葉を、現地の茶農家が昔から変わらず手作業でお茶にしているそう。蘭の香りとマスカットのようなフルーティーな風味が感じられます。
『お茶セット(東方美人)』850円
台湾茶で一番人気なのは『東方美人茶(とうほうびじん)』。その昔、お茶の虫「ウンカ」が茶葉をかじったのがきっかけで誕生したことから、現地では“奇跡のお茶”ともいわれています。
果実と蜜のような濃厚な甘さと、名前の通り美人を連想させるような上品な香りが魅力。一口飲めば虜(とりこ)になるはず。
「中国茶と台湾茶の主な違いは、歴史や産地、製法にあります」と店主。ぜひ飲み比べて、色合いや味わい、茶菓子との相性を楽しんでみて。
中国と台湾で有名なお菓子を一皿に集めたお茶菓子。なつめやひまわりの種、松の実、麩(ふ)菓子など、『お茶セット』で本場に訪れたかのような雰囲気をより堪能できます。
中国茶・台湾茶は、店頭のほか、オンラインショップでも販売しているのでお気に入りが見つかれば購入を。➡︎オンラインショップはこちら
・身も心も温まる薬膳(素食)料理
『薬膳粥(選べるお茶とデザート付き) 』2,500円 ※要予約
中国料理や薬膳料理を学んだ店主親子が腕をふるうランチにも注目です。メニューは、高級な『薬膳ランチコース』(5,000円)や比較的リーズナブルに楽しめるものまで3種類がラインアップ。料理は、基本的に肉を使わず、中国・台湾で「ヴィーガン」を意味する「素食(そしょく)」スタイルを貫き、日本人の舌に合わせて作られています。
『薬膳粥』は、日替わりのおかずが6種と汁もの、さらにデザートまでセットになった、ボリューム満点のランチです。主役の薬膳粥には、加古川市稲美町の玄米とハトムギ、ハスの実、オニバスの実、干した山芋などを使用。かめばかむほど、穀物の香ばしくやさしい甘みが口の中に広がります。
スープは中国の味噌汁。日本の味噌汁とは違った新たな風味と出合えます。テンメンジャンや豆味噌、台湾の出汁(だし)、四神唐(しじんとう)などで存分に引き出した奥深いうま味にやみつきになりそう。
取材日のメインのおかずは、本場の調理で皮から作った蒸しギョーザ。ショウガやシイタケ、大根などの具がぎっしり詰まっています。中の具材だけでなく、モチモチの皮までショウガの利いた味わいが薬膳粥にぴったり!
メインは、大豆コロッケや肉不使用の素食版ジャージャー麺など、日によって異なるので訪れてからのお楽しみに♪
メイン以外のおかずもこだわりが満載。麻婆豆腐はピリッとした辛さがクセになります。
このほか「小松菜とキクラゲのあんかけ炒め」、「カボチャの煮物」など、野菜が主役の多彩な小鉢を用意。どれも素材本来の味を壊さないよう、調理や味付けに工夫が施されています。
食後はお好みのお茶と一緒にデザートを味わい、ひと息ついて♪取材日は、台湾の国民的スイーツといわれる「豆花(トーファ)」が登場。
つるんと口当たりなめらかな豆乳を冷やし固めたものに、黒糖タピオカやクコの実、バジルシードなど、台湾ならではの素材をトッピングしたヘルシーなスイーツです。モチモチ食感や優しい甘みでお口直しを。
『薬膳カレー』1,500円 ※要予約
食欲が低下しがちな暑い夏におすすめなのが、スパイスの利いた『薬膳カレー』。福神漬けの代わりに「ショウガとキクラゲのつくだ煮」が添えられた、日本ではちょっぴり珍しいカレーを楽しめます。
柑橘系の陳皮(チンピ)やトウキ、西洋ニンジン、トマトなどが入って具だくさん!玄米との相性も抜群で、野菜たっぷりでヘルシーながらお腹が満たされます。
中国や台湾の本場のお茶と薬膳料理が楽しめる「茶室beni」。専門店ならではのこだわりや魅力がたくさん詰まっていて、何度でも訪れたくなります。そろそろ肌寒くなる秋。独特な香りや風味の利いた中国茶・台湾茶と薬膳料理の“沼”にどっぷりと浸ってみませんか?
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年8月27日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。