

今回教えてくれるのは、喜多彩名さん。エルザ動物病院グループの愛玩動物看護師です。喜多さん、よろしくお願いします。

飼い主は現在、精神的にとても辛い状況だと思います。どのように気持ちを切り替えるといいでしょうか?

看護師
「この選択で良かったのか」と葛藤する気持ちは、愛情があるからこそ生まれます。どんなに心を決めた飼い主でも、病気の進行やわずかな変化に敏感になります。小さな変化も、かけがえのない存在だからこそ不安になって当然だと思います。

「緩和治療(緩和ケア)」について教えてください。

看護師
「緩和治療」は、がんを消失させることを目的とした「根治治療」とは異なり、痛みや吐き気などの苦痛をできるだけ取り除くことを目指したものです。苦痛を軽減することもですが、その子らしく、穏やかな生活ができるように支えることが大切です。
言葉を話せないペットにとっては、飼い主の温かく見守るまなざしや気持ちが何よりの安心になります。
どのように最期まで過ごしてほしいのか。それは各家庭によってさまざまで、正解はありません。そのため、今後病態が変化した時の対応も含め、家族でしっかりと話し合うことが大切です。

家族間での支え合いも必要となってきますよね。家族での話し合い以外に、愛犬に対してできることはありますか?

看護師
“今、一緒にいられる時間”を、どうか大切にしてください。慣れたおうちで大好きな飼い主と一緒に過ごせることは、ワンちゃんにとって何よりの幸せです。
好きだった遊び、場所、ごはんなど、“その子らしさ”を思い出しながら、少しでも穏やかな日々が送れるよう、生活環境を整えてあげるのもいいでしょう。

ずっと一緒に過ごしてきた飼い主だからこそできるサポートですね。

看護師
緩和治療を選んだ後も、迷いや不安は尽きないかもしれません。そんな時は、どうか家族だけで抱え込まず、動物病院などの専門家に相談してください。質問者とワンちゃんが、愛情あふれる時間を少しでも長く過ごせるよう、心から願っています。
通院や治療が負担になるワンちゃんもいます。当院では、往診の相談も受け付けています。獣医師やスタッフと一緒に、愛犬にとって最適なケアを見つけていきましょう。
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「エルザ動物病院グループ」は、動物たちの健康と飼い主との豊かな暮らしを守るため、「動物の幸せを第一に考える」診療を提供している。
一般診療や予防医療、健康診断をはじめ、ペットフードの相談やしつけセミナーの開催、さらには専門科診療やMRI・CTなどの高度医療機器を活用した検査、夜間救急診療まで幅広く対応。
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