兵庫県姫路市の名物で人気の「えきそば」。中華麺と和風だしという一見ミスマッチともいえる組み合わせがどこか懐かしく、姫路市民のみならず、観光客にも愛され続けているソウルフードです。看板商品の「天ぷらえきそば」をはじめ、さまざまなメニューの開発にも取り組み、新メニューも続々と登場しています。電車の乗り換えの途中に、観光の合間の一休みに、姫路の味を求めて立ち寄ってみては?
・「えきそば」
兵庫県姫路市で、地元の学生やサラリーマンはもちろん、観光客のお腹も満たす 「えきそば」。市民の間でソウルフードとして定着するだけにとどまらず、今や“姫路名物”として各メディアでたびたび紹介されるほど注目されています。
1949年、JR姫路駅のホームで、立ったまま麺をすする“立ち食いスタイル”が話題になった「えきそば」。当時駅で弁当を販売していた「まねき食品」が、戦後の日本で「簡単に食事がとれて満足できる麺類を提供したい」という思いから開発したそう。
今ではなじみのある立ち食いスタイルも、当時は珍しかったとか。 現在は、JR姫路駅をはじめ、姫路フェスタ、ピオレ姫路、大手前通りなど姫路市内に7店舗、関西圏内に合計18店舗を展開しています。
創業当時は、麺料理に欠かせない小麦粉が手に入りにくかったため、こんにゃく粉とつけそば粉を混ぜたうどんのような麺を販売。しかし、時間が経つと麺がのびる点や腐敗が早い点などから、再開発をすることに。
試行錯誤を重ねた結果、かんすい入りの黄色い中華麺と秘伝の和風だしという意外な組み合わせにたどり着いたそう。それ以降は、「ちょっと食べてお腹いっぱいになれる」というコスパとタイパが良い麺類として注目されることに。訪れる人の中には1年間に300杯以上を食べている人もいるとか。
駅のホームのみならず、座って食事ができる店舗も次々に展開しています。
中でも世界遺産として有名な姫路城前のメインストリート・大手前通りにある「まねきのえきそば 大手前店」は、地元民や外国人観光客も頻繁に訪れる人気店。芸能人のサインもずらりと並んでいます。
広々とした店内はゆったり過ごせるようにカウンター席やテーブル席が配置されています。
外には、テラス席も用意。姫路城や大手前通りの風景を眺めながら「えきそば」を味わうことができます。天気が晴れの日はぜひ利用してみて。
注文は食券制。自分が注文したいメニューをタッチして、食券をスタッフに渡すスタイルは、昔ながらです。
・『天ぷらえきそば』VS『きつねえきそば』
『天ぷらえきそば』450円
看板商品の肩書きを誇り続ける『天ぷらえきそば』。創業当初は『えきそば』という名前だったため、昔からお店に通っている人の多くは『えきそば』の通称名で通っているそう。
麺が隠れるほど大きな小エビ入りの天ぷらに、秘伝の和風だしというシンプルな組み合わせは、素朴な味わいでありながらも作り手のあたたかみが感じられる一杯です。
『カツ丼えきそばセット』990円
スタッフおすすめのセットメニューはボリューム満点の『カツ丼えきそばセット』。単品と変わらないサイズの『カツ丼』(単品690円)と、『天ぷらえきそば』を楽しめます。『カツ丼』は大手前店など、座って食事ができる店舗限定メニュー。
このほか、『親子丼』(590円)や『助六』(200円)、『おにぎり』(昆布・鮭各種170円~)などのサイドメニューもあるので該当店舗に訪れたらぜひ注文してみては?
『きつねえきそば』450円
『天ぷらえきそば』に続く人気商品で、女性ファンが多い『きつねえきそば』。秘伝のだしにきつねの甘い煮汁が染み渡ると、より奥深い味わいに。きつねが2枚になる『Wきつねえきそば』(520円)もあるので、きつね好きはお見逃しなく。
・ちょっと珍しい!?変わり種メニューも人気
『姫路たこ焼きえきそば』580円 ※一部店舗限定
姫路のご当地グルメがコラボした『姫路たこ焼きえきそば』。その名の通り、揚げたてのたこ焼きが大胆に盛り付けられたえきそばです。ソースをかけたたこ焼きをだしに付けて味わうという、スタッフイチオシの“姫路流のたこ焼きの楽しみ方”をえきそばでご賞味あれ。
大手前店、JR姫路駅構内各店舗、グランフェスタ店などで販売中。隠れた人気メニューを発見したらぜひ味わって。
『神戸牛すき焼き丼』1,650円 ※大手前店限定
外国人観光客に大人気の『神戸牛すき焼き丼』は大手前店限定!厳選された割下で味付けし、すき焼き丼でいただきます。口溶けの良い贅沢な神戸牛が白ご飯とベストマッチ!
さらに訪れるお客さんを楽しませてくれるのが、風流な丼鉢。完食すると、浮世絵が現れる仕掛けになっています。えきそばとのセット(2,000円)もおすすめです。
・後味さっぱり!夏の涼を感じる一杯が登場
『紀州南高梅ねばトロえきそば』630円 ※夏季限定、一部店舗限定
シーズンごとに用意された限定メニューにも注目を。夏季は、『紀州南梅ねばトロえきそば』がラインアップ。冷たいそばとぶっかけ風のだしがたまらないと好評です。
トッピングも、完熟した紀州産の南高梅と、オクラ、ヤマトイモ、オニオンスライス、かつお節と、さっぱり感抜群の具材。季節ごとに登場する変わり種の期間限定メニューもお見逃しなく。
・姫路名物をお土産や手土産に
『姫路駅名物まねきのえきそば 乾麺3人前 お土産セット(天ぷら)』1,180円
姫路駅名物であり、姫路のソウルフードを、お土産や手土産にいかが?長期保存できる乾麺が「えきそば」各店やJR姫路駅内にある中央売店など、一部店舗を除いたほとんどの店舗で販売されています。
天ぷらにスープを染み込ませて味わうのがポイント。店舗での味が見事に再現されています。
『冷凍えきそば(3人前スープ付き)』1,500円
あっさりのどごしの良いえきそばを自宅でも味わいたいという要望に応え、『冷凍えきそば』の販売もしています。
まねき食品オンラインショップをはじめ、さまざまなインターネットサイトで購入できます。気軽に自宅で調理できるので、えきそばが恋しい時にいつでも味わえますよ。➡︎オンラインショップはこちら
1949年の創業以来、かんすい入りの中華麺と秘伝の和風だしのミスマッチから誕生した「えきそば」。天ぷら、きつねなどの定番のほか、変わり種や贅沢メニューも増え続け、時代とともに幅広い世代から愛され続けています。
姫路に立ち寄ったとき、小腹が空いたとき、気軽に味わえるえきそばを召し上がれ。➡︎全国の店舗情報はこちら
■詳細情報
■DATA
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。内容は2024年6月25日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。