自然豊かな市川町にある農家民宿「くらしのおと」。有機農業と音楽活動を両立させるオーナー夫婦が、いなか暮らしの魅力を発信しようと2019年5月にオープンしました。完全予約制で営業するカフェでは、採れたての旬野菜がたっぷり味わえるランチや優しい甘さのスイーツを提供。ほっこり時間を満喫して。宿泊は1日2組限定。五右衛門風呂に浸かったり野菜の収穫や薪割りを体験したりと、いなか暮らしを味わうことができます。
農と音が自然に溶け込む「くらしのおと」
自然に囲まれた市川町にある「くらしのおと」は、素朴なたたずまいの農家民宿。
農業と音楽を生活の柱として“半農半音”の暮らしを営むオーナー夫婦が、「いなか暮らしの魅力を伝えたい」と、自宅の一部を改装し2019年5月に開業しました。
コンセプトは「農と音のある暮らし」。約5反の田畑で年間130種類の有機野菜を栽培し出荷するかたわら、津軽三味線とベースという異色のユニットを組み音楽活動を繰り広げる二人は、「自分たちの生活の延長線上にこの民宿があります」と声をそろえます。
玄関に入ると、土間で薪ストーブがお出迎え。寒い時期には、赤々と燃える炎が身も心も暖めてくれますよ。
土間を上がってすぐの部屋は、民宿の食事スペース。木のぬくもりが感じられる落ち着いた雰囲気で、予約制でランチやスイーツを提供するカフェとしても営業しています。
旬の野菜がたっぷり!からだ喜ぶ農家のごはん
『くらしのおと和膳』1,100円
ランチは2種類で完全予約制。決まった営業日はなく、お客さんの希望の日にできるだけ合わせてオープンしています。
ごはんと味噌汁、お総菜がセットになった『くらしのおと和膳』は、旬の食材がたっぷり味わえる農家ごはん。自社農園「前田菜園」で採れた有機野菜と無肥料無農薬米をはじめ、市川町や近隣で育てられた無農薬栽培の野菜を使用しています。
お総菜は、その日に収穫できる野菜の即興メニュー。取材日は、豆腐ハンバーグやにんじんのクミン炒め、小松菜のおひたしなど、彩り豊かな8種類が並びました。
素材の味を活かすため、シンプルな味付けを心がけながらも、スパイスを取り入れて味にバラエティーを出しています。また、体に負担をかけないようにと、塩や油などの調味料にも気を配っています。
大根やしいたけなどが入った具だくさんの味噌汁には、自社農園の大豆と米麹で作った自家製味噌を使用。じっくりと時間をかけて発酵させた味噌は風味豊かで、ほっとする味わいです。
お米や野菜も販売しているので、気軽に尋ねてみて。
食物アレルギーがある場合は、予約時に伝えておくと対応してくれますよ。
自慢のカレーは本格派!ランチ付きヨガも開催♪
『くらしのおとカレー』1,100円
クミンやマスタードシードなどのスパイスを駆使して作る『くらしのおとカレー』は、カレー好きな奥さん自慢の本格カレー。カレーの上にはお総菜がたっぷりと盛り付けられ、トッピングにはインドのせんべい「パパド」が添えられています。スパイシーな香りに加え、見た目にも食欲をそそられます。
取材日は、ピリッとした辛さの中にもマイルドな甘みが感じられるココナッツミルクベースのカレー。隠し味に自家製味噌を入れることで、親しみのある味わいに仕上がるのだとか。
第1・3金曜日はカレーランチ付きヨガを開催。ヨガで体を動かしたあとにゆっくりカレーをいただくのもいいですね。
また、オーナー夫婦のユニット「阿音(あおん)」の息の合った演奏を聴きながらランチを楽しむこともできます(要予約、食事込みで2,500円~3,000円)。
優しい甘さのマフィンとこだわりドリンク
『マフィン』250円と『ドリップ珈琲たそがれブレンド』500円
食後には、ドリンクと野菜やフルーツを使ったマフィンを。
『マフィン』は表面はサックリ、中はふんわりとした食感。甘味付けには粗糖(そとう)を使い、できるだけ甘さを抑えています。取材日は紫芋がゴロゴロと入っていて、優しい甘さに思わず笑顔に。
コーヒーは、奥さんが惚れ込んだという「自家焙煎工房CafeBaum(カフェバウム)」と、蕎麦や季節料理を提供する「ろあん松田」から豆を仕入れ、オーダーを受けてから挽きたてを一杯ずつドリップで淹れています。
この日は、「ろあん松田」の『ドリップ珈琲たそがれブレンド』。酸味が少なく、すっきりとした苦味とコクが特徴で、スイーツとの相性もぴったり。
『哲茶堂ほうじ茶』400円
宮崎県から取り寄せる『哲茶堂ほうじ茶』もおすすめ。無農薬栽培の茶葉を昔ながらの釜炒り製法で作ったもので、ほんのり甘く、まろやかな口当たりです。
目玉は五右衛門風呂!いなか暮らしを体験して
「農と音のある暮らし」が垣間見られる民宿は、1日2組限定。
野菜の収穫や薪割りなどが体験できる一泊二食付きのプランが用意されています(大人10,000円、小学生5,000円、3歳〜未就学児3,000 円、0~2歳は添い寝であれば無料)。
民宿の目玉は、なんといっても五右衛門風呂。薪で沸かすため体の芯から温まるそう。現代ではなかなか目にすることがなくなった五右衛門風呂を復活させたいと、地元の左官職人さんに造ってもらったのだとか。
スタイリッシュなデザインの浴室に昔ながらの五右衛門風呂というミスマッチが、しっとりとした雰囲気を醸し出しています。
忙しい日々にちょっと疲れたなと感じたら、「くらしのおと」に足を運んでみては?いなかの暮らしから紡がれる音に耳を傾けながら、ゆったり流れる時間に身を任せると、きっと心身の疲れも癒やされるはず。
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2019年12月6日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。