

今回教えてくれるのは、エルザ動物病院グループのコーチを務め、診療補助や健康管理、治療をサポートする愛玩動物看護師の平野美幸さんです。
平野さん、よろしくお願いします。

シニア犬だと外よりもおうちにいることが多いかもしれませんね。
おうちでできることはありますか?

看護師
シニア犬を飼う上で大切なことは、まずは自宅で安全に過ごせる環境を整えることです。
ワンちゃんは足腰が弱ると滑りやすい床では踏ん張りが効かず、歩くのが怖くなり、痛みを感じて歩くことを諦めることがあります。
柔らかく滑りにくい床材を選び、安全な環境を確保してあげましょう。
また、目が不自由な子は、突然大きな音を立てたりいきなり触ったりすると驚かせてしまうことがあります。優しく声をかけてからそっと触れるようにしましょう。

今すぐおうち全体の床を変えるのが難しい方はどうしたらよいでしょうか?

看護師
そういった場合は「介護サークル」といって、柵で囲ってトイレやベッドなどを近くに設置し、ワンちゃん専用のスペースを作ることをおすすめします。
シニア犬は前進できても後退が苦手なため、部屋の角に頭を押し付けてしまうことがあります。
ですが、円形の「介護サークル」を用意してあげることで、ぶつかることなくスムーズに歩くことができます。
さらに、歩くことで胃腸の働きが促進され、食欲の安定にもつながります。

介護サークルの活用は、ワンちゃんだけでなく飼い主の方も助かるアイテムかもしれませんね!
シニア犬の介護やケアにおいて、他に注意することはありますか?

看護師
健康維持には良い生活習慣を作ることも重要です。
ワンちゃんも人間同様、昼間にたくさん寝てしまうと、夜に寝られなくなり、昼夜逆転が起こることも少なくありません。
また、周りが暗くなると不安で夜鳴きをすることもあります。

ワンちゃんの生活サイクルは飼い主の方が責任を持って管理することがポイントですね。
参考までに、理想的な一日の過ごし方を教えてください。

看護師
例えば、「寝ているからそのままにしておこう」と放置するのではなく、朝になったら決まった時間に起こしてあげましょう。
少し歩かせてから朝ごはんをあげたら、自由な時間を過ごせるように影から見守ってあげてください。
また、昼間はなるべく散歩に連れ出しましょう。
長く歩けなくても、外の空気や匂いを感じさせることが良い刺激になります。
夜ごはんを食べた後は、リラックスする時間を与えて自然と眠ってしまうようなリズムをつくってください。

ペットの健康のためにも、生活リズムを整えてあげることが大切ですね!

看護師
犬は人間に換算すると1年で4歳ほど年をとります。
そのため、一日一日がとても大切な時間です。
年齢を重ねるにつれてできないことが増えていきますが、できなくなることを嘆くのではなく「今できること」に目を向けてたくさん褒めてあげましょう。
愛犬が楽しく過ごせる環境をつくることが、健康維持にもつながります。
当院では、介護専門の医療チームがあります。
ワンちゃん・猫ちゃん用の介護用品や往診サービスなどもあるので、ぜひ公式HPをご覧ください。
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「エルザ動物病院グループ」は、動物たちの健康と飼い主との豊かな暮らしを守るため、「動物の幸せを第一に考える」診療を提供している。
一般診療や予防医療、健康診断をはじめ、ペットフードの相談やしつけセミナーの開催、さらには専門科診療やMRI・CTなどの高度医療機器を活用した検査、夜間救急診療まで幅広く対応。
姫路・加古川・神戸・たつのを中心に病院を展開し、グループネットワークを活かした地域密着型の動物医療サービスを提供している。
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