Q.犬の予防医療&生涯の医療費について知っておくべきことは?

Q.犬の予防医療&生涯の医療費について知っておくべきことは?
ワンちゃんを迎えたら、元気なうちから考えておきたいのが、病気やけがを防ぐための予防と、もしものときの医療費への備えです。 今回は、ワクチンや寄生虫予防など、日頃からできるケアから病気やけがの治療費まで、愛犬と安心して暮らすために知っておきたいポイントをまとめました。

ワンちゃんの予防接種や寄生虫予防は定期的に必要?

ワンちゃんの予防接種や寄生虫予防は定期的に必要?
Q.ワンちゃんの予防接種は定期的に必要でしょうか?寄生虫予防は涼しくなってきたらしなくてもいいですか?
ライター

今回教えてくれるのは、エルザ動物病院グループの仁木日菜子獣医師です。仁木先生、よろしくお願いします。

ライター

ペットの感染症などを防ぐ予防接種。ワンちゃんは、どのくらいの頻度で受けると良いのでしょうか?

仁木 獣医師

犬のワクチンには、大きく分けて2つの種類があります。 一つは狂犬病ワクチンで、年に1回の接種が法律で定められています。 もうひとつは、複数の感染症を防ぐ混合ワクチン。こちらはできれば年に1回の接種が望ましいです。

血液検査で抗体が残っているかを調べ、結果に応じて追加接種の必要性を判断する方法もあります。 ただし、その場合は複数の感染症、ウイルスの抗体を調べる必要があります。

また、感染症の種類によっては免疫が続く期間が異なります。 特にレプトスピラ症は、ほかの感染症に比べて免疫が続く期間が短いため、予防効果を保つには年1回の追加接種が推奨されています。

ライター

レプトスピラ症は身近な病気なのでしょうか?

仁木 獣医師

レプトスピラ症は汚染された水や土壌を介して感染することがあるため、水辺や自然の多い場所では注意が必要です。

例えば、台風や大雨の後は、山から川へ水が流れ込むことで、ネズミのフン尿などが混ざった水に触れる可能性があります。 こうした水を介して、レプトスピラ症に感染することがあります。 実際に当院でも、昨年、近隣の河川敷を散歩していたゴールデンレトリバーなどが、レプトスピラ症の感染症で亡くなった例が複数ありました。

自然の多い地域で暮らしている、河川敷を散歩する、アウトドアやレジャーに出かけることが多い場合は、レプトスピラ症を含むワクチンの接種を検討すると良いでしょう。

ライター

寄生虫予防についてはどうでしょうか?

仁木 獣医師

涼しくなったからといって、すぐに予防をやめるのはおすすめできません。 寄生虫によって、活動する時期や予防が必要な期間が異なるためです。

例えば、蚊を介して、ワンちゃんや猫ちゃんの心臓や肺動脈に寄生する寄生虫であるフィラリアの予防薬。これは、体内に侵入した幼虫の駆除をする薬のため、 蚊がいなくなった1カ月後までは投薬する必要があります。地域や気候にもよりますが、兵庫県南部では、だいたい12月頃までの投薬を推奨します。

ノミとマダニの寄生虫については、通年予防をおすすめしています。 ノミは、自然環境であれば冬には活動しなくなりますが、暖かい室内であれば年中生息していることがあります。 マダニは自然環境でも年中生息し、貧血を起こすイヌバベシア症や人獣共通感染症であるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などのマダニ媒介感染症にかかる危険性があります。

消化管内寄生虫についても要注意です。ほかの動物のフン便や土壌、感染した動物などを介して体内に入ることがあるためです。 ノミを口にすることによって消化管に寄生する虫もいます。感染していても症状が強く出ない時もあるので、定期的な駆虫(おなかの虫下し)を検討してみてください。

ライター

ワンちゃんの生活環境や寄生虫の種類により、必要な時期や方法が変わるのですね。

仁木 獣医師

暮らしている地域や生活スタイルによっても必要な予防は変わります。

当院では、さまざまなウイルスや寄生虫などの予防医療を備えています。 予防の時期や内容について迷った場合は、ぜひ公式HPを見て、受診の参考にしてください。

➡︎予防医療の詳細はこちら

生涯の医療費と節約方法は?

生涯の医療費と節約方法は?
Q.これからワンちゃんを迎えたいと思っていますが、生涯でどれくらい医療費がかかるのか気になります。節約するにはどのような方法があるでしょうか?
ライター

今回教えてくれるのは、エルザ動物病院グループで愛玩動物看護師を務める、看護部長の矢野 史子さんです。矢野さん、よろしくお願いします。

ライター

ワンちゃんを迎えるにあたり、医療費がどれくらいかかるのかはとても気になります。

矢野 愛玩動物
看護師

犬種や体格、病気の有無などによって大きく異なるため、「必ずこれくらいかかる」とは伝えられませんが、 予防医療だけでも、生涯で50~100万円程度と言われることもあるようです。 このほか、例えば心臓などの病気になることで薬を継続して飲む必要が生じたり、けがや骨折、誤飲などによって、突発的に医療費がかかったりすることがあります。

一般的には、年齢を重ねるほど動物病院を受診する機会が増え、医療費も高くなる傾向があります。 特に知ってほしいのは、ワンちゃんには人間のような公的な健康保険がないということ。 病気やけがで検査や治療、手術などが必要になった場合は、基本的に飼い主が費用を負担することになります。 そのため、ワンちゃんを迎える時は、毎月のフード代などに加えて、「万が一、愛犬が病気になったときのお金」も最初から考えておいてほしいですね。

ライター

急な病気やけがで大きな治療費が必要になった時のために、どんな備えをしておくと良いでしょうか?

矢野 愛玩動物
看護師

大きく二つあります。
一つはペット保険に加入すること。
保険は、ワンちゃんが幼いうちから保険料を支払うことで、予想していなかった大きな治療費に備えやすくなります。 ただし、病気になってから加入すると、その病気に関する治療が補償の対象外となる場合があります。 また、健康診断や予防医療は原則として補償の対象外となるため、注意が必要です。

二つ目は、毎月一定額をワンちゃんのために貯めておく、“つもり貯金”です。
“つもり貯金”は、ペット保険と比べて、使わなかったお金がそのまま残るというメリットがあります。 ただ、十分に貯まる前に病気やけがをする可能性もあります。

ライター

できるだけ医療費を抑えるために、普段からできることはありますか?

矢野 愛玩動物
看護師

医療費を節約したいからといって、健康診断や予防を減らすことはおすすめできません。 むしろ、定期的な健康診断やワクチン、フィラリア、ノミ・マダニなどの予防、 歯磨きや体重管理を続けることが、病気の早期発見や予防につながり、結果的に大きな治療費を抑えることにもつながります。

また、誤飲・誤食や転落などの事故を防ぐために、日頃から生活環境を整えることも大切。 落ちている物を口にしないようにしたり、高いところから飛び降りないよう工夫したりすることで、事故のリスクを減らせます。

ライター

医療費を抑えることだけを考えるのではなく、元気なうちから予防や健康管理にお金をかけることも、将来の備えになるのですね。

矢野 愛玩動物
看護師

ワンちゃんを迎える時は、フード代などの毎月の生活費だけでなく、 「日頃の予防や健康診断に使うお金」と「もしもの治療に備えるお金」の二つを、最初から考えておいてほしいと思います。

動物病院では、「もっと早く分かっていれば、ここまで大きな治療にならなかったかもしれない」という ケースに出合うこともあります。ワンちゃんを迎えることは、これから10年、15年と家族として一緒に暮らしていくということ。 若くて元気な時だけでなく、年を重ねた時まできちんとお世話できるかを考えて迎えると、 ワンちゃんと飼い主の安心につながります。

当院では、皮膚科や眼科、栄養科など、さまざまな診療科があります。
ぜひ公式HPを見て、受診の参考にしてください。

➡︎診療や診療可能動物などについての詳細はこちら


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エルザ動物病院グループ
エルザ動物病院グループ

「エルザ動物病院グループ」は、動物たちの健康と飼い主との豊かな暮らしを守るため、「動物の幸せを第一に考える」診療を提供している。
一般診療や予防医療、健康診断をはじめ、ペットフードの相談やしつけセミナーの開催、さらには専門科診療やMRI・CTなどの高度医療機器を活用した検査、夜間救急診療まで幅広く対応。
姫路・加古川・神戸・たつのを中心に病院を展開し、グループネットワークを活かした地域密着型の動物医療サービスを提供している。 公式ホームページはこちら 病院一覧はこちら