兵庫県はりまエリアの“楽しい”をチョイスする地域情報サイト TANOSU [タノス]
2024.3.29
18,385 views

【上郡町】川べりに佇むカフェ「菜食 星祝(ほしいわい)」で心と体に休息と栄養を♪ランチは予約制

ぽつぽつと住宅が建ち、それ意外は辺り一面に山や川に囲まれたのどかな上郡町。この町を流れる鞍居(くらい)川の川べりに2023年11月、「菜食 星祝(ほしいわい)」がオープンしました。ここは、土、野菜、人を結び循環するような“菜食”にこだわったランチや、古くから代々受け継ぎ守っている自家山で育ったフルーツを使ったスイーツが味わえる自然循環型のカフェ。川を眺めながら野菜たっぷりの食事を味わい、心と体に休息と栄養を与えてあげませんか?

・「菜食 星祝(ほしいわい)」

播磨自動車道播磨新宮ICから南西方向へ車で約10分。いくつものカーブを越え、県道28号線沿いをまっすぐに抜けた先に、「菜食 星祝(ほしいわい)」があります。草木が生い茂る緑豊かな山々やすぐ近くを流れる鞍居川、耳を澄ませば聞こえてくる虫の音や鳥の声…豊かな自然に守られるように佇む川べりの一軒家が同店です。

営業日は水・木曜日と第2・4土曜日の月に10回。ランチとお弁当は完全予約制で、カフェメニューは予約なしで注文できます。予約は、前日17:00までに公式InstagramのDMもしくは電話で受け付け。最大15人までの貸し切りも可能です。➡︎公式Instagramはこちら

店名には、「自然の恵みの収穫に感謝する心を大切に、四季折々の菜食料理で日々をお祝いしたい」という思いが込められているそう。菜食とは、動物性素材を避け、野菜類を主とした食生活を指します。この町で生まれ育った店主が菜食と出合ったのは、大学時代を過ごした京都。その土地で出合ったとある店の菜食のおいしさに惹かれ、料理教室に通うようになったそう。

菜食を追究しながらも、カフェでバイトをしている内に「自分の店を持ちたい」という漠然としていた夢も明確になり、故郷である上郡に帰省。ちょうどここで喫茶店をしていたという夫婦が店をたたむタイミングと、店主が店を開きたいタイミングが重なり、晴れて夢が叶いました。

川沿いが全面ガラス張りの店内は、暖かな陽気に包まれ居心地抜群。「穏やかに流れる鞍居川の美しさを身近に感じてほしい」と、窓際にカウンターを設えたのがインテリアの一番のこだわりです。ほかにも、欧州から輸入したヴィンテージ家具や、四季を感じる野草を各テーブルに飾るなど、随所に店主のセンスが光ります。

川沿いのカウンター席は、鞍居川をよく知る地元の人からも好評。名水百選に選ばれる清流・千種(ちくさ)川に続く支流で、川底が透き通って見えるほど美しい川です。店主が小さいころは、この川で川遊びをしたこともあったそう。都会では中々見かけることのない自然豊かな風景に心が解きほぐされます。


・【完全予約制】自然栽培や無農薬の野菜で作る菜食ランチ

『季節の菜食プレート(お茶セット)』1,700円 ※前日17:00までに要予約

ランチは『季節の菜食プレート』の1種類。自家畑のものを取り入れながら、上郡町や岡山県和気(わけ)町の農家から仕入れた自然農や無農薬栽培の野菜をふんだんに使っています。内容はその日によって変わり、5種類以上の野菜のおかずと酵素玄米、旬野菜のサラダを盛り付けたワンプレートと野菜のポタージュ、食後のドリンクがセットになっています。

取材日は、地元産の原木シイタケやフキノトウをひよこ豆の衣に絡めたグルテンフリーの天ぷらや有機ハーブで味付けをしたハーブマリネなどがお目見え。ダイコンの素揚げ一つとっても、ダイコンを一度干して甘みを引き出してから調理するなど、“いかに野菜本来のうま味や風味を引き出すか”にこだわり、手間暇を惜しまない店主。

また、菜食では魚や肉を避けることから出汁(だし)が使えないのが特徴。普段よく口にする合わせ出汁の代わりに同店では、レンズ豆を香味野菜やローリエと炊いて取ったブイヨンや重ね煮など、調理法がひと味もふた味も違います。「キャベツってこんなに甘かったの?」「ドレッシングに頼らなくてもサラダっておいしい」といった感動を、一口一口に感じます。

牛乳や生クリームを一切使わず、野菜や玄米など、すべて植物性由来の素材だけで作ったポタージュスープも。取材日の「キクイモのポタージュ」は、キクイモが持つ土の香りや繊維を生かしたスープ。カシューナッツを少し加えることでコクのある味わいに仕上げているので、動物性素材を使っていないことが信じられないほどコクがあり濃厚です。

プラス300円で『お茶とデザートセット』に変更も可能。食後のドリンクは『ハンドドリップ珈琲』『梅茶』『野草茶』など6種類から、デザートは3種類の日替わりスイーツから好きなものをチョイスして。

生地自体に砂糖を使わず、自家製柿ジャムと甘酒だけで甘みを付けた『柿と甘酒のガトーショコラ』は、甘さ控えめで食後にぴったり!有機ココアでチョコレートの風味を付けているので、製菓用チョコで作るガトーショコラよりもあっさりとしていて口当たりが軽いのが魅力です。

『季節の菜食弁当』1,000円、『季節のポタージュ』300円 ※前日17:00までに要予約

ランチは前日までに予約すればテイクアウトも可能です。内容は『季節の菜食プレート』とほぼ同じで、スープも300円で単品販売も行っています。近くの山や川など自然の中でのロケーションで味わうもよし、自宅に持ち帰ってゆっくり味わうもよし。野菜のおいしさが詰まった菜食弁当を好きな場所で味わえば、おいしさもひとしおです。

・旬の野菜やフルーツを使ったヘルシーなスイーツも

『かぼちゃの豆乳プリン』350円

2024年2月からカフェ営業をスタートしたことで、ランチを注文していない人でもカフェスイーツが味わえるようになりました。スイーツメニューは3種類。自家畑で採れた野菜や山に自生しているフルーツなど、旬の素材を取り入れたケーキやフルーツが季節ごとに顔ぶれを変えて登場します。

蒸したカボチャを豆乳と合わせた『かぼちゃの豆乳プリン』は、メープルシロップとバニラエクストラクトの香りがほんのり香る優しい味わいが魅力。自家製のカラメルソースがたっぷりとかかっているので、しっかり絡めて召し上がれ。滑らかな口当たりとメープルのコクがやみつきになりそう。

『米粉のゆずケーキ』400円

先代から代々受け継いできた山に毎年自生する無農薬のユズで作ったユズのシロップ漬けと、ショウガのシロップ漬けを生地に練りこんだ米粉ケーキ。米粉だけでは重くなると、おからやアーモンドプードルを配合することで生み出したほどよく軽い食感が自慢です。ユズの柑橘の香りとショウガの風味が口いっぱいに広がる爽やかな味わいが、日ごろの疲れを癒やしてくれますよ。

『ハンドドリップ珈琲』500円

コーヒーは、埼玉県にある手網焙煎スペシャルティコーヒー店「燈現郷(とうげんきょう)」の「マンデリン」と、岡山県の自家焙煎コーヒー店「珈琲 りんごの木」の「グアテマラ」の2種類がスタンバイ。どちらも焙煎にこだわりが強く、しっかりとしたコクと力強い香りが楽しめます。

重厚感のある味わいが好みな人は、深煎(い)りの「マンデリン」がおすすめ。飲むと目が覚めるパンチの利いた一杯です。フルーツのような心地よい酸味を楽しみたい人は、中深煎りの「マンデリン」を。上品な後味がたまりません。

『山の柚子茶』500円

山に自生しているユズを、種以外すべて使ってきび砂糖と一緒に漬け込んだ自家製の柚子茶。とろ~んとした優しい口当たりに仕上げるため、食感が残りやすい果肉をペーストにして使うのがポイントです。酸味や苦みが控えめで、爽やかなユズの香りがしっかり感じられるのは、加熱調理をしない“生の柚子茶”だから。フレッシュなユズの風味を余すことなく味わって。

『オーツミルクのカフェオーレ』600円

食物繊維が豊富で近年話題となっているオーツミルク。同店では、コーヒーを有機のオーツミルクと豆乳で割ったカフェオレを提供しています。初めて飲む人は、その甘さに驚くはず。牛乳とも豆乳とも違う、オーツ麦のクリーミーな甘さがコーヒーと見事に調和した一杯です。カップの表面を覆うふわふわの泡も楽しみながら、ゆっくり甘みを感じて。

店で出た野菜くずをコンポストに入れ、そこでできた肥料を自家畑に、畑で採れた野菜をお客さんにと“循環”を大切にしている店主。「土と循環するお店になればいいですね」と話す店主が作る食事には、自然への愛が詰まっています。普段意識して野菜をあまり食べない人も、ぜひ菜食の魅力をここで味わってみては。

■詳細情報

■DATA

菜食 星祝(ほしいわい)

所在地
兵庫県赤穂郡上郡町野桑1411-1
電話番号
050-1809-1411
営業時間
11:00~16:00

本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年3月14日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

この記事をお気に入りに保存する
TOP