【姫路】老舗喫茶店「はまもとコーヒー」サイフォンコーヒーやTVで紹介されたアーモンドトーストを

姫路駅前商店街「みゆき通り」に店を構えて半世紀。「はまもとコーヒー」は、地元の人なら誰もが一度はその名を耳にする老舗喫茶です。レトロで温かな空気が流れる店内では、1975年の創業から今に至るまで、姫路ではちょっぴり珍しいサイフォン式コーヒーが丁寧に淹(い)れられています。ご当地名物「アーモンドトースト」もテレビで紹介されるほど人気！市民に愛され続ける理由とは？気になる“メニューへのこだわり”についても紹介します。

・「はまもとコーヒー」

JR・山陽姫路駅から北へ歩くこと約8分。多くの観光客でにぎわう姫路駅前商店街「みゆき通り」の一角に、1975年創業の「はまもとコーヒー」があります。半世紀以上もの間、変わらぬ味で地元に寄り添ってきた老舗喫茶は、今では商店街の象徴的な存在に。その評判は海外にも届き、遠方から訪れる人々も後を絶ちません。

店内には、大理石が埋められた趣のあるカウンター席と、その脇に数卓のテーブル席が並びます。設えのすべてがレトロで歴史を感じさせ、この喫茶店の雰囲気そのものが人々の心を魅了しています。

7：00の開店前から行列ができることも珍しくなく、観光客の利用も多い同店ですが、店主が何より大切にしているのは“常連客の存在”です。長年通い続けてくれる常連客への感謝を一日たりとも忘れることはなく、コーヒーチケットを持つ人を優先して案内するのはもちろん、顔を見るだけでコーヒーの淹(い)れ方や好みを即座に見分けるほど。

そんな細やかな心配りは、常連客にとって心地よい安心感となり、店独特の温かな空気を形づくっています。店主は「お客さんとの信頼関係が最も大切」と語り、その思いは店の隅々にまで息づいています。

・サイフォンで淹(い)れるこだわりのコーヒー

同店の一番の自慢は、なんといってもコーヒー。八百屋だった先代が、スーパーが普及する時代の流れをいち早く読み取り、野菜と同じく“鮮度”が命のコーヒーへと舵を切ってから50年。年月を重ねた今も、コーヒー豆へのこだわりとサイフォンで丁寧に淹れるスタイルは変わることがありません。

八百屋からコーヒー店へ移行できた理由の一つは、前職から縁のあった姫路の老舗「成田珈琲」が全面的にバックアップしてくれたこと。豆の卸や淹れ方のレクチャーなど、立ち上げから今日に至るまで、心強いパートナーとして寄り添ってくれていると話します。

『はまもとブレンドコーヒー』500円

ブレンドは7種類、シングルは12種類と、コーヒー豆のラインアップが豊富な同店で、不動の人気No.1を誇るのがお店の“顔”である『はまもとブレンドコーヒー』です。5種類の豆を巧みにブレンドしたこの一杯は、酸味・コク・苦みのバランスが良く、飲みやすいのが特長。それをサイフォン式で抽出するため、味わいが一層あっさりとし、ごくごくと飲みたくなる軽口に仕上げられています。

しかも驚きなのが、「毎日飲んでも飽きないように」と、お湯の温度などを微妙に調整し、日々わずかに味わいを変えられているということ。一杯のコーヒーにかけるこの熱量こそが、長い年月をかけて店の歴史と信頼を築き上げてきた原動力なのだと実感させられます。

『はまもとオリジナルアイスコーヒー』550円

お湯に“浸けて”抽出する方法ではなく、“濾(こ)して”抽出する「ネルドリップ式」で淹れたアイスコーヒーも、コーヒー好きならぜひ味わってほしい一杯です。キンキンに冷えたアイスコーヒーながら、その味わいはどっしりと深みがあり、しっかりとした飲み応えが魅力。雑味のないクリアな後味と、ネルならではのまろやかなコクが同居しています。

・コーヒーと相性抜群！頼まずにはいられない軽食メニュー

『はまもとブレンドコーヒー』500円、『アーモンドトースト』550円

姫路名物として知られる『アーモンドトースト』は、テレビで取り上げられたこともあり、いまやその名は全国に轟かせています。同店のアーモンドトーストは、あくまでも“コーヒーが主役”という考えのもと、甘さはほどよく控えめ。コーヒーと相性抜群の、香ばしさが際立つ一枚に仕上げられています。

アーモンドプードルとダイスをたっぷりと混ぜ込んだ自家製アーモンドバターを、耳の隅まで惜しみなく塗り広げ、焼く直前にアーモンドスライスをふんだんにトッピング。焼き上がった瞬間、さらに香ばしさとカリッとした食感が加わり、一口ひと口が楽しくなります。

『クロックムッシュ(ベーコン)』600円　※数量限定

数量限定の『クロックムッシュ』は、中の具材をベーコンかツナから選べるのが魅力。パンの間には、それぞれの具材と一緒に自家製ホワイトソースをたっぷりサンドし、仕上げにミルキーなモッツァレラチーズをのせてこんがりトースト。焼き上がりの香ばしさとクリーミーな味わいが重なり合う、満足感たっぷりの一品です。

『自家製プリン』450円

創業当時から変わらぬ製法で作られる『自家製プリン』は、まさに“これぞ喫茶店のプリン”と思わせるしっかり固めの仕上がり。卵・牛乳・生クリーム・砂糖というシンプルな素材だけで作るからこそ生まれる、どこか懐かしい家庭的な味わいが魅力です。一度口にすると、その優しい甘さと素朴な風味が忘れられず、思わずまたこのプリンを食べに帰ってきたくなります。