神戸市灘区、阪急六甲駅から北へ7分ほど歩いたところに、2023年4月12日に神戸山本通から移転オープンした「KOUJI Labo.PARTAGE(コウジラボパタジェ)」があります。看板商品は、オリジナル甘糀(こうじ)“生糀”を使ったパン。カフェ限定で、“生糀”を使ったランチやスイーツ、ドリンクなど、糀尽くしの体に優しいメニューも豊富にスタンバイしています。公式オンラインショップでパンやオリジナル商品の販売もしているので、遠方の人もぜひチェックして♪
・「KOUJI Labo.PARTAGE(コウジラボパタジェ)」
神戸市灘区、阪急六甲駅から歩いて7分ほど北上したところにある一軒家カフェ&ベーカリー「KOUJI Labo.PARTAGE(コウジラボパタジェ)」。白い塗り壁と格子窓が設えられた洋館チックな建物がひときわ目を引きます。
同店は、須磨離宮公園にある人気カフェダイニング「Garden PARTAGE(ガーデンパタジェ)」の姉妹店。レストランで提供していた「糀(こうじ)パン」がおいしいと話題になり、2020年から大丸神戸店のポップアップ販売をスタート。翌年2021年3月には神戸山本通に工房を構え、生糀パン専門店として神戸の町で愛され続けてきました。
そして2023年4月12日、縁あって六甲にあるこの古民家に場所を移し、リニューアルオープン!移転を機にカフェを併設し、生糀を使った食事やスイーツの提供も始まりました。
https://koberu.com/cafe/123476/
2つの家屋が隣接し、ショップスペースとカフェスペースに分かれています。入店して最初に足を踏み入れるのが、ショップスペースがあるレトロな洋風古民家。家主さんの話によると、ニュージーランドにあった古民家をパーツごと日本に運びこみ、現地の職人に移築してもらったそう。日本離れしたおしゃれな空間に入った瞬間、まるで絵本の中に迷い込んだかのような感覚を覚えます。
このショップではカフェ利用客以外も買い物が楽しめるので、ベーカリーとしても立ち寄ってみて。朝から昼過ぎまで絶えず焼き続けているので、午後に来店しても完売することはなさそう。箱に入った焼き菓子やショーケースに並ぶスイーツは、手土産にもぴったりです。
ショップの奥にある扉を抜けると、緑豊かなガーデンテラスが。四季折々の景色に癒やされながら、優雅なティータイムを満喫することができます。テラス席はペットの同伴もOKなので、愛犬や愛猫とも一緒に食事が楽しめます。
ガーデンを抜けてさらに奥に進むと、和洋の文化が融合したクラシカルな雰囲気が魅力的な古民家が。築80年以上の古民家とアンティーク家具が醸(かも)し出す風情が、空間全体に漂います。お気に入りのチェアに腰かければ、大正時代や昭和初期にタイムスリップした気分に浸れそう。
和室をリノベーションした純和風な席も。控えめに明かりが灯るムーディーな空気感にほっと心が落ち着きます。席からちらっと見える庭園を眺めながら、ゆっくりと食事を楽しんで。
・オリジナルの“生糀”を使った「糀パン」
看板商品は、“生糀”を使った「糀パン」。生糀とは、 米の生産者や農法までこだわる「ハッピー太郎醸造所」の池島氏に、オリジナルで製造してもらっている甘糀のこと。あえて“甘糀”ではなく“生糀”とうたっているのは、菌を殺さないギリギリの温度帯で発酵しているからだそう。甘酒のようなお米本来の自然な甘さが際立つ優しい味わいが魅力です。
同店のパンは、自慢の生糀をたっぷりと使用しているのがこだわり。北海道十勝産の小麦粉や水、自然塩、少量のパン酵母など、シンプルな材料で糀の味わいを最大限に引き出します。卵や乳製品、オイルなども一切使っていないため、アレルギーを持っている人や食事制限をしている人、健康志向な人まで、食事に気を遣っている人からも愛されています。
左から『プレミアム生糀パンミニ(3個)』500円、『プレミアム生糀パンGRANDE』864円
まず最初に食べてほしいのが定番人気の『プレミアム生糀パン』。食べきりサイズの「ミニ」と食パン型の「グランデ」の2サイズを用意しています。魅力はなんといってももっちりとした食感。歯を弾き返すほどの弾力があり、噛めば噛むほど小麦の風味と糀の甘みが口いっぱいに広がります。軽くトーストしてもなお、もちもち感が続くから驚き。素朴な味わいは、バターともよく合います。
『全粒粉100% 生糀パンGRANDE』864円
「闘病中で精製した材料を避けているから、全粒粉を使ったパンを作ってほしい」とのお客さんの声から生まれた全粒粉100%のパンも人気。全粒粉は小麦粉よりも重く、配合が多いと仕上がりが硬くなったりパサつきやすくなるため、小麦粉とブレンドするのが一般的な使い方。ですが、同店では糀の力を合わせることで、全粒粉100%でも皮はしっかりと厚めに、中はやわらかくもっちりとした理想の仕上がりに。全粒粉の豊かな風味を、一口一口じっくりと噛みしめて。
『黒豆生糀パン』各378円
子どもに人気の『黒豆生糀パン』は、生糀パンに北海道産の黒豆がたっぷり入った一品。黒豆の優しい甘さと粒感がアクセントになり、3時のおやつにもぴったり♪豆が入っている分食べ応えもあるので、切り分けてシェアするのもGOOD!
『プレミアム生糀パン』や『全粒粉100% 生糀パン』は、公式オンラインショップで購入することもできるので、遠方の人はぜひチェックしてみて♪ ➡︎公式オンラインショップはこちら
・2023年6月から糀ランチがスタート!
『糀ランチセット(特製スペアリブ)』2,420円 ※要事前予約
2023年6月から完全予約制でランチの提供がスタート!パンだけでなく、スープやサラダのドレッシング、メイン料理など、細部に至るまで生糀を使った“生糀尽くしの糀ランチ”が味わえます。予約優先なので、事前に予約フォームで予約をしてから来店するのがおすすめ。➡︎予約フォームはこちら
「腸に優しい糀パンを体に優しい料理と一緒に味わってほしい」との思いで、ランチセットの内容は野菜が多めでヘルシー。無農薬やオーガニックの野菜を中心に使い、味付けには生糀を使うことで砂糖を減量するなど、素材選びから調理法まで体への思いやりが尽きません。
メインは「特製スペアリブ」「魚料理」の2種類がスタンバイ。「特製スペアリブ」は、国産豚のスペアリブを生糀に一晩以上漬け込み、低温でじっくりと火を通した手間暇かかった一品です。糀が持つ酵素の力と低温調理により、ナイフを入れた瞬間にスッと骨から肉が離れるほど身がほろっとやわらかく仕上がっています。フルーティーなバルサミコ酢や生糀クリームチーズを交互に付けながら召し上がれ。
ランチに付く「セイロでほかほか糀パン」は、『プレミアム生糀パン』と『全粒粉100% 生糀パン』、『ハーブ入り生糀パン』の3種類を、ちょっとずつ同時に味わえるのがうれしいポイント!「冷めても硬くならず、持ち前のもちもち食感を長く楽しんでもらえるように」と、同店ではセイロで蒸して温め直しているのがポイント!セイロのふたを開けた瞬間に香る糀と小麦の甘い香りに、食欲がそそられます。
シンプルな『プレミアム生糀パン』と『全粒粉100% 生糀パン』は、野菜や肉、魚など、どんな食材にも合う優れもの。お皿に残ったソースやドレッシングをぬぐって食べるのもおすすめです。一方の『ハーブ入り生糀パン』は、鼻から抜けるハーブの香りに夢中になる風味豊かな一品。食事の合間の口休めにもよさそう。
『スパイスカレーと糀パンのセイロ蒸プレート』1,650円
小食の人や、ランチは軽めに済ませて食後にスイーツも楽しみたいという人は『スパイスカレーと糀パンのセイロ蒸プレート』(1,650円)や『スープと糀パンのセイロ蒸プレート』(1,320円)がおすすめ。どちらも「自家製糀ドレッシングのサラダ」と「セイロでほかほか糀パン3種」が付き、野菜も糀もしっかり摂れます。
スパイスカレーは、25種類以上のスパイスをブレンドして作った本格派。ピリッと辛いカレールゥの中に国産合い挽きミンチや野菜がゴロゴロと入っていて、うま味と辛さがギュッと詰まっています。刺激的な辛さには生糀がぴったり!生糀を入れて甘さをプラスしながら、スパイシーな味わいを堪能して。
大人向けのメニューのほか、8歳ごろまでの子どもを対象にした『スープと糀パン』(660円)もあるので、子連れでもゆっくりランチが楽しめますよ。
座敷 | × | 子ども用イス | × | おむつ替え | × |
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個室 | △ | 離乳食持ち込み | ○ | 禁煙 | ○ |
ベビーカー入店 | ○ | キッズメニュー | ○ | 喫煙 | × |
子ども用食器 | ○ | 授乳スペース | × | – | – |
・自然な甘さが心を満たす「糀スイーツ」
左から時計回りに『米粉とイチジクのファーブルトン』、『生糀とはちみつのバスクチーズケーキ』、
『平飼い卵「うちゅうの夜明け」の生糀プリン』各660円
カフェスイーツにも生糀が満載。砂糖不使用のスイーツもありますが、砂糖を使用するときは、精製されたグラニュー糖や上白糖ではなく、体への負荷が少なくミネラル豊富なきび砂糖を選んでいるそう。
『米粉とイチジクのファーブルトン』はフランス・ブルターニュ地方に伝わる田舎菓子。本場では小麦粉や牛乳、卵、砂糖のみで作りますが、同店では小麦粉の代わりに自然栽培米100%の米粉を使用し、中に無農薬のドライイチジクを入れているのがポイント。口当たりよく甘さ控えめで、食後でもペロリと軽く完食できそう。
『生糀とはちみつのバスクチーズケーキ』660円
須磨離宮公園の純国産生ハチミツと生糀、きび砂糖を使った体に優しいバスクチーズケーキにも注目を!シンプルな分、百花蜜ならではの華やかな香りが際立ち、飲み込んだ後もほんのり余韻が残ります。口当たりよく舌触りも滑らかで、小さい子どもも喜びそう。
『平飼い卵「うちゅうの夜明け」の生糀プリン』660円
砂糖を一切使わず、生ハチミツと生糀の甘さのみで仕上げたプリンは、「闘病中の人や食事制限をしている人にも、スイーツを食べる楽しみを届けたい」という店主の優しさが込められた一品。京都府美山町で育てられた平飼い有精卵「うちゅうの夜明け」が惜しみ無く使われていて、卵本来のコクやおいしさがダイレクトに楽しめます。
まず一口目はそのままの味を確かめて。二口目は底に沈んだカラメルと一緒に、三口目以降はカラメルと混ぜ合わせたり、「生糀おからグラノーラ」を加えたりと、一口ずつアレンジをしながら食べるのが通な食べ方。自然素材が調和したナチュラルな味わいが、体と舌にすっとなじみます。
『生糀ソーダ』660円
ドリンクメニューも、糀や酵素、自家製といった健康志向なメニューが充実しています。中でも『生糀ソーダ』が人気No.1!生糀を炭酸で割り、皮ごとスライスしたノーワックスレモンを浮かべた涼やかな一杯です。「夏でも糀を楽しめるドリンクを」と、甘酒をヒントに店主が考案したんだとか。レモンの爽やかな酸味と生糀のまろやかな甘さが、シュワッと弾ける炭酸と共に体をリフレッシュさせてくれます。暑さや疲れでバテているときこそ、糀パワーをチャージして♪
「糀を日ごろの食生活に取り入れ、腸に優しく体を健やかに」という「日々(ひび)・是(これ)・糀(こうじ)」という思いのもと、日々、生糀を使った新しい食事を研究し続ける「コウジラボパタジェ」。同店をきっかけに、“糀のある暮らし”を始めてみては。
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2023年6月18日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。