加古川市平岡町にある「菓子舗さくりしとり」は、国産小麦粉と米油で作った焼き菓子が自慢のおやつ店。さっくり食感のクッキーやしっとりとしたマフィン、ザクザク感がたまらないスコーンなど、ふとしたときにパクッとつまみたくなるような“日常のおやつ”がそろいます。いつでも通いやすいお手ごろ価格もポイント。おやつ一点から気軽に買いに訪れて♪
・「菓子舗 さくりしとり」
加古川市平岡町、「マルナカ加古川店」のすぐ目の前にある「上池マンション」の1階にある「菓子舗 さくりしとり」。べっ甲調のタイルやイエローの扉、オレンジ色の暖簾(のれん)が目を引くレトロな外観が目印です。
店内に入ると、店主が「こんにちは。靴はそのままでお入りくださいね」という明るい声が。元々民家だった建物をリノベーションしたため、入り口には玄関の面影が残っていて、靴を脱ごうとするお客さんの姿が時々見られるんだとか。思わず靴を脱ぎ「ただいま!」と言いたくなるようなアットホームな雰囲気に包まれています。
大工さんに教えてもらいながら自らの手で作り上げたという店内には、随所に店主のセンスが光ります。黄色い壁や木目の床、タイル調のシートを貼り合わせたカウンターなどはすべて、店主が手がけたそう。温かみのある空間が心地よく、店主との会話が弾みます。
店名は、「さっくり、しっとり」という店主が作る焼き菓子の食感から名付けたそう。ショップロゴにあるネコは、店主の愛猫がモデルなんだとか。かわいらしいイラストは、見ているだけで心が和みます。
・国産小麦粉と米油で作るさっくりクッキー
バターが手に入りづらく、価格も高騰していることから、「バターに変わる別の素材で焼き菓子を」という考えから始まった“さくりしとりのノンバターおやつ”。さまざまな油脂がある中でも、同店では米ぬかから生まれる米油を使用するのがこだわりです。油そのものに香りがほとんどなく、比較的お菓子作りに取り入れやすいのがポイント。また、栄養素の高さも言わずと知れたことです。
小麦粉やフルーツはすべて国産のものを使うなど、そのほかの素材も厳選。ユズやシークヮーサーなどの柑橘類やキャロットケーキに使うニンジンは、加古川市産のもの産直市場からできるだけ仕入れるなど、地産地消も心がけています。
『さくりクッキー』250円
約10種類あるクッキーを代表するのが、ネコをモチーフにした『さくりクッキー』。一袋にプレーン味とココア味がそれぞれ3枚ずつ入っていて、2種類の味を食べ比べできるのがうれしいポイントです。
「さらりとした米油でクッキー生地を固める工程とサクサク感を出すのに苦戦した」と話す店主。試行錯誤の末、ようやくたどり着いたこのレシピは、さっくりと軽やかな食感が見事に実現されています。国産小麦粉ときび砂糖の素朴なハーモニーもたまりません。
『ポテトチップスクッキー』250円
一つつまむと止まらなくなる『ポテトチップスクッキー』は、今や看板商品の『さくりクッキー』をもしのぐ人気No.1クッキー!クッキー生地にポテトチップスを混ぜ合わせて焼き上げる、アメリカ発祥のホームメイドスイーツです。作る工程はシンプルですが、ポテトチップスの砕き方やクッキー生地の甘さによって、味わいも食感もまったく異なる奥の深い一品。ほどよい塩気とカリサク食感を楽しんで♪
・トッピングがたっぷり入った具だくさんマフィン
ショーケースの中に並ぶマフィンは、日替わりで毎日6種類ほどがラインアップ。一般的なバターで作るマフィンは、冷めたり時間が経ったりすると固くなりがちですが、米油は冷えても質感が変わらないのが特徴。それゆえに、同店のマフィンは、翌日になってもしっとり感が続くのが魅力です。
生地のしっとり感を引き立てるため、中にも上にもトッピンを多めに。時には地元で採れたフルーツも使いながら、季節感も大切にしています。
『マフィン(おもちと米こうじあんこのぜんざい風)』300円
同店唯一の定番マフィンが『おもちと米こうじあんこのぜんざい風』。マフィンの中に、白玉粉から作った自家製のもちと、砂糖を使わず米糀(こうじ)と塩のみで炊き上げた自家製米糀あんこがギュッと詰まっています。3~4月ごろは、トップに飾られる塩昆布が桜の塩漬けになり春仕様に。
あんこは甘さ控えめで、例えるなら甘酒のような優しい味わい。口の中でふわりと広がる糀の甘い香りを感じるたびに、心も自然とリラックス…そんな、香りがもてなす癒やしのマフィンです。当日はそのまま食べてもモチモチ!少し時間が経ってから食べるときは、電子レンジで数秒温め直すと、もちのやわらかさがよみがえりますよ。
『マフィン(いちご+チーズクリーム)』300円 ※3~5月上旬ごろ限定
3~4月は桜のほかにもう一つ、イチゴも登場するのでお見逃しなく!イチゴとチーズクリームを組み合わせた季節限定マフィンは、中にも外にもイチゴをたっぷり使ったイチゴ尽くしの一品です。チーズクリームの淡いピンクの正体はイチゴジャム。さっぱりとしたクリームチーズに甘酸っぱいエッセンスを加えた特製のクリームが、トップに飾ったイチゴの風味を最大限に引き立てます。
・体思いな『キャロットケーキ』や『全粒粉スコーン』も
『キャロットケーキ』350円
市内では珍しいキャロットケーキも。同店のものはマフィン型で焼き上げたふんわりタイプ。小麦粉よりもはるかに多い量のニンジンを、生地にたっぷり使った贅沢かつ栄養満点な配合がポイントです。
生地には細かく刻んだニンジンのほか、レーズンやクルミといったアクセントと3種類のスパイスをブレンド。スパイスのエキゾチックな味わいとほんのり甘いクリームチーズフィリングのコンビが絶妙です。
『ハミングバードケーキ』350円
「あまりのおいしさに鳥もさえずる」という名前の由来を持つ『ハミングバードケーキ』は、一見キャロットケーキと同じようにも見えますが、中身はまったくの別物!生地の中にパイナップルとバナナを忍ばせたフルーティーなケーキです。噛むたびに感じるカリカリ感はココナッツ。異国のハーモニーとしっとりとした口溶けに、思わず鼻歌を口ずさみたくなるかも♪
国産の小麦粉と全粒粉を使ったザクザク食感のスコーンは、1個150円というリーズナブルな価格がポイント!「マフィンやクッキーと一緒にスコーンも!」と購入するお客さんが多く、早い時間に完売することもあるのでご注意を。
ラインアップは『いちじく+くるみ』『チョコチップ+ピーナッツ』『ホワイトチョコ+クランベリー』など、毎日2~3種類ほどが日替わりで登場します。
『全粒粉スコーン(いちじく+くるみ)』150円
女性客に人気の『いちじく+くるみ』は、ドライイチジクの凝縮された果実の甘みが生きたちょっぴり甘めなテイストが魅力。全粒粉のザクザクとした生地に、クルミが加わることでさらに歯応えが増し、ずっと噛み続けていたくなるような滋味深い味わいと食感を兼ね備えています。“カリカリ党”の店主が作るスコーンならではの力強い食感を、最後の一口まで楽しんでみて♪
特別な日に食べる“ハレの日のスイーツ”ではなく、昔お母さんに作ってもらったような“日常のおやつ”を届ける「さくりしとり」。「今日はさっくりの日?それともしっとりの日?」なんて自分の心に耳を傾け、焼き菓子一点からふらっと買いに出かけてみては。
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年3月28日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。