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2025.1.21
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【姫路】「菓子刻(かしどき)」オープン!“菓人”の心がこもった懐かしくも新しい焼き菓子を

2024年11月23日、山陽姫路駅から西へ5分ほど歩いた忍町に「菓子刻(かしどき)」がオープンしました。さまざまなお店で、長年焼き菓子の製造に携わってきた店主は、人と人とをつなぐ焼き菓子を作る自身のことを“菓人(かじん)”と名乗り、時と心に刻む逸品をその手一つで生み出しています。どこか懐かしくも新しい味わいは、一度食べたら忘れられなくなるおいしさ。ギフトにもぴったりです♪

・「菓子刻(かしどき)」

山陽姫路駅から西へ向かって歩くことおよそ5分。かつてはさまざまな商店が立ち並び、今もその町並みに懐かしい雰囲気が残る忍町に、「菓子刻(かしどき)」があります。一見和菓子店にも見える和モダンな外観ですが、実は洋菓子店。同店のシンボルカラーである淡いグリーンの壁が目印です。

ガラス張りのスタイリッシュな外観は、「入らずとも中の様子を見ていただけるように」という店主の心配りからで、なんと扉の取っ手部分までガラス製!中からも外からも押して出入りできるようにしたのも、「ベビーカーをひく子ども連れのお客さんが利用しやすいように」という優しさからです。

店頭には開店と同時に、15~18種類ほどの焼き菓子が並びます。ショーケースの中と上には、当日焼き上げたばかりの朝焼きスイーツがずらり。土日は午後に追加で焼く日もあるので、タイミングが合えば焼きたてに出合えることもあります。ラインアップは、フランスの郷土菓子が中心。決して派手さはないものの、なぜか無性に手にとりたくなるような素朴な魅力があります。

それもそのはず。元々「世の中にさまざまなスイーツがあふれている中で、自分は“丁寧に作ったお菓子”を届けたい」との思いで開業した店主は、どの商品においても作る手間と暇を一切惜しまず、真心をこめて作り上げているから。伝統を大切にしながらも、工程のどこかに“菓子刻らしさ”を取り入れることで、懐かしくも新しい味わいを持つ唯一無二のお菓子に仕上げています。

大阪の製菓学校を卒業後、神戸の大手パティスリーでパティシエとしての腕を磨いた店主。将来お店を出すことを見据えて接客業も身に付けたいと世界的アパレルブランドで数年働き、その後は三重県へ。そこではリゾート宿泊施設の菓子製造部門に就き、再びパティシエの道を歩むことになりました。

その数年後、料理人に転職し、本業の傍ら2023年1月から「菓子刻」としての活動もスタート。自らを、人と人とをつなぐ焼き菓子を作る“菓人(かじん)”と名乗り、播磨エリアを中心に月に2回ほどイベント出店。そしてわずか2年足らずでお店を持つまでに人気を集め、店主の地元姫路で夢を叶えることとなりました。


・思いをお菓子に込めた「スペシャリテ」

『菓子刻の檸檬』(1個)430円

定番商品の中でも、ワンランク上のお菓子を同店では「スペシャリテ」と呼びます。

その代表となるのが『菓子刻の檸檬(かしどきのレモン)』。レモンケーキと一言で言っても、世の中には数え切れないほどさまざまな見た目や味わいのものがありますが、「食べた人がもう一つ食べたいと思えるもの」を目指して店主が趣向を凝らして作ったのがこの一品です。

ポイントとなるのは、シュガーグレーズに使っているジン。国産レモンの果汁と皮をたっぷり使った爽やかな生地を、レモン果汁とジンのグレーズでコーティングしています。レモンにジンが合わさることで果実本来のほろ苦さもほんのり感じる、ちょっぴり大人なレモンケーキをご賞味あれ。

『クロワッサンダマンド』(1個)700円

クロワッサンにアーモンドクリームを塗り、アーモンドスライスを散らして焼いたものを一般的に“クロワッサンダマンド”と呼びますが、同店では焼いたクロワッサンをラム酒に一度浸け、その間にアーモンドクリームをたっぷり挟んでグレーズでコーティングしているのが特徴です。

このお菓子は、店主がパティシエ時代に、作り方とおいしさに衝撃を受けたという思い入れの強い一品。サクサクを超えて“ザクザク”とした力強い食感のクロワッサンには、一層一層にラム酒のフルーティーな香りが染み込んでいます。濃厚なアーモンドクリームも後を引くうまさ。しっかりとした食べ応えがあるのでだれかとシェアしたり、一日数回に分けてゆっくり味わったりするのもいいですね。

・全国からの厳選素材を使ったタルトケーキ

『林檎のタルト』(1カット)600円

イベント時代からおいしさに定評があったタルトケーキは、地産地消を基本に、日本全国からも厳選した素材を使用しています。季節限定メニューが多い中、『林檎のタルト』は通年販売。一年を通して店頭に並びますが、季節によってリンゴの品種が異なり、その時その時の味を楽しむことができるのが魅力です。

取材日は「ぐんま名月」を使ったタルトが登場。食感があって香りも良いのが特長の品種で、タルトケーキには最適なんだとか。「ぐんま名月」本来の味わいをいかすため、リンゴはコンポートなどにせず、生のままスライスして焼き込んでいます。

『焼き芋のタルト』(1カット)560円 ※12~1月ごろ限定

12~1月ごろ、わずか2カ月だけ食べられる冬の限定タルト『焼き芋のタルト』は、焼き芋から手作りしているというから驚き。低温でゆっくりと熱を加えることでサツマイモの甘みを最大限に引き出し、濃密な食感を生み出しているそう。

サックリとしたタルト台の上にアーモンドクリーム、そしてその上に大きめにカットした自家製焼き芋をのせて焼き上げ、素朴だけど焼き芋のこっくりとした甘さが引き立つ優しい味わいに仕上げています。



・フランス各地の郷土菓子も

『カヌレドボルドー』(1個)400円

伝統的なレシピにならい、北海道産小麦やきび砂糖といった国産素材を駆使しして作ったフランス各地の郷土菓子にも注目を!

『カヌレドボルドー』は、型離れを良くするために使う油脂に国産蜜蝋(みつろう)を使ったリッチな一品。表面は爪も入らないほどバリッと固くて香ばしく、中はもっちりやわらかい、食感も味わいも王道を極めています。

ラム酒を使いながらも、アルコールの香りが残りすぎないよう、配合や製法には徹底的にこだわったそう。ラムの香りだけをいかしたフルーティーな味わいを余韻まで楽しめるカヌレは、一度食べる価値ありです。

『ガトーナンテ』500円

フランスブルターニュ地方の港町・ナントの郷土菓子。シンプルな見た目からは想像がつかないほど風味豊かで、北海道産バターとアーモンドの香りがギュッと閉じ込められています。

同店の『ガトーナンテ』は、きび糖のコクがバターとアーモンドの引き立て役。しっとりとした食感も素朴な味わいも身に染みるように優しく、一口食べるとまた恋しくなること間違いなしです。

「食べた人の記憶と時間、そして胸を刻むようなお菓子を届けたい」との思いで日々焼き菓子を作り続ける「菓子刻」。現在、過去、未来までも紡ぐかけがえのない同店の焼き菓子は、大切な人への贈り物にもぴったりです。今後はホールケーキの販売も徐々にスタートしていくとのことなので、記念日にも添えてみては。最新情報は公式Instagramでチェックしてみて。➡︎公式Instagramはこちら

■詳細情報

■DATA

菓子刻(かしどき)

所在地
兵庫県姫路市忍町248
営業時間
月~土曜日/11:00~18:00(無くなり次第終了)
日曜日/11:00~17:00(無くなり次第終了)
※営業スケジュールと営業時間は不定。毎月変動する可能性があるため、公式Instagramで確認を。

本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年12月27日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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