兵庫県明石市のご当地グルメといえば、ふわふわとろとろの「明石焼」。明石市内には70店舗もあると言われています。お店によって生地のこだわりやだしの味わいもさまざま。中でも親子代々継がれる老舗や、行列ができる人気店を厳選して紹介します!混み合う時間帯やテイクアウトの情報も紹介しているので、事前にチェックして訪れてみて。
◆ 兵庫のソウルフード「明石焼」って?
●「明石焼」と「たこ焼き」の違い
明石焼(玉子焼) | たこ焼き | |
具材 | たこのみ | たこ、こんにゃく、紅ショウガなど |
食べ方 | だし汁につけて | ソースをかけて |
鍋 | 銅板 | 鉄板 |
焼き方 | 箸で数回返す | 串で何度も返す |
盛り付け | あげ板にのせる | 舟に入れる |
明石焼(玉子焼)はたこ焼きと違って、小麦粉だけでなくじん粉(小麦粉からでんぷん質のみを取り出して精製したもの)も加えます。じん粉を加えることで、トロっとした生地に仕上がるのが明石焼の特徴です。また、「玉子焼」という名の通り、生地には多くの卵が使用されています。
●「明石焼」のルーツ
「明石玉(模造珊瑚)」
天保年間(1831年~)、べっ甲細工師・江戸屋岩吉が和服の袖にある袂(たもと)に卵を入れていたところ、その卵が割れて卵白が固まったのをヒントに、卵の白身を接着剤として作られた「明石玉(模造珊瑚)」が誕生しました。
かんざしや装飾品に使われ人気だった「明石玉」を作る過程で余った卵の黄身がもったいないと、小麦粉と目の前で獲れるたこを入れて作られたものが、「明石焼」のはじまりと言われています。明石焼を商売として始めたのは大正時代で、向井清太郎氏が樽屋町で屋台を引いて販売していたそう。
●「明石焼」の魅力
卵の風味豊かなふわふわトロトロトロの生地にコリっとしたたこの食感が楽しめ、だしにつけて食べると上品な味わいが口いっぱいに広がります。明石市内には約70軒の明石焼店があるそう。だしや具材、抹茶塩やソースのトッピングなど、店ごとに違ったこだわりがあるので、明石へ訪れたら明石焼をハシゴしてみるのもおすすめ!
明石観光協会のHPでは、明石市内の明石焼店を紹介しているほか、冷凍の明石焼やたこ焼き用ホットプレートで作れる『あかし玉子焼粉セット(つけだし汁付)』(540円)も販売。おうち時間に明石焼を焼いて楽しんでみては。
➡︎明石観光協会HPはこちら
1.ふなまち
『玉子焼き』800円
地元の人を中心に長年親しまれている有名店「ふなまち」。約50年にわたり販売されている『玉子焼き』は、地元の人のソウルフードになっています。
創業当時から引き継がれる、小麦粉とじん粉をブレンドした生地はふわっふわ。カツオと昆布の濃いめのだしにくぐらせると、卵のまろやかな味が引き立ち、一口食べると箸がとまりません!アツアツの明石焼のお供には、冷たい『明石サイダー』(300円)がおすすめです。
銅鍋に生地を注いだ後は、生地が焦げないように回転させながら手を頻繁に動かし、じっくり丁寧に焼き上げます。片手に板、もう片手に銅板を持ち、焼きあがった明石焼をポンっと移す動作が見事!出来上がりを待つ間は、プロの技をじっくり見てみて。
店内は、2つのテーブルに10席。テーブルの上には、ソースなどの調味料が並びます。明石焼は20個入りなので、調味料を付けて味の変化を楽しんで。塩だけで味わう人も多いそう。
場所は、JR明石駅から徒歩約15分。週末は90分ほど待つこともある人気店です。地元の人に愛され続ける老舗の味を一度味わってみて。
●混み合う時間帯 平日の10:30~15:00、土・日曜、祝日の終日
●狙い目の時間帯 平日の15:00〜17:00
●テイクアウト 予約なしの場合は1時間以上待つ場合があるため、予約がおすすめ。受け取りの1週間前から予約可。店頭受け取り。
■DATA
2.明石焼き ゴ
『明石焼き(タコ)』15個 730円/10個 630円
※テイクアウトは商品によって金額が異なります
自慢の明石焼は、だしが効いていてふわふわトロトロ。中にはプリプリの明石だこが入っています。明石沖の潮流の速い海で育ったたこは、弾力ある歯ごたえと旨みが特長。生地には新鮮な卵とじん粉を100%使用しているので、冷めても固まりにくく、時間が経ってもプルプルです。
だしはシンプルにカツオと北海道産の昆布でとった合わせだしで、あっさり優しい味。お好みで三つ葉を浮かべていただきます。生地にしっかりだしが効いているので、まずはそのまま味わってみて。
明石焼の具はたこのほか、穴子やエビ、チーズ、すじこんなど全10種類と豊富なラインアップ。家族や友達といろんな種類を注文してシェアするのもいいですね。
明石焼き入りうどん『GOスペシャル』800円
うどんと明石焼が一緒に味わえるオリジナルメニュー『GOスペシャル』もおすすめ。明石焼とうどんに和風あんかけがよく絡み、相性抜群です。『明石焼き』と一緒に注文して、追加でトッピングしたり、アレンジするのも楽しそう♪
明石焼は年季の入った銅鍋で一個ずつ丁寧に焼き上げています。ふわふわの生地なので、菜箸で素早く返すのがポイントなんだそう。きれいな焼き色がついたら、あげ板にひっくり返し、できたてアツアツで運ばれてきます。
壁には難読漢字がずらり!その数、598単語もあり、全ての読み方を正解すると明石焼が1年間無料になります。何度も訪れて挑戦する人や、初めて訪れて全問正解した強者もいるそう。
注文後にもらえる漢字テストで6問以上正解すると、会計が割り引きになるユニークなサービスも。焼き上がりまでの時間も楽しめそうですね。
店内にはカウンター4席や5人掛けのテーブル2つのほか、座敷もあります。子連れでも落ち着いて食事ができそう。
創業2002年の「明石焼き ゴ」は数々のメディアでも紹介される人気店。JR明石駅から徒歩7分、「魚の棚商店街」の西側を抜けてすぐのところにあります。店名の由来は、オーナーのニックネームからとったそう。
明石焼は持ち帰り可能なので、電話予約しておくとできたてを受け取れますよ。
●混み合う時間帯 11:00~15:00
●狙い目の時間帯 15:00〜20:00
●テイクアウト 予約がおすすめ。店頭受け取り。
■DATA
3.玉子焼専門店 松竹
『玉子焼』800円 ※テイクアウトは880円
「松竹」の『玉子焼』は、こんがりと焼き上げた生地が特徴。卵の大きさによって、水を加えたり塩加減を調整したりと、毎回微妙な調整を行い、中のとろりとした食感を実現しています。外の香ばしさと、甘味のあるとろとろ生地がやみつきに!2~3歳児でもぺろりと完食してしまうそう。
たくさん楽しみたい人には、卵とたこが通常の1.5倍入った『特別玉子焼』(950円)も。テイクアウトでは、電子レンジで1分前後温めると、ふわっとした食感が楽しめます。
だしには、ラウス昆布のうま味がたっぷり。だしにくぐらせてシンプルに味わうのが店主のおすすめです。今では主流になっている三つ葉のトッピングは、同店が初めて使用したのだとか。三つ葉はおかわり自由なので、自分好みにアレンジしてみて。
明石焼銅鍋の元祖と言われる「安福」の手打ち銅鍋を使用。15個用の銅鍋を使用したのは同店が最初だそう。30年以上焼き続ける店主の手さばきは、まさに神業です!
座席は、4人掛けのテーブルが6席。店内には、明石の風景画や明石焼のたこつぼなど、明石市出身のアーティストの作品が飾られ、店主の地元愛があふれています。
1958年の創業から、3代にわたって引き継がれてきた「松竹」。明石駅近くの商業施設「パピオスあかし」の1階にあるので、おでかけついでに気軽に立ち寄ってみて。
●混み合う時間帯 11:00〜14:00
●狙い目の時間帯 平日の14:00~19:00
●テイクアウト 予約がおすすめ。予約は受け取り時間の1時間前まで。店頭受け取り。
■DATA
4.玉子焼 お好み焼 てんしん
『玉子焼』680円 ※テイクアウトは730円
創業53年目を迎える「てんしん」の『玉子焼』は、生地にじん粉を使っていないのが最大の特徴。たこは、歯ごたえのある東二見港で獲れた二見たこを使用しています。卵のコクを感じられる生地は、焼きたてはふわふわでもちっとした食感ですが、冷めると生地が手でつまめるほど弾力がありプルプルに。おやつとしても人気だとか。
“漁師さんが疲れたとき、食べておいしいと思ってもらえるように”と先代の思いから、だしは濃いめに作ってあるそう。毎朝カツオと昆布からだしを取り、醬油で味を調えて手作りしています。
たこは身をやわらかく工夫をしたものを店で湯がいて陰干ししてから、一口サイズにカットしているそう。手間を惜しまないこだわりがおいしさの秘訣です。
『たこそば』750円
自家製のカツオと昆布のだしで麺をほぐして作る『たこそば』も人気メニュー。たこは歯ごたえがでるように、生ダコを使用。コリコリとした食感がクセになります。麺は地元の森福製麺所から仕入れている太麺で、食べ応え抜群です。
どこか懐かしいレトロな雰囲気が落ち着く店内。テーブル席が3つ、カウンターは2席あります。活気のある店長さんや店員さんたちに元気がもらえます。
山陽電鉄・東二見駅北側から出て、徒歩1分のところにある「てんしん」。開業当初から変わらない明石焼とだしの味を守り続けています。地元の人に愛される明石焼を堪能して。
●混み合う時間帯 平日は11:00〜14:00、土日は11:00~16:00
●狙い目の時間帯 平日の14:00~17:00
●テイクアウト 電話予約がおすすめ。受け取りたい時間の1時間前の予約がベスト。17:30以降は混み合う場合があります。
■DATA
玉子焼 お好み焼 てんしん
- 所在地
- 兵庫県明石市二見町東二見417-11
- 電話番号
- 078-942-3109
- 営業時間
- 11:00~19:00(L.O.18:30)
- ※店内で飲食する場合は18:00までに入店を。
5.たこ磯 別館
『玉子焼ハーフ(タコ・穴子各5個)』1,000円
「たこ磯 別館」の明石焼は、本店の「たこ磯」と比べて少し大玉。箸で持ち上げると崩れてしまいそうなほどやわらかく、とろりととろけるような食感です。熱々の明石焼を、昆布とかつお節から取っただしにつけて頬張ると、ジュワーっとうま味が口いっぱいに。明石焼の味を引き立ててくれる、あっさりとしただしは相性抜群です。
そして密かに人気なのが穴子入りの明石焼。ふんわりと焼き上げた穴子の香ばしさが明石焼のマイルドさと絶妙にマッチしています。2種類を同時に楽しめる『玉子焼きハーフ』はどちらも食べたい人にうれしいメニュー!
『たこ飯セット』1,500円
明石焼とたこ飯が味わえる『たこ飯セット』は、さまざまなたこ料理を満喫できるとあって人気のあるメニュー。たこ飯は、生ダコと干しダコをふんだんに使っているので風味が豊かで、食感の違いも楽しめます。セットの明石焼は、プラス150円で具材をたこと穴子のハーフに具材を変更することも可能。
本かつお粉と花かつおの2種類のかつお節と昆布から取っただしでじん粉をときます。オーダーが入ってから卵を割り入れ、きめ細やかな生地を作ります。
店内はカウンター9席とテーブル10席を用意。女性スタッフが多くアットホームな雰囲気なので、おひとりさまでも気兼ねなく食事が楽しめます。
オープンして4年目を迎える「たこ磯 別館」は、鮮魚店や飲食店が並ぶ「魚の棚商店街」から、南側のべんてん通り沿いにあります。たこの天ぷらやたこの炒め物など明石だこを使った料理にも注目を!
●混み合う時間帯 11:30〜12:00
●狙い目の時間帯 なし
●テイクアウト 予約がおすすめ。店頭受け取り。
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本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年9月9日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。