神河町の山あい、オオサンショウウオが生息する清流・越知川のほとりに、2018年4月にオープンした「Cafe Salamander(カフェ サラマンダー)」。築65年の建物を改装した、地元小学校の元校長先生が営む地域に溶け込む憩いのカフェです。あたたかさと個性があふれる店内では、ゆったりとした時間を過ごせます。
築65年の建物をリノベーションしたカフェ
清流・越知川が流れる神河町の山あいにある「Cafe Salamander(カフェ サラマンダー)」。2018年3月まで地元小学校の校長先生を務めていたマスターが、3年前から準備を重ね、4月28日にオープンしました。
森林組合の事務所として使われていた築65年の建物を、当時の面影を残しながらリノベーション。少し歪みのある窓ガラスや木のぬくもりのある床など、趣が感じられます。
ただのカフェじゃない!?オオサンショウウオがいっぱい!
入口の扉には、特別天然記念物として知られるオオサンショウウオのデザインが。店内には、オオサンショウウオをモチーフにした置き物や雑貨が並んでいます。
実はマスターは現役時代からオオサンショウウオが好きで、退職後は、オオサンショウウオが生息するこの越知川付近に観察拠点を持ちたいと考えていました。せっかくなら地域の人が立ち寄れる場をつくりたいと思い、カフェをオープンしたのだとか。
店名の「サラマンダー」は、オオサンショウウオの英名「ジャパニーズジャイアントサラマンダー」からつけたもの。越知川が流れる地域・越知谷(おちだに)のことを地元では「おったに」と親しみをこめて呼んでいて、「サラマンダー」は、そんな越知谷地域一帯を調べる「おったに研究所」でもある、個性あふれるカフェなのです。
4つのトーストが楽しめる『ずっとモーニング』
『ずっとモーニング』ドリンクつき400円(単品では200円)
開店から1日中オーダーできる『ずっとモーニング』は、トーストとスクランブルエッグ、サラダにフルーツがついて200円。ドリンクをつけても400円と、とってもお得。地域の人が気軽に足を運べる場所にしたいからと、良心的なお値段に。
トーストは、小さな子どもやお年寄りでも食べやすいよう、また、いろいろなトッピングが楽しめるよう4等分にしています。トッピングは気まぐれで、取材日はマヨネーズと地元の地域活性化団体が作ったとう菜の漬物をのせた変わり種も。
サラダの野菜は自家栽培や地元のものを使っています。
ハンドドリップで丁寧にいれたコーヒーは、苦味が少なくすっきりした味わい。うれしいことに、ポットでおかわりがついてきます。
リーズナブルな『ドライカレー』とふんわり自家製『ワッフル』
『ドライカレー』500円
『ドライカレー』は500円とは思えないボリューム。普段の食事ではあまり食べない、ちょっとハイカラなものを食べてもらいたいと、ランチメニューをドライカレーにしたそう。ほどよくパラッと炒めたカレー味のごはんに、レーズンの甘みがアクセントになっています。
『ワッフル』200円(ドリンクつき400円)
アイスが添えられた『ワッフル』は、ふんわりとした食感。自家製で、ひとつひとつ丁寧に焼いています。
地域の人が旬の食材をおすそわけしてくれることもあり、ブルーベリーでジャムを作ったり栗を渋皮煮にしたりして、ワッフルに添えることも。
ほっとひと息つける憩いの場
教師生活最後をこの地域で過ごしたマスター。新任の頃にも勤めた学校だったため、校長として戻ってきたとき、教え子や地域の人が「おかえり」と迎えてくれたそう。ここでカフェを開こうと決めたいちばんの決め手は、そのあたたかい声だったといいます。
「先生」と慕って訪れるお客さんも多く、地域の憩いの場になっている「サラマンダー」。駄菓子コーナーもあり、子どもたちが集まるとにぎやかな声が響きます。
地元でもそうでなくても、知り合いでも知らない人どうしでも、ほのぼのとあたたかい空気が流れる「サラマンダー」では、自然と会話が飛び交います。
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2018年10月5日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。