2024年4月、自然豊かな稲美町にオープンした「パン工房りとは」。国産小麦粉をはじめ、体に優しい素材を厳選した、無添加生地で作るパンが自慢です。全粒粉入りの『クロワッサン』は、開店1時間で売り切れることもあるほど人気。定番メニューも製法にこだわり、サンドイッチの具材もできるだけ手作りするなど、職人の思いが詰まった多彩なパンを展開しています。
・国産小麦粉100%使用「パン工房りとは」
明石西ICから北へ車で5分ほど、稲美町の閑静な住宅街に店を構える「パン工房りとは」。十数年にわたりパン屋で修行を積んだ職人が手がけるオシャレなベーカリーです。2024年4月18日のオープン以来、その話題は口コミで広がり、朝早くからひっきりなしにお客さんが訪れています。
白を基調とした爽やかな色合いの建物が目印。アカシアブルーブッシュやオリーブなど、季節の移ろいを感じられる植物に囲まれたナチュラルな雰囲気に心惹かれます。
店名の「りとは」は、“パンを通して小さな幸せを届けたい”というコンセプトに基づき、「a little happiness」をもじった造語です。
ロゴに描かれているハチドリは、アンデス地方に伝わる話「ハチドリのひとしずく」に由来。一人ひとりにできることを考え、森火事を消すため一滴ずつ水を運ぶハチドリの様子に感銘を受け、日々のパン作りにも通じるものを感じたそう。
パン作りの様子を見ながら安心して購入してもらいたいと、厨房と売り場の間に大きな窓を設置。どんな職人が、どんな機械で作っているのかを知ることができます。
お客さんとの会話を大切にしたいと、陳列台に選んだのは、存在感ある天然木の一枚板カウンター。パンの説明やおすすめ商品なども気軽に質問できる、アットホームな距離感です。
30~40種類のパンのほとんどはオープンと同時に焼き上がり、8:00ごろには全種類が出そろいます。昼過ぎには完売する日が多く、朝早くの来店が狙い目です。
パン屋には珍しいキッズスペースも。コンパクトながら絵本やおもちゃが用意され、冒険心をくすぐられそう。小さい子連れでもゆっくりパンを選んでもらいたいという、店主の細やかな心配りがうれしいですね。
・全粒粉入りクロワッサン&スイーツ系パン
小麦粉はすべて国産で、北海道や九州から取り寄せる8種類の粉をパンの特徴に合わせて使い分け。長時間発酵することで熟成させ、小麦の風味をじっくり引き出しています。
白砂糖は不使用で、精製されていない「本和香糖」で自然な甘みをプラス。塩は、マグネシウムが豊富で食材の味を引き締める「赤穂の天塩」を採用するなど、一つひとつの素材選びに余念がありません。
『クロワッサン』280円
看板メニューは『クロワッサン』。牛乳で長時間じっくり炊いた全粒粉を生地に練り込んであるので、酵素のうま味を感じられます。発酵バターを折り込むことで豊かな香りが広がり、外はサクサク、中はモッチリとした食感を実現。大量買いするリピーターも多く、開店後すぐに売り切れることもあるとか。確実にゲットしたい場合は、事前の取り置きがベターです。
左から『メロンパン』、『クリームパン』各200円
ほどよい甘さの『メロンパン』の生地は、ハチミツとヨーグルト入り。外はサクッと、中はしっとりとした食感が魅力です。一口食べた瞬間、その口溶けの良さに驚くかも。
『クリームパン』の生地には、自家製レーズン酵母と、乳酸菌と酵母が入ったパネトーネ種を使用。フルーティな香りとふんわりとした口当たりが特徴です。たっぷり詰め込んだカスタードクリームも手作り。まろやかで甘ったるくなく、年配の人でもぺろりと食べられると好評だそう。
・オリジナリティあふれる惣菜系パン
左から『カレーパン』250円、『大葉明太』300円
オリジナリティあふれる惣菜パンの数々も要チェック。『カレーパン』には、無添加のルウで作るカレーがぎっしり。ミンチ肉のほか、タマネギ、ニンジン、ナス、ピーマンと野菜がたっぷりで、家庭的な安心感のある味わいです。ほどよくスパイシーながら、子どもでも食べられるマイルドな辛さ。揚げていないので罪悪感なくいただけます。
『大葉明太』は、水分量の多いハードタイプのロデヴ生地に、大葉と米油で作ったオイルをミックス。明太子を惜しみなく挟み、和の食材を融合させた女性に人気のメニューです。
・自家製具材のサンドイッチやバゲットも
『サンドイッチ』250円~
冷蔵ケースには、毎日6種類のサンドイッチがスタンバイ。挟む具材もできるだけ手作りにこだわり、最後の一口までおいしく食べられるよう工夫されています。
『BLT』(450円)は、ベーコン、レタス、トマトを、歯切れのよいロデヴでサンド。噛むごとにうま味が広がります。『生ハムとクリームチーズ』(400円)は、大山の生ハムとクリームチーズの塩味が、ほどよい噛み応えのバゲット生地と絶妙にマッチ。『てりたまサンド』(400円)は、甘辛く味付けしたチキンとシンプルな卵サラダを、ジャガイモを茹でて生地に練り込んだムッチリ食感のパンで挟んでいます。
『バゲット』280円
石臼で製粉された新鮮な小麦粉をはじめ、5種類の国産小麦粉をブレンドした『バゲット』にも注目。同店でもっともハードなパンで、シンプルだからこそ、小麦の風味がダイレクトに伝わります。バターを塗ったり、薄くスライスして好みの具材をのせたり、アレンジも自在。
このほか、水で炊いた米粉を生地に加えた『もっちり米食パン』(1本560円)もおすすめです。ライ麦の風味が広がる『パン・オ・ルヴァン』(400円)や、ハチミツとバターを染み込ませて焼き上げた『ハニートースト』(300円)なども人気で、選ぶのに迷ってしまいそう。
国産小麦粉を使った、無添加生地で焼き上げるパンが自慢の「パン工房りとは」。スイーツ系、惣菜系、ハード系など幅広いラインアップで、家族みんなで楽しめます。ちょっぴり早起きした休日は、ドライブがてら足を運んでみてはいかが?
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年5月1日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。